パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

劇場版 MOZU ★★★★★

2015年11月11日 | アクション映画ーマ行
ハードボイルド作家・逢坂剛の『百舌シリーズ』をTBSとWOWOWの共同製作で映像化し話題となったTVドラマの劇場版。妻子の死の謎を追う公安警察官・倉木の最後にして最大の戦いの行方を、壮大なスケールで描き出す。出演は西島秀俊、香川照之、真木よう子らのレギュラー組に加え、ビートたけし、伊勢谷友介、松坂桃李ら豪華キャストが新参加。監督は引き続き「海猿 ウミザル」「ワイルド7」の羽住英一郎。
あらすじ:妻子の死をめぐる謎を追い、その果てに警察内部に存在する闇を暴いた公安警察官の倉木(西島秀俊)。それから半年、ペナム大使館襲撃と高層ビル占拠爆破というテロが同時に勃発。これらの事件は、犯罪プランナーの高柳(伊勢谷友介)と暗殺のプロフェッショナルである権藤(松坂桃李)が率いるグループによるものだった。彼らは、戦後犯罪史に残る組織的犯罪や経済事件に関与しているとうわさされる人物、ダルマ(ビートたけし)の名のもとに、さらなる規模の計画を進めており……。

<感想>ドラマシリーズは、録画をして何度も見返しました。その中で常に謎の存在として姿を現すことのなかった“ダルマ”をビートたけしが演じているのだが、彼は倉木の妻と娘の死の謎とも関わりを持っていた。日本の犯罪史を影で操る存在感たっぷりで、役にハマっていて日本の経済界のドンらしい風貌で良かった。

ペナム大使館を襲撃するテロたちは、頭が可笑しな女の子エレナを誘拐したかったのだ。そのエレナを刑事を辞めて探偵をしている香川照之の事務所に匿うのだが、そこへ現れたのが新谷宏美を崇拝している松坂桃李である。

女装をしてキモイし、怖いしで、殺し屋なのであっという間に守っていた刑事たちは殺されてしまい、そこにいたはずのエレナは、交番の伊藤淳史のところへ預けていたのだ。この伊藤淳史の裏の顔は、ハイテク機材とハッカー並みの技術を駆使して、爆弾の現在位置や防犯カメラの解析などやってのける、ただの交番巡査ではないのだ。大杉との漫才コントみたいな会話が面白くて、サスペンスなのにお笑いコメディの要素も入れて楽しいのだ。

だが、探偵事務所で身代わりとなった大杉の娘が、殺し屋の松坂桃李に誘拐されてしまう。そして、倉木は真木よう子を、大杉は娘を助けるためにペナム国へと旅立つ。今回の真木よう子は、全然出番も少ないし、父親の行方を探しているというだけで、倉木が「お前の父親はすでに死んでいる」と言うのだが、何故か無言電話がなるのでまだ、生きていると思っている。
確かにTVシリーズもサイコ・サスペンスドラマになってましたが、映画版では、サスペンスもさることながらアクションや、エグイ絞殺シーンにフィリピンでのロケを敢行して撮られたカーアクションや爆破シーンも見どころです。

一番凄かったのが、倉木が“ダルマ“の手下、伊勢谷友介に囚われて拷問されるシーン、トラックの後ろで鎖に両手を繋がれて、瓶で顔や身体、特に腹を殴られて、今にも死にそうな時に助けにやって来たのが、長谷川博己演じる東のサイコ野郎である。能面を付けて、ロケットランチャー、バズーカー砲でトラックを大破させて倉木を救うのだ。重症の倉木をスマホで、パシャと何度も撮るサイコ野郎。そこで、スマホを倉木に渡してこれで、俺に連絡しろと言って立ち去るカッコ良さに痺れる。本当は善い人だったのだ。

大杉は、エレナを連れて人質になった娘のめぐみと交換に廃墟ビルにやってくる。エレナは、どうやら“ダルマ”という大物の臓器移植の為に生まれてきた子供であり、その他にも、ダルマの子供たちが人身売買や臓器移植のために養われているのだ。その元締めをしているのが伊勢谷友介演じる高柳である。
ここでは、日本の警察も公安も手出しはできないとみえて画面には現れません。
廃墟ビルの取引に、あの女装趣味の殺し屋の松坂桃李が現れ、大杉の腹をアイスピックでブスリと刺し、めぐみもついでに殺すというのだ。ですが、大杉もバカではない。エレナの体にダイナマイトを巻き、自分がスイッチを押せばエレナも自分たちも木端微塵になってしまうというのだ。ダルマの人体の一番の適合者であるエレナを死なせては、何にもならない。

そこへ現れたのが、新谷宏美の兄貴である池松壮亮。彼と殺し屋の松坂桃李の決闘シーンは、特に凄かったし、松坂桃李をアイスピックで刺し殺して、挙句に松坂桃李をビルから下へ落とし、鉄骨の杭に串裂きにしてしまうという、まさに百舌鳥だ。

倉木が、屋上で“ダルマ”を呼び出し、伊勢谷と西島との戦いだ。伊勢谷の短剣が西島の腹と腿を刺し、そこへ現れる“ダルマ“のビートたけし。伊勢谷は、西島が腿のナイフを抜き取って、伊勢谷目がけて投げる。どうやらダルマに撃たれたらしく、伊勢谷くんはここで死亡。
ダルマは、迎いのヘリに乗り込んで西島の所を去るのだが、ヘリを操縦していたのは、あのサイコ野郎の東だったということで、東京湾にヘリが墜落して“ダルマ”は死亡というニュースが流れる。
劇場版では、新たに“ダルマ”と、そこで犯罪計画を遂行する冷静沈着なブレーンの、高柳演じる伊勢谷友介と、狂気の殺し屋権藤には、松坂桃李が登場して、悪役が輝いて見えました。それに、サイコ野郎の東長谷川博己がドラマに異様なテンションをもたらしているのだ。

特には、マニラで一大ロケを敢行したという、過激な爆破シーンや、カークラッシュが連続するアクションシーンが、これまでにない日本映画の常識を遥に越えているスケール感でありました。そして、何よりも主人公である西島秀俊のハードアクションが一番の見所でもあります。エンディングでの、TV版シリーズが映し出され感慨深く観てました。
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