10月4日に放送された、NHKの「クローズアップ現代」。
この日カタリナ は稽古、彼女が拵えてくれた夕飯を、独りぼそぼそと食いながら視ていた。
テーマは、妻に先立たれ、一人で生きていくことを余儀なくされた、“ 男 ひとり残されて ”。
司会者は冒頭、「その深い悲しみと、日常生活が立ち行かなくなる様子を綴った手記が、最近相次いで出版されている」と語り、毎日の食事をはじめ、健康管理や金銭管理もままならない男性たちの日常を紹介する。
番組は、配偶者を失った人たちに対する最近の調査で、女性よりも男性の方が立ち直りに時間がかかり、死亡率も高まるという実態を詳らかにし、そうした遺族を支えようと支援を始めた医療機関や団体もあるものの、その数はまだ極めて少なく、体制も不十分だと伝える。
オシドリ夫婦で有名だった新劇俳優が、脚本家の妻をがんで見送った後、自死すら考えたというくだりや、支援グループの会で同じ境遇の仲間たちと語り合う男性が、妻への愛惜ではらはらと涙を流す姿に、憮然としてため息をついてしまった。
番組は、この日のゲスト、妻をがんで看取った後の辛い体験を著した医者の経験談を交え、“ 悲嘆のケアは如何にあるべきか ” を、考える必要があるのではと括って終わった。
斯くいうペトロ、以前、<高く手を振る日>に、「この本(高く手を振る日)のような、めくるめくような場面をこの先、神様が恵んで下さろう筈もないが、仮にあるとしても、カタリナよりも長らえたくはない」と書いたが、この番組を見て、「う~ん、やはり先にだな・・・」と、粛然として思った。
写真の花、どうも春に咲く筈の「紅花常盤満作」(べにばなときわまんさく)らしいが、異常気象で季節を間違えたのか、それとも、違う花なのかよく判らない。
もうひとつの花は、つぶつぶがそのものを彷彿させる「赤飯」(あかまんま)、本名は、蓼食う虫も好きずきの「犬蓼」(いぬたで)、夏から花を咲かせ秋が最も賑やかといい、どちらもマンションの庭に咲いた。