パピとママ映画のblog

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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男★★★★

2016年08月23日 | アクション映画ータ行
1940年代から50年代にかけてアメリカで猛威をふるった赤狩りによってハリウッドを追われながらも、偽名で活動を続け、「ローマの休日」など数々の名作を世に残した不屈の脚本家ダルトン・トランボの苦難と復活の軌跡を映画化した感動の伝記ドラマ。いわれなき汚名による迫害に屈することなく己の信念を貫いた男の物書きとしての矜持を、愛する家族との強い絆の物語と共に描き出す。主演はTV「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストン。監督は「ミート・ザ・ペアレンツ」のジェイ・ローチ。

あらすじ:第二次世界大戦が終結し、米ソ冷戦体制が始まるとともに、アメリカでは赤狩りが猛威をふるう。共産主義的思想は徹底的に排除され、その糾弾の矛先はハリウッドにも向けられる。売れっ子脚本家だったダルトン・トランボは、公聴会での証言を拒んだために議会侮辱罪で収監され、最愛の家族とも離ればなれとなってしまう。1年後、ようやく出所したトランボだったが、ハリウッドのブラックリストに載った彼に仕事の依頼が来ることはなかった。そんな中、家族を養っていくためにB級映画専門のキングス・ブラザース社から格安の仕事を請け負い、偽名で脚本を書きまくるトランボだったが…。

<感想>米国史の汚点と言われる40年~50年代の共産主義者取締運動、通称「赤狩り」それによってキャリアを断たれながらも、傑作を輩出し続けたという名脚本家ダルトン・トランボの生を描く伝記ドラマである。
40年代に、トランボは共産主義者を排除しようとする下院非米活動委員会によって弾圧、投獄され、ハリウッドを追われた脚本家トランボ。出所した後もブラックリストに載っていたために、脚本家としての仕事はなかったが、偽名を使って密かに描き続けていた。

オスカーを受賞した「ローマの休日」と聞けば、あのオードリー・ヘップバーンの映画ね。と誰でもが直ぐに思い浮かべるだろう。でも、その脚本家を知っている人はどれだけいるだろうか。その名作の背景にこんなドラマがあったとは、本当に驚きました。低予算映画の脚本を執筆しつつも、匿名でハリウッドの大作を手掛け、彼は必至に苦難の時代を乗り越え、・・・。そのときに出会ったB級映画専門の、ジョン・グッドマンが演じているキング兄弟が救世主となり、彼は再出発を果たすことになる。

主人公トランボには、「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストンが熱演。強い信念を持ちながらも、どこか飄々としているトランボ像を人間味豊かに体現している。妻役にダイアン・レイン、娘役にエル・ファニング、そして赤狩りに拍車をかけようとするコラムニストにヘレン・ミレンと、豪華キャストが出演。

監督は、「オースティン・パワーズ」「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズなどのコメディを手掛けてきたジェイ・ローチ。トランボの苦難の人生を辿りながらも、その苦労を強調せず、脚本家としての仕事ぶりや、家庭人としての優しさ、強さ、妻子との葛藤を描きだし、
新境地を開拓している。温かみのある語り口に、映画界の先入への敬意が滲んでいる。
本作が面白いのは、実在の人物が登場し、ハリウッドの光と闇をリアルに描き出しているところ。黄金期の華やかな業界の裏側で、言論と思想の自由を信じて闘った脚本家たちの人生が栄える。
トランボたちがあらゆる方法で脚本を売り込み、厳しい時代を生き抜く姿はユーモアもあるし、彼を支える家族の愛には心打たれますから。

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