先の土曜日、8月7日は、“ 立秋 ” だった。
ペトロ とカタリナ、その日、有馬温泉行で暑気払い。
その日のことなど、<♪ いい湯だな、で終わるはずが>に書いたところ、 コメントやメールでお心遣いを頂いた。
心配をかけたカタリナも今は常に戻り、頗る元気にしているのでご報告まで。
さて、藤原敏行の、“ 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる ” (古今和歌集)じゃないが、何処かで上がる花火の遅れて届く音とともに、ふと涼しい風を感じるときがある。
多感な頃、堀辰雄の「風たちぬ」の、“ 風立ちぬ、いざ生きめやも。ふと口を衝いて―― ” を、読んだ様な気もするのだが・・・、「へえ~っ、多感な頃?」、あったんだよなあ、紅顔の○少年の頃が、「厚顔?」違うって!。
あと一週間もすれば、さしもの暑さも止むという、“ 処暑 ”。
松田聖子さんの 、♪ 風立ちぬ 今は秋 今日から私は 心の旅人 (詞:松本隆)を真似て、さあ、鞄抱えて旅に出ようと、思ったものの、さて何処へ?
話は変わって、宮部みゆきさんと宮本輝さんの新刊が出た。
わが町の図書館、「まだ、購入していない」とのことだったが、人気作家らしく予約は既にどちらも20番台だった。
そういえば、宮本さんの20年ほども前の作品に、「ドナウの旅人」というのがあったことを思い出した。
平穏に見える家庭を捨てた母をドイツに追った娘、それぞれの恋人を交え、レーゲンスブルクからルーマニアまで、全長3千キロのドナウを旅する話だったと覚えている。
そのドイツの母なる川と呼ばれるドナウ、然らば父なる川は?
ライン川にマイン川が合流して暫く、ザンクト・ゴアルスハウゼンという小さな町の近く、川は大きく右に曲がる。
川を下る船がこの辺りに近づくと、突如メロディが流れ出し、それまでのんびりと景色を楽しんでいた人たちが一斉に右舷の急峻(写真上)を見やる。
♪ なじかは知らねど心わびて 昔の伝説はそぞろ身にしむ
寥しく暮れゆくラインの流れ 入日に山々あかく映ゆる
(ローレライ:ハイネ詞/近藤朔風訳)
そのライン川、フランスを源とするモーゼル川が古都コブレンツで合流、ケルン、デュッセルドルフと滔々とゆく。
秋風に誘われ、ゆったりと父なる川ライン(写真中)を下ってみますか?
白銀色の花穂、芒だとばかり思っていたら、「パンパスグラス(写真下)よ。生け花に使うことも」と言う。
そういえばタンゴに、「アディオス・パンパ・ミーア、さらば草原よ」という名曲があったことを思い出した。