当時はまだ関空から直行便が運航されていたウィーンに夕刻少し前に着いた。
CATはまだ開通しておらず、シュヴェヒャート空港正面からウィーン・ミッテ駅までリムジンバスに乗った。
車中でアメリカ人と思しき若いグループが騒いでいた。
興奮した彼らの早口の言葉は殆ど聞き取れなかったが、「どうも、ニューヨークでハイジャックがあった」らしきことを小耳に挟んだ。
ものの、エコノミークラスの長旅で疲れていたこともあって、そんなに大きな事件だとも受け止めていなかった。
2001年9月11日、この日ニューヨークの高層ビルなどにハイジャックされた飛行機が乗客もろともに突っ込み、3千人以上が犠牲になる悲しい事件があった。
後に、“ 9.11同時多発テロ ” と呼ばれるこの日の出来事を、” 大河ドナウを訪ねる旅 ” の初日、ウィーンに降り立った時に知った。
家族は、私達が搭乗した機が無事着いたのか随分と心配をしたらしい。
その日のウィーンは、9月の初めだというのに冷たい風が吹きすさび、リングの街路樹の落ち葉が舞っていたことを思い出す。
この事件は、その後、アメリカのアフガニスタン侵攻、イラクとの戦いへと続き、そして、8年の歳月を費やしながらも今も続いている。
この事件に限らず、戦争やテロで尊い命を失った多くの人に哀悼の心を捧げ、平和な世界が一日でも早く訪れること願う。(写真:Wikipedia)
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