カトリックで一番大切な、レント・四旬節の季節だ。
桜の頃になると、何年か前の四旬節にあった小さな出来事を思い出す。少し長くなるが、辛抱してお付き合い頂ければ嬉しい。
イースター・復活祭は、イエスの復活を記念する最も重要な祭日。
その前の準備期間を四旬節と呼び、イエスが荒れ野で40日間断食をしたことに由来する。
復活祭に洗礼を受ける入信志願者の直前の準備期間で、既に洗礼を受けた者も、この期間を通して節制と回心に努める大切な期間でもある。
その四旬節、今年も3月9日の “ 灰の金曜日 ” から始まった。
この日は、食事を僅かだけ摂ることが許される “ 大斎・小斎 ” の日でもある。
その四旬節を締め括る、“ 過越の聖なる三日間 ” は、受難と十字架を通して死から生命へ移られるイエスの過越の神秘を祝う三日間として、カトリックの典礼の頂点となる祝祭の行事。
今年は4月21日がその初日の聖木曜日で、キリストが、聖体やミサ聖祭などの秘跡を制定した “<最後の晩餐>” の記念を行い、“ 洗足式 ” と “ 聖体安置式 ” が行われる。
二日目の聖金曜日は、イエスの死を黙想、十字架の勝利を賛美するために十字架の顕示の後に “ 十字架の礼拝式 ” が行われる。
三日目の聖土曜日は “ 復活の聖なる徹夜祭 ” 、参列者は灯りをともして主の帰り “ 復活 ” を夜を徹して待つ大切な日だ。
ところで、七年近くも前、主日ミサ(日曜礼拝)の先唱(司会)奉仕していた頃のこと。
洗礼に際して代父、信仰保証人のような人をして頂いたSさんから、「聖木曜日の先唱を」と仰せつかった。
奉仕は主の声、嬉しくお引き受けしたのだが、その際、「典礼の中で主任神父様が、12人の方の足を洗って下さいますので、その中の一人も」と依頼された。
迂闊にも余り深く考えず頷いたのが、今なおほろ苦く感じる出来事の始まりだった。
盛期ルネサンス、ヴェネツィアで活躍したティントレット、大きな絵を描くのが得意? な彼、「弟子の足を洗うイエス」(写真上/中:部分)など、多くの聖書場面を描いている。
この、「弟子の足を洗うイエス」も、210 x 533 cm というでかさ! プラド美術館のイタリア絵画の部屋にある。
東北大震災からこの10日の日曜で1月経ったが、その爪あとは深い。
10時のミサへの途中、夙川公園の桜の下は多くの人が早々と場所を確保、「平穏な日常っていいね!」
Peter & Catherine’s Travel Tour No.311