ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

カラヴァッジョ 「執筆する聖ヒエロニムス」

2017年01月23日 |  ∟イタリアの美術館

 ※ 続・ローマとナポリにバロックの奇才を訪ねる旅 (9)

 カラヴァッジョ(1573-1610)とベルニーニ(1598-1680)の旅、出発点の<ボルゲーゼ美術館>に戻る。
 美術館の一階、赤い壁紙のさして広くもない部屋に 「<パラフェニエーリの聖母>」を始め、六点ものカラヴァッジョ作品が並ぶ様は圧巻である。

 その彼の 「執筆する聖ヒエロニムス」(1605年頃)が今回の作品。

 主題は、聖ヒエロニムスが4世紀後半に、カトリックの標準的ラテン語訳聖書となるウルガタ聖書を執筆する場面。

 左手から差し込む光が、座って写本を開き熟考する聖人の痩せさらばえた腕や身体を強調し、ペンを持つその右手は止まっている。

 卓上に置かれた本の一冊は閉じられ、開かれた一冊にはゴルゴタ(髑髏の意)の丘の表徴である髑髏、聖人のアトリビュートでもある。を乗せている。

 それは、骨ばった聖人の頭と髑髏を対比することによって “ 人は死すべき存在だが、神の言葉は不滅であることが示されている ” (カラヴァッジョ/西村書房刊)のだという。

 ちなみに彼は、この主題でもう一枚 「<聖ヒエロニムス>」(1607-08年頃/ヴァレッタ/サン・ジョヴァンニ大聖堂)を描いている。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1248


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 不完全な完全寛解? | トップ | カラヴァッジョ 「バッカスと... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

 ∟イタリアの美術館」カテゴリの最新記事