奥永さつき

日々のできごとをそこはかとなくつづります。

「おみくじは木に結ばないで!」年末年始を目前に和紙メーカーが注意喚起。その理由とは?(BuzzFeed)

2023-12-30 19:21:22 | 社会
「神職さんからのお願い」と切り出し、「おみくじを結ぶ際、おみくじ掛けがあるなら、そこに結ぶようにしてください」と呼びかけました。
その理由について、以下のように述べています。
「御神木などの木に結ぶと枝が傷む可能性があり、参拝者の多い神社では根元が踏まれて木が弱ります」
「おみくじ掛けは、境内の木を守るための設備なので、できればそちらを利用しましょう」
(BuzzFeed)


そんな軟なものに「ご利益」なんてないね。
神社を始めとして諸々の宗教に「ご利益」があるというエビデンスはない。
理性に最大価値を認める無神論者の単なるツッコミでした。

コロナ感染、心不全のリスク高まる可能性 理研など研究(毎日新聞)

2023-12-23 07:31:40 | 社会
 理化学研究所などの研究チームは23日、新型コロナウイルスに感染後、目立った心疾患を発症しなくても心臓が持続的にウイルスに感染し、心不全のリスクが高まる可能性があるとの研究成果を発表した。近い将来、心不全の患者が急増する可能性を指摘し、対策の必要性を訴えている。(毎日新聞)

ワクチンの副作用として血栓などが報告されているが、それとの関係はないのだろうか。理研には「ワクチンに感染した」場合についても実験してほしいものだが、やらないだろうね。

最近読んだ本(2023.12)_その2

2023-12-19 19:55:33 | 社会
B. Russell, “Introduction to Mathematical Philosophy”, 1919.
Alfred North Whitehead (アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド)とBertrand A. W. Russell (バートランド・ラッセル) によって書かれ、1910年から1913年に出版された、”Principia Mathematica” (プリンキピア・マテマティカ) への入門書となるもので、1918年に半年間投獄されていた間に書かれた。内容については、以下の解説がよくまとまっている。
https://russell-j.com/KAIDAI04.HTM

感想
・これまでの哲学から、通常言語が避けられない「曖昧さ」を排除して、論理的に正しい哲学を目指したのがラッセルの生きざまだったように思う。
・本書は自然数の定義から始まるが、
The number of a class is the class of all those classes that are similar to it.
(あるクラスの数はそのクラスに相似なすべてのクラスのクラスである。)
これが理解できないと、本書を読み進むことはできない。
・よく引き合いに出される例でわかりやすく説明している。
例えば、次のような疑似三段論法。
“Men exist, Socrates is a man. Therefore Socrates exists.”
これは
“Men are numerous, Socrates is a man. Therefore Socrates is numerous.”
と言っているようなものだ。
このような間違いは実生活では得てしてあるもので、政治家や「評論家」などは無意識か否か知らないが、よく使う手のように思える。

「現在のフランス王は禿である。」
これは(フレーゲも考えたようだが)、現在フランス王は存在しないので「無意味な命題」に思える。しかし、そうではない。B. Russell, “On Denoting,” Mind, Oct., 1905, New Series, Vol. 14, No. 56 (Oct., 1905), pp. 479-493で、denotingに関する理論で解くことができなければならないパズルを3つあげていて、その2番目が
(2) By the law of excluded middle, either "A is B" or "A is not B" must be true. Hence either "the present King of France is bald" or "the present King of France is not bald" must be true. Yet if we enumerated the things that are bald, and then the things that are not bald, we should not find the present King of France in either list. Hegelians, who love a synthesis, will probably conclude that he wears a wig.
((2) 排中律により、「A は B である」または「A は B ではない」のどちらかが真でなければならない。したがって、「現在のフランス王はハゲである」または「現在のフランス王はハゲではない」のどちらかが真実でなければならない。しかし、禿げているものを列挙し、次に禿げていないものを列挙した場合、どちらのリストにも現在のフランス国王は見つからないはずだ。統合を愛するヘーゲル主義者は、おそらく彼はかつらをかぶっていると結論付けるだろう。) 
この最後一文は、ラッセルらしい本質をついた皮肉で、実に良い。
“the present King of France”は” the present King of England”と同じ構文で、”The present King of England is bald.”は「真偽」判定できるのだから、"The present King of France is bald"も「真偽」判定できるはず。
"The present King of France is bald"は
あるxについて、「xは現在のフランス王であり」かつ「xはハゲである」。
この命題の否定は
すべてのxについて、「xは現在のフランス王でない」または「xはハゲでない」。
「現在のフランス王」は存在しないから、後者が「真」。
よって、この命題は「偽」である。
・その他、示唆に富むところ多である。


