SARS-CoV-2の変異種オミクロン株についてのスクリーニング結果が出始めたので、SIRDモデル解析してみました。
仮定は次の通りです。
(1) 欧州では11月初旬の検体からもオミクロン株が検出されているので、東京都での初感染は11月1日とする。
(2) オミクロン株の基本再生産数はデルタ株の5倍とする。(よく言われている数値)
(3) 実際にオミクロン株に感染している人に対してPCR検査で陽性とされる人の割合は今日現在で10分の1とし、その割合を11月1日を0として2次曲線で近似する。
(4) 「発症者」(無症状を含めて感染させる能力のある人)の報告値が合うように、基本再生産数に対して「ロックダウン率L」(感染対策等で抑える係数)を調整する。実効再生産数=(1-L)* 基本再生産数。
東京都について計算した結果は次の通りです。
ここで気になるのは、2021年9月からのデルタ株の割合の低下(図の赤丸の部分)です。より感染力が高いデルタ株の出現によりアルファ株の割合は低下しています。つまり、デルタ株の割合の低下はより感染力の高い株の出現を示唆しています。オミクロン株では時期が遅すぎます。それで、
(5) 感染力がデルタ株の2倍の変異種(クシーとします)が7月11日に出現した。ただし、ほとんど無症状のため「陽性者」の増加にならなかったとする。
と仮定してみます。
計算結果は次の通りです。
以上は単なる仮説で、デルタ株の割合の低下の要因は別のものかもしれません。
なお、
(a) 「ロックダウン率L」は9月6日~10月14日: 0.98、10月15日~11月14日: 0.95
、以降: 0.9としていますが、異常に大きい値です。仮定したデルタ株の基本再生産数が(麻疹と同程度とされていますので、その値になっています)大きすぎるのか、原因は不明です。この計算ではワクチン接種の効果を入れていますが、それだけでは説明できません。
(b) 今のままでもオミクロン株はピークアウトします。まん延防止とか緊急事態宣言とか全く必要ありません。
WHOは習近平に忖度してクシーを飛ばしてオミクロンにしましたが、この仮説が正しくて日本にはクシー株があったとすれば面白いですね。