仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花

2017年09月28日 | ムービー
シリーズ第25作『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』(1980年/山田洋次監督)を見た。
物語は、「久々に帰ってきた車寅次郎(寅さん/渥美清)だったが、ちょうど水元公園にあやめ見物に出かけようとしていた車竜造(下條正巳)、つね(三崎千恵子)、諏訪博(前田吟)、さくら(倍賞千恵子)ら、"とらや"の面々と早速ひと悶着。帰ってきたばかりだというのに、すっかりへそを曲げてしまった寅さん。店を飛び出していこうとしたのだが、そこへちょうど配達された寅さんあての速達に気がつく。その手紙は入院しているという松岡清子(リリー/浅丘ルリ子)からの手紙だった。"旅先の沖縄で血を吐いて倒れ、入院している。また寅さんに会いたかった。それだけが心残り"という随分と弱気なことが書かれていた。早速、沖縄に向かおうとする寅さんだったが・・・」という内容。
さくらが手紙を一行読むたびにいちいち反応して返事をする寅さん。
たこ社長(太宰久雄)が同じように口を挟むと「黙ってろ!!たこ!!」と怒鳴りつけるのが面白い。
(^_^)
身寄りのないリリーとあって誰も見舞いになど来るはずもなく、ずっと一人きりだったようだ。
寅さんが預かってきた御前様(笠智衆)やたこ社長からのお見舞いを手にして、「お見舞いなんて初めてもらった」と喜んでいたし、寅さんが見舞いに来るからと化粧もする。
それまで医者の言うことを聞かなかったけれど、寅さんが来てからはきちんと治療に前向きにもなったらしい。
長い一人きりの生活が続いた人生で、随分と心も病んでいたのだろう。
沖縄の暑さはとても耐えられる暑さではないようで、初めのうちは真面目にテキヤ稼業に励んでいた寅さんだったものの、やがて毎日ぶらぶらし始めるようになる。
リリーの退院後は、国頭フミ(間好子)の家に住まわせてもらうようになり、息子の高志(江藤潤)が連れて行ってくれた水族館が寅さんの大のお気に入りになったようだ。
涼しさを求めて電柱の細長い陰にさえ隠れようとするくらいだから、もう限界だったのだろう。
(^。^)
リリーはこのシリーズ全48作のうち、『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(1973年/第11作)、『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』(1975年/第15作)、『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』(1980年/第25作)、『男はつらいよ 寅次郎紅の花』(1995年/最終作)の4作品に登場したマドンナだったが、二人の気持ちが通じ合っていたにも関わらず、「男に食わしてもらうだなんてまっぴら」というリリーと、結婚に消極的な寅さんの意地がぶつかり合うばかりで、どうにもならなかったのはとても残念だった。

素人助役奮闘記

2008年09月10日 | 映画サークル
昨日のましけ映画サークル9月例会は、仁左衛門企画の『素人助役奮闘記』(1982年/高木一臣監督/にんじんくらぶ)だった。
物語は、「自治省から埼玉県利根川村に役場助役として出向してきた坂本太郎(江藤潤)は、若いながらも海千山千の地元有力者達とわたり合う」といった内容。
始まってすぐに"後援自治省"の文字が出てきたのを見て、「ありゃぁ参ったなぁ・・・」と思った。
政府がスポンサーになっている映画である。
面白いわけがない・・・。
(-_-)
案の定、さしたる盛り上がりも無いまま小ネタの連続で物語は進んでいったのだが、強いて印象に残ったエピソードを挙げるとすれば、やはり終盤の村長選挙のくだりか。
利根川村長河野登美夫(ハナ肇)の対抗馬・村議会議長村山一郎(成田三樹夫)の倒れっぷりは良かった。
(^o^)
時々、"男はつらいよシリーズ"のように撮影地の文化を画面に映す演出があったりしたが、何か中途半端だったし、原作はおそらく退職した自治体職員の体験記か何かだったのだろうけれど、何人もの名優・名脇役を出演させておきながら、あれ程つまらない内容にしてしまったのは何とももったいないと思えた。
村長選挙のエピソード以外は、江戸時代の小藩に置き換えても通じるような話なので、いっそのこと時代劇にしてしまった方が面白かったかもしれない。
となると、タイトルが変わってしまうか。
(^^ゞ