ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

マルモッタン美術館

2010年06月07日 |  ∟フランスの美術館

 ブローニュの森へと続くラグラヌ公園のなかほど、マルモッタン美術館があることはこれまでにも書いた。

 この日の午後、ストラスブールに移動する。
 それで、少し早くホテルを出たのだが、美術館に着いた時、扉は固く閉まり(上)何人かが待っていた。

 Photoやがて開館、入るとそこは小さな切符売り場。

 1840年、狩りのため建てられた小屋を、ジュール・マルモッタンが息子ポールのため建直したとされるこの館、外観は石造りだが内部は素朴な木造り、歴史を感じさせる。

 エントランスホール左手、円形のサロンにナポレオンの 「地理時計」があり、芝生の庭が望め、その庭を囲むように逆L字型に展示室がある。

 サロンの向かいに階段。
 上階には、ジヴェルニーの彼の工房の花と水の庭を描いた 「連作・睡蓮」(中)などが架かっていた。

 1階右手の廊下、照明が落とされた展示室にスポットライトに照らされた絵が並ぶ。

 Photo_5ここに 「アルジャントゥイユの小道」 「積みわら」などともに目指す名作 「印象 ‐ 日の出」(下)があった。

 この作品は、セーヌ川がイギリス海峡に流れ込むノルマンディー地方の港町、ル・アーヴルの港を描いたものとして知られている。

 画業半ばにしてパリを離れジヴェルニーに工房を構えたモネ、画題を、アルジャントゥイユ、ルーアン、オン・フール、ル・アーヴルなど、セーヌ流域の町の風景にしばしば求めた。

 彼のPhoto_8画家としての人生が、セーヌ川と深く関わっていたことが判る。

 印象派というスタイル、この絵に拠ることは有名だが、その謂れは、批評家ルイ・ルロワが、“ 印象?確かに私もそう感じる。しかし、この絵には印象しかない ” と、日刊紙上で嘲笑したことに始まるという。

 当時、パリのバティニョール街にマネのアトリエがあって、近くのカフェに若い芸術家達が集まり芸術について論じていた。

 そのグループ、バティニョール派が開催した最初の展覧会に出展したモネを始め、ルノワール、ピサロ、モリゾ、シスレーなどを、“ 印象派 ” と呼ぶようになったという。

 一番上の写真、カタリナ 美術館の前で、開館を待つ人の中にいる。(続く)

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