【速報】車ではねて山林に遺棄か 保護責任者遺棄の疑いで32歳男を逮捕…..(長野放送)

2023-12-11 19:10:38 | 社会
長野県長和町の山林で11日朝、佐久市の85歳男性の遺体が発見されました。警察は事情を聞いていた32歳の男を保護責任者遺棄の疑いで逮捕しました。男は佐久市内で男性を車ではね、長和町の山林まで運んだとみられています。
保護責任者遺棄の疑いで逮捕されたのは、佐久市の会社員・佐藤英伸容疑者(32)です。
警察によりますと、佐藤容疑者は12月10日午前4時10分頃、ワンボックスカーを運転し、佐久市岩村田の道路を歩いていた85歳男性をはね、保護すべき責任があったにもかかわらず、普通乗用車に乗り換えてその車に男性を乗せて、長和町の山中に遺棄した疑いがもたれています。(長野放送)


事故を起こした時点で110番、119番すればよいのに、明け方で、車を乗り換えたということは飲酒運転でもしていたのでしょうか。
普通は、午前4時10分頃に人が歩いているとは思わないので、油断もあったのでしょう。
田舎ではクマやタヌキだけではなく徘徊老人も出没するから、先入見を捨てて運転しないといけませんね。

最近読んだ本(2023.12)

2023-12-02 18:24:58 | 社会
ヘルマン・ワイル(菅原、下村、森訳)「数学と自然科学の哲学」(岩波書店)、1959/7/31
量子力学の教科書に登場するスピノルやリー群でお馴染みのヘルマン・ワイル(1885-1955)が1926年に、「哲学ハンドブック」に寄稿した論説の英訳(1950年)の翻訳。
第2部(自然科学)第3章(物理学的世界像)の結びの一文は、
「私が哲学的文献を見入れば見入るほど、単に伝統的方式によるのではなく、真剣に自由独立な精神を持ってこの問題に迫るすべての人々の間に見出されるような自然哲学の最も本質的な洞察に関する一般的な一致‐あるいはもし一致しないならば、そのときは少なくともそれらの発展の中に共通の一方向があること‐を強く感ずる。空間について、Husserlのように現象学の言葉で語るか、あるいはHelmholtzのように’生理学的に’語るかどうかは、それらの実質的な一致に鑑みて一組の公式を信じこんでいる’立場哲学者たち’が考えるほど重要ではない。
 精密自然科学は、他の諸文化に比して我々の文化の重要度ではないとしても、最も他と異なった特徴である。哲学はこの特徴をそれの特有性と独自性において理解する任務をもつ。ここにまとめられた諸々の考えは、それの確固たる基礎を第一の数学的部門においてもつものであるが、この目的に向っての努力と見なされるべきであろう‐私はこの任務は現在決して完全に為しとげられてはいないことを認めざるをえないのであるが。」(p. 241)


このように、全編が含蓄ある語り口です。
ドイツ観念論の系譜で、英国哲学者に対しては辛らつ。
この本をよりよく理解するためには、数論や幾何学などの深い知識が必要なのですが、この歳になると時間が限られてしまう。