ヴェスヴィオ山の稜線(写真上)を照らし、朝日が昇るのがホテルのバルコニーから望める。
今日も、素晴らしい天気の予感がする。
ナポリをまっぷたつに割るという意のスパッカ・ナポリ。
昨日、ポンペイからの帰りに訪ねたものの、日曜の午後とあって店という店がシャッターを降ろし、人影もまばらでがっかり。
寒風が吹きすさび捨てられたゴミが風に舞い、まるでゴーストタウンの様相。あろうことかドゥオーモまでが閉まっている。
石敷の路地をとぼとぼ歩き、ようようサンタ・キアーラ聖堂に辿り着き一息入れる始末。
好天の今日は、打って変わったように建物と建物の狭い空間に青空が覗き、バルコニーに洗濯物がはためく。
マルガリータを焼くピザ屋やバール、雑貨屋から衣料品店などが軒を連ね、商いのやり取りが飛び交う。
車一台が御の字という道(写真中)を、タクシーやスクータがクラクションを鳴らし傍若無人に走り抜ける。
この活況こそダウンタウン、「スパッカ・ナポリなんや!」とカタリナ ともども感じ入った。
教会ばかりが矢鱈目立つこの一角、その中心はやはりナポリの守護聖人ジェンナーロを祭祀するドゥオーモ(写真下)。
さすが?に今朝は開いている。
春秋の二日と年の暮れの三回、小さな壷に納められた聖人の血が液体に戻るという、「ほんまかいな?」のミラーコロ・奇跡が起こるという。
そのドゥオーモから、通りを少し下った路地の中ほどに目指す建物があった。
この辺り一帯、地下にギリシャ、ローマ時代の遺跡があって、地下ナポリへの入口もあるらしく、 その上に幾時代もが積み重なり、現在の街が築かれているのだそうだ。
サンタ・マリア・デッラ・ミゼリコルディアという少し長い名前がつけられたその建物も、古い時代の道路があったところに17世紀初頭に建てられたらしい。
ちなみに、ミゼリコルディアとは、ヴェローナの聖ペトロ殉教者、サン・ピエトロ・マルティレ・ダ・ヴェローナによって、1244年、“ 隣人に対する慈しみ・ミゼリコルディアの業をもって神を称える ” ことを目的にフィレンツェに創設されたのを起源とするとか。
今も活動する最も古い市民ボランティアの組織のひとつとされる。
ヴァチカン放送局のホームページに拠れば、07年、ローマ教皇ベネディクト16世が、「これからもその業を通して神の愛の福音を全ての人に伝えて欲しい」と励ましたと聞く。(もうちょっと続きます。)