ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

トンガリロ行:タウマルヌイ

2014-01-17 | 旅行
パネット・カフェを出ると、あとはひたすらワイカトらしい光景

NZの一大牧場地帯です。
(※冬用の牧草の包み)


でも、高低差がある場所は、毎日収乳する酪農には向かないので

食肉牧場や羊牧場になり、放し飼いの牛や羊が好きなところにいて、


姿が見えないことも

お出かけ中


家もなーんにもない、行けども行けども牧場のところに



ぽつんとポストがあったので思わずパシャリ

この道の奥に家が3軒あるようです。


ワイカト・タイムズのロゴがこんなに目立つようにしてあるのは

配達の人が見逃さないようにするためかも
こんなに場所だと配達は午後なのかな?


着いたのは山岳地帯の入り口に位置する
タウマルヌイ



向かっている世界遺産でもあるトンガリロ国立公園の空撮

素晴らしい
草も生えない場所に輝く火口湖の奇跡のような美しさ


でも、町は半分眠っているような寂しい町並み



幹線を通過していくクルマ以外、人影も疎ら。



新聞社



スーパーというよりも食料品店



営業しているのかどうかはっきりしない店や空店舗も多数。



いつの時代にそうだったのか
ファミリーファッションストアー
と書かれた店

今はカフェになっていました。


「昔は映画館だったんじゃないか?」

と夫が言った建物




「ホビット」がCOMING SOONになっている


今でも

映画館でした
(※このときは閉館してましたが)


ネットでググっても確かに営業中

上映時間でないときは閉めちゃうのかな?
不動産屋がテナントとして入居してました。


左の建物は19世紀のものでは?



20世紀初頭の建物で通りができています。

(1912年築)



タウマルヌイはイギリス人が入植してくる19世紀まではマオリの集落として発展し、ワンガヌイに注ぐファンガヌイ川をワカ(マオリの舟)で行き来するマオリたちの交通の要所でした。

ノースランドを旅行していても思うのですが、イギリス人が入植してくる前のマオリの足はなんといってもワカなので、川や海さえあれば相当遠くの集落とも交流があり、内陸や島でも決して孤立していたわけではないんですよね~。

19世紀半ばに最初のイギリス人宣教師がやってきて、本国に報告書をあげて・・・・というお決まりのパターンで入植者がどんどんやってきて、「開発」が進みました。


そのピークとなったのが1908年の鉄道の開通でしょう。

(※ウィキペディアより)
オークランドと首都ウェリントンを結ぶ
北島幹線鉄道は建国間もないNZのまさにエンジン役でした。


鉄道は今でもノーザン・エクスプローラー(旧オーバーランダー)や
(※2012年6月からノーザーン・エクスプローラーに)

貨物列車に利用されています。
でも、ノーザン・エクスプローラーはここに停車しなくなりました。



幹線バスにとっては引き続き重要なストップです。



バスの乗客はここでちょっとした休憩が取れるので

町の規模に比べて、非常にカフェが多いです。


町の観光局

ルアペプ、トンガリロ、ワンガヌイなど周辺情報が豊富ながら、
町自体には観光する場所がぬぁ~い


タウマルヌイに限った話ではないのですが、NZの多くの場所で
その町、村、集落が19世紀の終わりか20世紀初頭にピークを迎え
それっきり発展から取り残されてしまっています。


タウマルヌイでは鉄道開通に合わせて町の開発が進んだ結果、

駅前の町並みはかなり100年前のままなのでしょう。
(1911年築)


都会から大勢の人が訪れ、宿泊し、カネを落として町は潤ったものの
その後のモータリゼーションで鉄道の旅が廃れると
観光名所のないタウマルヌイは素通りされ、

少しの林業と畜産以外の産業がない町は、過去のものになりました。


マオリだけの山間の静かな寒村が鉄道の登場により半世紀で
ガラリと変わり、今再び静かな山間の村に戻りつつあります。


人々は100年以上前の建物で今でも商売を続けているのです。
その間、町が今以上に発展する機会は一度もなかったのでしょう。


職の機会がない人たちは町を離れ、過疎化が進みました。
タウマルヌイ・セントラルの人口は
2001年の2,640人から2013年の2,274人と13%減少しました。


この町に関しては個人的にスゴーい思い出があるのですが、
そこまで寄り道してしまうと、トンガリロに行き着けないので
またの機会にしますね。


(つづく)

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