ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

10/04/24 御名残四月大歌舞伎(4)中村屋の「三人連獅子」、藤十郎の「藤娘」

2010-04-28 15:32:34 | 観劇

第一部の「三人連獅子」と第二部の「藤娘」をまとめてアップ。
【連獅子】長唄舞踊
2007年10月に新橋演舞場での中村屋親子の「三人連獅子」を初見。その舞台がシネマ歌舞伎になっているのだが、そちらは未見。筋書の上演記録をみると、8年前から3人で踊っていて今回で本興行では7回目、うち歌舞伎座では2回目。まさに歌舞伎座さよなら公演での連獅子といったら中村屋しかないだろう。
今回の主な配役は以下の通り。
狂言師後に親獅子の精=勘三郎
狂言師後に仔獅子の精=勘太郎、七之助
僧蓮念=橋之助、僧遍念=扇雀

三人の狂言師として登場する前シテの踊り。勘三郎の表情が終始厳しい。師匠格の狂言師として弟子ふたりに厳しい指導をしているように見える。親獅子が仔獅子を千尋の谷へ突き落して待つが、なかなか上がってこないので「あら育てつる甲斐なしや」と八の字眉の表情で落胆する様子。子育てや弟子育成の真摯さと落胆の感情にも見える。「わかるわかる」という気持ちになるのは私も今の年になっているからかもしれないなぁと思いつつ観ていた。

谷底にみたてた花道で休んでいた仔獅子たちが水に映った親獅子の姿に勇み立って駆け上がり、三人揃って舞う姿の美しさ。勘太郎のしなやかな身体の動き、七之助のきびきびした動きに見事に対抗する勘三郎!
胡蝶に誘われて花道に引っ込んだあとが間狂言。時宗の僧遍念と法華の僧蓮念の宗論を今回は睡魔にも教われずに楽しめた。やがて獅子の出現の気配にふたりの僧は山を下りる。
いよいよ後シテの獅子たちの花道の出。3階1列目でも見えない~。これは舞台写真で補った(^^ゞ
舞台に出た親獅子と仔獅子の精の足拍子が見事に揃う。髪洗いから毛振りへ。これも見事に3人が揃う。前回観た時は七之助が最後にくずれてきたが、今回はしっかり最後まで揃う。40回でテンポアップ、50回でもテンポアップしていくが60回までしっかり揃った。観ている方もテンションアップ!!
腰でしっかり回している勘三郎と勘太郎に比べれば、七之助は身体全体を使って回しているのがけっこう目立つが、まぁ揃っているからご愛嬌か?!

中村屋親子の頂点を極めたような「三人連獅子」は、歌舞伎座の最後の公演に実にふさわしい一幕だった。

【藤娘】長唄舞踊
「藤娘」は2008年10月に芝翫が傘寿で踊ったのを観て以来。
一部二部を通し、「寺子屋」「三人吉三」を観た後なのでさすがに睡魔との闘いとなる。
大津絵に描かれた藤の精が抜け出して踊るという「藤娘」。藤十郎の「藤娘」は、年齢を超越した、まさに人間離れした可愛さである。近江の大津にふさわしく、上方らしいはんなりした風情も好ましい。
踊りの動きは大したことがないと思ったが、松の大木の裏手に引っ込んでは衣裳を次々に変える。地色は黒色→橙・緑→藤色→引き抜いて赤色へ。帯ともどもに大きな藤の花の模様がとりどりに描かれている。着替える度に眠気から覚めて感心して見てしまう。ここぞというところで次々に絵になって極まるのが実に可愛いのだ。

歌舞伎座の最後の公演で「藤娘」で藤十郎が踊ったということが大事になるだろう。とにかくまいりました!と感心しきりの幕切れだった。

写真は、お土産コーナーの歌舞伎座グッズから「かぶきっこ」シリーズのクリアファイル。
4/24御名残四月大歌舞伎(1)「御名残木挽闇爭」
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしかった! ()
2010-05-09 00:32:48
中村屋さんの「連獅子」は初めて生で拝見しましたが、
あまりの迫力に見入ってました。

今回、三階席だったので、
花道での様子が全く見えなかったのが残念でした。
が、舞台上での三人の息の合った毛振りは本当に素晴らしかったです。
二人の若獅子に負けずとも劣らない、
親獅子の勘三郎さんに大拍手です♪
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★「ARAIA -クローゼットより愛をこめて-」の麗さま (ぴかちゅう)
2010-05-10 00:32:45

TB&コメントを有難うございますm(_ _)m
親子による連獅子は中村屋が当代一だと断言できますね。それも三人で揃うのだから語り草になること間違いなしです。
5/7(金)夜のフジテレビの中村屋の特番も御覧になりましたか?この間に歌舞伎座で観た舞台の映像にも観劇の時の高揚感が甦りました。
花道での様子はシネマ歌舞伎で見ることができますね。封切り上映は見逃しましたが、次に機会があれば友人を連れて観にいきたいと思っています。
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