“しなやかに、清々しく”

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作家 伊集院 静 の「なぎさホテル」を読み返して。

2023-12-09 10:05:14 | Weblog

 作家 伊集院 静 が去る11月24日、73歳で他界したことはご存じのことと思います。

 私共が逗子を憩いの場として求めたのが2004年4月、来年4月でちょうど満20年になります。先日、伊集院さんがお亡くなりになったことをニュースで知り、「そうだ、伊集院さんの短編小説『なぎさホテル』が出版されたとき、買い求め、逗子に置いてあるはず。今度行ったとき持ち帰り、もう一度読み返そう」と。

 6日に東京に帰り、昨日、「なぎさホテル」(小学館)を一気に読み返した。

2011年7月6日に初版、私が持っているのは2011年8月29日第4版となっている。すごい人気であったことがわかる。

 但し、このように書かれている。本書は「草思」2001年6月号から2002年9月号まで連載された「海が見えていた窓辺-逗子なぎさホテル」を改題し、2011年2月デジタルブックファクトリーより電子書籍化した作品に、「旅サライ」2011春号に掲載された「夢の中のホテル」を追加し、加筆、修正したものです。

 

 現実の場所と小説の場所をつなげて行くと、とても強く印象に残る。今は無き逗子海岸沿いの「なぎさホテル」によく7年間も滞在したものだ。I支配人、Y副支配人のはからいは、言葉では言い尽くせない。

 短編小説とはいえ、自分の経験、生活談のよう。特に後編の「逗子のホテル住まいから再婚で鎌倉に居を構えるが、数か月の生活で奥さんが亡くなる」情景は、ご存じのように結婚後白血病で亡くなった夏目雅子さんとの生活状況ですね。

 「なぎさホテル」の短編小説を買い求めた2011年当時、なぎさホテルのあった場所に出向いた時の写真です。現在もレストラン「夢庵」の左横の植木の中にこの金属板が存在しています。

 

 レストラン夢庵」の前は鎌倉に通ずる道路(現在は一般道路)となっています。小説の前半は、この道路がなく、庭が直接逗子海岸砂浜に通じていたようです。

 逗子海岸。

  この短編小説「なぎさホテル」は、とても現実的で、お金がないのに漁師が「船を買わないか」と迫って来、断り切れず、逗子湾まで漁船を入れてくるというユーモラスなところもあります。

 伊集院様、3番目の奥さんを迎えて長らく幸せだったのに残念なことです。ご冥福をお祈りいたします。

 

コメント (2)
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