ロン・パリという聊か気恥ずかしい旅程の〆に、ストラスブールで三日間を過ごし、ルフトハンザ航空の空港バス(下/左)でフランクフルトに向かうことにしたのだが、そのパリからストラスブールへ向かう列車のこと。
フランスが誇る高速鉄道TGV・テージェーヴェー(下/右)、07年6月東ヨーロッパ線が開業、パリ東駅とストラスブール中央駅が2時間余で結ばれた。
フランスに限らずヨーロッパの列車、ローカル線の1等車と2等車は余り違いがなく、高い運賃を払ったことを後悔することが多い。
が、新幹線に類する高速列車は逆にその違いが際立ち、2等に乗車してから1等にしなかったのを悔やむことが間々ある。
パリ東駅(下/左)、この駅はパリ東部にある訳じゃなくフランス東部方面への駅。を発つTGV、20両も繋いでいようかという長い編成のうえに、出発ホームが直前までアナウンスされないため、指定車両までホーム(下/右)を矢鱈歩かされる、時によっては走らされることもある。
しこたま汗を掻きながらようよう乗れば、1等と違って2席×2席が1列に並ぶ。
狭い通路に大きな鞄を抱えた旅行客がわんさかいて、自分たちもその一人だが。鞄の置き場所を巡る小さなバトルにシートピッチの狭さが輪をかけ、「もう二度と2等なんぞに乗るもンか」と思ったりする。
話はそれるがこの苦行、足の短いカタリナ は理解の外らしく大概は 「2等で十分」と涼しいのだが、この旅でロッテルダム(上/左・中)、駅舎は大工事中でした。からパリへ移動する際にブリュッセルでパリ北駅(上/右)、この駅はパリ北部にあって東駅と並んでいる。へ向かうTGVに乗り換えた折には、乗り換え時間が殆どないうえに余りの混雑振り、予約した席に他人が既に座っていたこともあって、「何故1等にしなかったの!」と勝手にも叱られたりする。
二度ばかり乗った英仏を結ぶユーロスター(上/左・右)も然り、僅か2時間ほどのことと一番安いクラスを手配、たまさかかも知れないが、運行本数が思いの他少ないこともあってその混雑振りに驚かされる。
それに引き替え1等、スペインのAlvia(下/左)、イタリアのEC(下/中)、ドイツのICE(下/右)など、質実と言えば聞こえがいいがしまり屋な欧州人の見本みたく、風邪をひきそうなほどに空いていることが多い。
個人旅行を始めた頃は、言葉や不慣れなどもあって予め1等を予約したものだったが、慣れるに従い、がやがやとした喧騒感のなかに居てこその旅情、と粋がって2等に。
最近は体力不足もあり、ゆったりと車中を過ごしたくて1等にすることが多いが、カタリナも異存がないよう。
話を戻して、そんな訳で、石組みの古い駅舎を蚕の繭のようにガラスで覆ったストラスブール中央駅(上/左・右)に着いた時には、くたびれ果てていたのであります。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.511
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