10月××日(曇り時々小雨)「サン・ピエール教会」
小雨の丘の街で、深まりゆく秋の余韻を楽しみながら、サン・ピエール教会(写真上左)に入った。
正式には、サン・ピエール・ド・モンマルトルというこの教会、サクレ・クール寺院の傍らにある小さな教会だが、パリ最古の歴史を持つらしく着工が1134年、そして13年後に完成したと案内書にある。
サン・ピエール、聖ペテロを祭祀するこの教会。
妻マリー・アントワネットとともに断頭台の露と消えたルイ6世が創設、かつてベネディクト派の修道院に付属していたともある。
祭壇脇に、天国への鍵を持つ、「聖ペテロの像」(写真上右)があったが、彼の右足の脛は、聖人にあやかりたい信者にさすられて金色に光っていた。
教会から出ると、ジプシーが手を差し出す。
この手のものは大方無視をするのだが、カタリナ が、ペトロ が「霊名を頂いた聖ペテロの教会だから」と、感謝の気持ちも込めて幾ばくかのコインを置いた。
テルトル広場から、サクレ・クール寺院(写真左)へと向かった。
寺院の前に広がるテラスからは、多くの観光客がパリの風景を楽しんでいる。
モンマルトルとは、“ 殉教者の丘 ”。
そしてサクレ・クールとは、“ キリストへの聖心(みこころ)” の意だとか。
聖なる心、サクレ・クール寺院は、1870年の普・仏戦争の敗北、そして翌年のパリ・コミューンと続いた暗い時代、カトリック教徒の疲弊、心を癒す目的で建設が計画されたそうだ。
実際に建設が始まったのは7年後の77年、予想以上に時間と費用がかかり、完成したのは1914年、計画から完成までに実に40年の歳月を費やしたとされている。
ロマネスク・ビザンチン様式の切り妻屋根と丸天井を擁する白亜の聖堂は、今もってパリ市民の憩いの場として愛されている。
今から、そのサクレ・クール寺院、下の写真のどこかにカタリナがいます。に入る。(まだ、続く)
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