パピとママ映画のblog

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フランキー&アリス ★★★

2014年10月07日 | アクション映画ーハ行
黒人ストリッパーでありながら人種差別主義の白人女性の人格を持つ解離性同一性障害の女性を、『チョコレート』や『X-MEN』シリーズなどのハル・ベリーが演じるヒューマンドラマ。舞台は1970年代のアメリカ、実在した女性をモデルに、解離性同一性障害を克服しようと苦しみながらトラウマに向き合った女性の姿を描く。メガホンを取るのは、『アレックス・ライダー』などのジェフリー・サックス。ヒロインを診断し、協力するサイコセラピストを、『奇跡の海』、『マイティ・ソー』シリーズなどのステラン・スカルスガルドが演じる。プロデューサーも兼ねるハルの熱演に魅了される。

あらすじ:1970年代、アメリカ。黒人ストリッパーのフランキー(ハル・ベリー)は、ある男性と一夜を共にしようというときに態度が急変し、相手にけがを負わせてしまう。警察に保護されたフランキーは、支離滅裂な言動のため病院送りに。そしてサイコセラピストのオズ(ステラン・スカルスガルド)の診断で、フランキーの中にアリスという人種差別主義の白人女性の人格が存在することがわかる。

<感想>ハル・ベリーが制作と主演を兼任したサスペンス・ドラマ。彼女が10年間かけて映画化権を取得した念願の企画でもあります。舞台は70年代初頭のLA。実話を基に、当時は周知されていなかった解離性同一障害に苦しんだ女性の壮絶なる日々を描いている。
ハル・ベリーがこんなにも力を入れてる作品には、母親が精神病院に35年以上勤務していた影響から、精神病を抱えた人々に思い入れがあったそうです。
そしてもうひとつの理由は、本作が実話にもとづいた“真実の物語”であること。「黒人女性の中に白人至上主義者の人格が宿っていて、しかも主人格を乗っ取ろうとしているなんて信じられないと思った」と告白する。

本作では、ストリッパーはもちろんのこと、精神病患者の役も、そして、アリスと名乗る可愛い声を出して子供に返る演技では、3つの人格を行き来する演技には、さすがに「チョコレート」でオスカーを取っただけはあると思いました。
ハル・ベリー自身が黒人と白人の親のもと生まれたということもあり、特別な思いがあったようですね。彼女もそういう意味では、この主人公と同じように苦しんだ時代もあったようで、主人公に共感したのでしょう。

黒人ストリッパーのフランキーを演じるハル・ベリーは、出産後なのに見事なプロポーションでダンスを踊り、彼女の心の中に潜んでいる別人格のアリスに変貌するときは、人種差別主義の白人のように着飾ってホテルの喫茶でお喋りをする。見た目はただの着飾った女にすぎなく、周りの白人のオジサンたちは好奇心で彼女にまとわりつく。つまりは売春婦を買うためなのかも。そんな多重人格者を見事に演じ分けています。
本作で注目して欲しい俳優は、医師のオズを演じたステラン・スカルスガルドです。「レイルウェイ/運命の旅路」や「マイティ・ソー ダーク・ワールド」に出演していたステラン・スカルスガルドが、フランキーの精神科医を演じてる。

フランキーが、道路で暴れていたところを捕まり精神病院へと送られる。そこで精神科医のオズと出会うわけですが、病院側としては早く彼女を退院させたいのだ。オズが一生懸命に彼女が解離性同一障害者だということを証明したのだが、この当時はそんな病気の認識もなく、ただの精神病患者だと決めつけられてしまう。

彼女のアリスという人物になるのは、少女時代に住み込みで働いていた屋敷の息子と恋に落ちてしまいます。まだ人種差別の厳しい時代に、叶わぬ恋なのに二人はかけおちまでして、一緒になろうと車で逃避行のすえに交通事故で彼は死んでしまいます。

彼女は助かったのですが、妊娠しており出産の時に母親が生まれた子供を見て、白人の子供ということがわかり子供の首を絞め殺したようなシーンが見られます。その時に出産の苦しみの中でフランキーが、もし女の子なら“アリス”と名付けると嬉しそうに言っていたのが目に浮かびます。
小さい時からそうではないようで、そういうショックから、解離性同一障害が誘発されたのではないでしょうか。
最後に字幕で、フランキーは勉強をして教師となり、精神科医と結婚したと書かれていました。彼女は心の闇に潜んでいたアリスと向き合い、自己制御をして変わったのですね。
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