ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/10/20 錦秋演舞場祭り「三人連獅子」

2007-10-21 23:59:10 | 観劇

「連獅子」は幸四郎・染五郎のをTVの新春桧舞台で観たのが初めてだったが、けっこう面白い舞踊だと思った。
TVで観た高麗屋時の父子の「連獅子」の感想はこちら
そして今回の昼の部でもこの中村屋父子3人で踊る「連獅子」が一番の楽しみになっていた。
勘三郎は親子3人で踊る「連獅子」を何度も手掛けており、今年のニューヨーク公演の初日にも上演されたという。先代勘三郎と当代が勘九郎時代に共演した舞台のDVDを襲名記念割引の際、悩んだ末に買わなかったのだが、買っておけば今回も予習できたかも、とちょっと後悔していた。
直前にネットで詞章を検索。勝三郎連獅子と正治郎連獅子という2つがあり、勝三郎連獅子の解説付き版をプリントアウトして読んでいったのだが、プログラムを見たら正治郎連獅子の方だった。支障がないと思ったらけっこうあり。勝三郎版の詞章の方が短いようだ。次に「連獅子」を観る時には正治郎連獅子の方もきちんと予習しよう。
連獅子(正治郎連獅子)の詞章はこちら
【連獅子】
公式サイトより概要を以下に引用。
河竹黙阿弥 作
「親獅子が仔獅子を鍛えるために、千尋の谷に突き落とすという故事。三人の狂言師が天竺の霊地、清涼山にある石橋にちなんだ、この故事を踊ります。間狂言の「宗論」を挟んでの後半は、満開の牡丹が咲き誇る中、三人が勇猛な白頭と赤頭の獅子の精となって現れ、長い毛を勇ましく振り、獅子の狂いを見せます。」

今回の配役は以下の通り。
狂言師後に親獅子の精:勘三郎
狂言師後に仔獅子の精:勘太郎、七之助
僧蓮念:亀蔵、僧遍念:彌十郎
二人の連獅子の時は狂言師右近と左近と名があるが、三人の時は特に名無し。仔獅子になる狂言師が前髪立ちだというのにあらためて納得。
連日の疲れがたまっていて「間狂言」にあたる宗論問答部分で睡魔が襲ってきてしまったが、前半後半の踊りは予習の甲斐もあってかしっかり観ることができた。長唄がある程度聞き取れるようになると舞踊をより楽しめるようだ。

とにかく二人よりも三人で踊る贅沢さを味わった。狂言師姿の時には3人のからみがよく、同じ方向を向いて勘三郎を先頭に決まった時の美しさ!後シテの獅子の姿になってからは白いカシラの勘三郎を中心に左右に赤いカシラの二人。上手に勘太郎、下手に七之助。勘三郎はあぶらが乗り切っていて、息子たちは若さいっぱい。今が父子のバランスがとれて見ごろの一番いい時ではないか。

長い毛を振る時に3人の振りが美しく揃っているのを観たら、なんだか涙が出てきてしまった。父子で3人で連獅子をできるということも歌舞伎界でそうそうあることではないだろう。何十年かのある一時期という感じなのではないかとかそういう感慨もまた押し寄せてくる。
確か57回ほど毛振りをしたが、最後の方は七之助が身体の軸がぶれてしまい大きくくずれてきていた。初日近辺で声がかすれていて体調が悪いのではということがあちこちのブロガーさんの記事にあったが、風邪でもひいてしまっていたのだろうか。そういう心配はありながらも、ここまで見ごたえのある「三人連獅子」をみせてもらえば大満足だった。
舞台写真も狂言師姿と獅子の姿で各一枚をGET。それぞれ3人の視線が揃っていたものを買う。息子たちの伸ばした指先の細くて長いことに溜息が出た。

「文七元結」とともに山田洋次監督撮影でシネマ歌舞伎になるということだが、そういう形できちんと記録に残っていくのが素晴らしい。仕上がったシネマ歌舞伎もちゃんと観に行くつもりだ。
写真は、演舞場にかかった中村屋の定式幕。
10/20昼の部「俊寛」の感想はこちら
10/20昼の部「人情噺文七元結」の感想はこちら
10/19夜の部「寝坊な豆腐屋」の感想はこちら


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2 コメント

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Unknown (靖子)
2007-10-22 11:22:23
ちょこっとお目にかかれて・・・連獅子よかったですね。
そろってましたね、勘三郎さん親子で出来のは幸せですね。
私も泣き笑いしていました。
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皆様TB、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2007-10-23 01:52:06

★靖子さま
「三人連獅子」って本当に何十年かに一時期しか観ることができないだろうことですよね。
息子さんをあまり年を離れずにもうけらてちゃんと実力をつけさせることができた父親役者だけが実現することができる舞台だと思いました。
★「ようこそ劇場へ!」のbutlerさま
「文七元結」の感想もアップしましたので、そちらをTB返しさせていただきました。「三人連獅子」の記事のリンクも末尾についてます。
>リアクションとしてのセリフの間が生かされていて......本当にそうでした。本当にシネマ歌舞伎になるのが楽しみになってきました。
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