奥永さつき

日々のできごとをそこはかとなくつづります。

どっちもどっち

2021-03-23 21:22:48 | 社会
 NHKは23日、2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代考証を担当していた歴史学者、呉座勇一氏が降板したことを発表した。「ツイッター投稿で一部内容が不適切であった責任を取り、降板したいとの申し出がありました。番組製作サイドもその事実を確認」したという。
 この問題に関しては、呉座氏自身が20日にツイッター上で、「拡散希望」として以下のように謝罪。北村紗衣武蔵大准教授に対して、ツイッター上で誹謗中傷したことを認めている。(デイリー)


何かと物議をかもしているようだが、呉座勇一の「応仁の乱」はおもしろかった。テレビは見ないので疎いのだが、中世史専門なので大河の時代考証を頼まれたのだろう。
まあ、この報道だけでは、どのような内容の誹謗中傷をしたのかわからない。もちろん、その内容を事細かに記事で書けば、二次的な誹謗中傷になるから書けない。
ネットで調べてみると、どうやら、亀田俊和が
網野善彦について「レフティ」「日本嫌いなのに、何で日本史研究したのか」などとツイートしたら、北村紗衣が「冷淡系」とか言って、それに対して、呉座勇一の「何を言っているのか。それこそ妄想じゃん。」に始まって、呉座勇一の取り巻きで北村紗衣武蔵大准教授に対して、不適切発言があって、北村紗衣が過剰反応したように見える。

亀田俊和の「観応の擾乱」もおもしろかったし、網野善彦の著作はほとんど読んでいるので、そういった人たちの「本音」というか口が滑った発言みたいなものを目にすると、なんだかなあという気持ちにもなる。
「保守」の人たちからすれば、網野善彦は天皇を貶めているという気持ちになるだろうし、北村紗衣の「冷淡系」発言もそんな単純な括りでもないように思える。

まあ、この頃の若い人たちは、というと年寄りが何を言うかと批判されそうだが、直接議論すればこういうことにはならないのに、SNSという現場では「決めつけてしまう」ことが多いのではないだろうか。
この件、どっちもどっちという感じだね。


スッキリのアイヌ発言

2021-03-15 20:52:53 | 社会
 加藤勝信官房長官は15日の記者会見で、日本テレビの情報番組「スッキリ」でアイヌ民族を傷つける不適切な表現があったことについて「アイヌの人々を傷つける極めて不適切なものであり、誠に遺憾だ」と述べ、担当部署を通じて日本テレビに抗議したと明らかにした。
 加藤氏は内閣府が5日に発表した「アイヌ政策に関する世論調査」の結果に触れ、「アイヌの人々が先住民族であることを知っているとの回答が91%になるなど国民のアイヌの人々や文化についての理解は深まってきている」と指摘。そうしたなかでの発言に遺憾の意を表し、「報道のあった先週12日には担当部署を通じて当該放送局に対しても厳重な抗議を申し入れた」と明かした。(毎日新聞)


お笑い芸人の謎かけはダメだ。
だが、「アイヌの人々が先住民族である」というのは正しいのだろうか?
「国民のアイヌの人々や文化についての理解」は正しいのだろうか?

北海道の歴史はあまりわかっていません。
北海道の縄文・続縄文と、それに続く擦文文化とアイヌ文化にはギャップがあります。

Wikipediaにも書かれていますが、遺伝子解析からも、
天野哲也北海道大学教授(考古学)は「アイヌは縄文人の単純な子孫ではなく、複雑な過程を経て誕生したことが明らかになった」とコメントした。増田隆一北大准教授は「オホーツク人と、同時代の続縄文人ないし擦文人が通婚関係にあり、オホーツク人の遺伝子がそこからアイヌ民族に受け継がれたのでは」と推測した。

これが正しいと思います。
それ故、私は北海道の先住民は今はいない縄文人、アイヌ民族は後続で、それを先住民族とすることには違和感があります。今の日本人も縄文と弥生の混血だから、混血という意味でアイヌ民族は同じ日本人で良いし、特別視する必要は全くないと考えます。


「COVID-19の文化人類学的分析」のその後

2021-03-07 20:24:22 | 社会
昨年4月初めに「COVID-19の文化人類学的分析」をしてみました。
一年近くたって、データも蓄積されてきたし、世界的にも国内的にも普通のコロナ風邪にほぼ収束しつつあるので、最新データで分析してみました。
エマニュエル・トッドが提唱した家族形態と感染死者数との間の関係、BCG接種との関係をプロットしたものが下の図です。縦軸は対数表示です。
赤丸は各分類の死者総数/人口総数で計算した平均値で、信頼性が低い中共は除外しています。
西欧・米などの核家族形態とBCG接種されていない国と他の国で有意な差はあると思われます。相関はあっても、因果関係はよくわかりません。多分、因果関係だとは思いますが。