奥永さつき

日々のできごとをそこはかとなくつづります。

最近読んでおもしろかった本

2020-12-31 21:27:27 | 社会
最近のコロナ狂騒曲に疲れた時に精神の正常を保つためには、本、それも金もうけだけをモットーとする近頃の本ではなく、批評に晒され生き残った「古典的な」本を読んで思索するのが一番だと思います。
それで、最近読んでおもしろかったのは、12世紀西欧に関する本三冊。


中世というと封建制の暗黒時代で、イタリア・ルネサンスで文芸復興したなどと歴史の時間で習ったのか、そのように言い募られてきたのか、そんなイメージがあります。
ところが、そのイメージはマルクス史観に影響されたのかどうか知りませんが、偏ったもので、実際はそうではなかったことを教えてくれる本です。
12世紀、西欧キリスト教社会がイベリア半島をイスラムから「取り戻し」た結果、アリストテレスが「発見」されます。キリスト教教義の理論武装としてのアリストテレス哲学との「調和」が図られる。パリやボローニャなどを始めとする大学が誕生したのもこの時期です。
思想史的に12世紀はイタリア・ルネサンス以上に活動的だったと考えられます。



新型コロナさまさま?

2020-12-30 20:59:15 | 社会
1~10月の日本の死亡数は前年同期より1万4千人少ないことが厚生労働省の人口動態統計(速報)で分かった。新型コロナウイルス対策で他の感染症の死亡が激減した影響とみられるが、新型コロナの死亡数は抑制できていない。専門家は「さらなる警戒が必要だ」と強調する。(2020.12.28、日本経済新聞)

10月末の「新型コロナ死」は1,755名(厚労省発表)だから、新型コロナの御蔭で死者数が減ったことで、新型コロナに感謝しないといけないのか。

いやそうではないだろう。

必要以上に怖がったコロナ狂騒曲のために、人々は大切なものを数多く犠牲にしてきたはずだ。
陰謀論には与しないのだが、何かに簡単に騙される、自らを簡単に騙すとは、人類の理性はたかが知れたものと実感させる一年であった。

変異株は怖いのか?

2020-12-26 21:31:41 | 社会
英国で検出された変異株が空港検疫にかかって、さらに

イギリスから日本に帰国し、新型コロナウイルスの感染が判明した人とその家族から感染力の高い新型コロナの変異種が見つかったことがわかりました。(NNN)

この手のニュースは「コロナ脳」の症状を悪化させるようだ。
感染研によれば、国内では3月に流行った欧州株から2つのゲノム・クラスターに変異しているとのこと。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2488-idsc/iasr-news/10022-491p01.html

11/19の小ブログで
「このところの「感染者」増加は感染力が上がったと仮定しないと説明できません。スペインでの変異株が日本にも広まっているのかとも思われます。」
と書きました。この時の計算では11/4以降の感染力を以前より42%上げています。この仮定が正しいのか否か、感染研からの報告はありませんので、よくわかりません。

それでは、英国の変異株は怖いのか?

英国政府の発表は
NERVTAG’s early analysis suggests the new variant could increase R by 0.4 or greater. Although there is considerable uncertainty, it may be up to 70% more transmissible than the old variant. (Dec. 19)

この意味がよくわかりません。古株の基本再生産数をRとすると、(R+0.4)/R=1.7より、R=0.57で、これでは感染が拡大しないことなってしまいます。私の理解が誤っているのでしょうか。

データが出そろっていないのかもしれませんが、最新のデータを見ると



累計陽性者数の傾きが最近大きくなって感染力は上がっているのでしょう。死者数は時間遅れがあるのでもう少し時間が必要なのでしょうが、致死率は最近減少していることがわかります。因みに、7月から8月中旬で致死率が上がっているのは、「コロナ死」の定義が変わったことに起因しています。コロコロ変えると信頼されないのですが。
よく言われているように、毒性が強いと宿主が死んでしまうので感染拡大できなく消滅してしまう。SARS、MERSがそうでした。そのため、生き残るのは毒性が弱いということになります。SARS-CoV-2が「SARSに学んで」毒性を落として感染力を増やし、いずれ新たな風邪(コロナですから)になるのであれば、それはむしろ歓迎すべきことです。



Google AIの的中率

2020-12-15 20:09:57 | 社会
11月17から12月14日までの4週間で「新型コロナで亡くなる人」の数のGoogle AI予測と小ブログのSIRD予測(全国のみ)が一致することを11月19日に書きました。
結果はどうだったのか。東洋経済オンライン掲載(厚労省発表)データを集計したものを下の図に示します。


残念ながら、予測557人に対して181人多い738人の方が亡くなってしまいました。
Google AIもSIRDモデルも似たようなものだったということでしょうか。
予測と実際の差は、大阪府の100人、北海道の79人が主要因ということになります。両知事の責任を問うよりも、問題の箇所を検証する必要はあろうかと思います。十分ありそうです。


民主主義は誤りである

2020-12-14 19:38:54 | 社会
新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を受け、焦点となっている観光支援策「GoToトラベル」の一時停止を巡り、政府は、今月28日から、来年1月11日までの間、全国で利用を一斉停止する方針を固めたことが分かりました。(日テレ)


民主政治(democrateia)‐すなわちデモクラシーを主張する者ではありますが、民主主義(democratisme)‐デモクラティズムは誤りであるということを、ここでソークラテースの問題に関連してはっきりと申し上げておきたいと思います。(今道友信)

不確かな「世論」に押されて、主義主張を通せない政治家ばかりだ。
それは国民の劣化を反映しているだけなのだが。