仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ

2014年11月05日 | ムービー
『スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ』(1962年/弓削太郎監督)を見た。
物語は、「ソ連とアメリカが核実験を繰り返していた昭和36(1961)年。出世を願う家族の期待を一身に集めて上京し、アルバイトで稼ぎながら大学を卒業した石橋信一(川口浩)は総合商社・日の丸商事に就職した。住む所もなく、友人・夢田春男(川崎敬三)のアパートに居候するが、同期7人が配属された渉外課で社長の海外出張の随行員の座を奪い合うライバルとなる。中村課長(ハナ肇)の査定が気になるライバル達は女性関係等身辺問題にも気をつけるが、女子社員一の美人・荒牧しのぶ(藤原礼子)のペンダントに石橋の写真が収められているのを知った同僚の英子(弓恵子)は・・・」という内容。
入社初日に学生服で出社し課長に給料の前借を申し入れる石橋、川に浮かぶ船で生活し「丘の上で働きたい」と言う弓子(渋沢詩子)、「今晩おひま?」という名刺1枚で生活している麻子(三木裕子)等、どうにも極端な設定の登場人物達だが、妙に悲哀を感じさせるエピソードが多い。
日本の高度経済成長期に大人気を博した"ハナ肇とクレージーキャッツ"のヒット曲をテーマにした映画は、当時の映画製作大手4社(大映、東宝、松竹、東映)で次々と公開されたようだが、大映作品はあまり人気がなかったのか、これを含めて4作品しかないようだ。
東宝の"無責任シリーズ"、"日本一シリーズ"といった作品群と比較すると、クレージーキャッツや植木等、ハナ肇が主役になっているわけではないので、当時のファンは少しガッカリしたのかもしれないと想像する。
(^_^;)
「わかっちゃいるけど、やめられねぇ」というのがこの映画のテーマなのだが、1回だけ「わかっちゃいるけど、やめとこう」という台詞が出てくる。
あの場面は迷っちゃうところではあるな。
(^。^)

ザ・ガードマン 東京忍者部隊

2009年09月06日 | ムービー
『ザ・ガードマン 東京忍者部隊』(1966年/弓削太郎監督)を見た。
物語は、「貴金属商・大里(松村達雄)との間に時価2億円相当の金塊輸送契約を結んだ東京パトロール社は、並川(長谷川明男)、清水(藤巻潤)、牧(小笠原良智)の3人を最新鋭の特殊輸送車と共に現場へ派遣した。その計画を貴金属商の親族・一郎(山下洵一郎)から聞き出していたホステス・美枝(長谷川待子)はキャバレーのオーナーで組織のボスでもある泉田(安部徹)に金塊強奪計画を持ちかけ、刑務所帰りの木元(成田三樹夫)を8,000万円の報酬で実行犯に仕立てた。そして、いよいよ金塊輸送計画実行の日が翌日と迫ったある日・・・」という内容で、これは1965(昭和40)年4月から1971(昭和46)年12月までテレビ放送されたドラマ『ザ・ガードマン』の映画版オリジナル・ストーリーである。
"東京パトロール社"は、元刑事の高倉隊長(宇津井健)を現場のリーダーとして活躍する警備会社だが、警備員は皆ビジネススーツ姿であって制服を着ていないのが特徴だ。
ドラマは、日本初総合的警備保障会社の"日本警備保障株式会社(現セコム株式会社)"をモデルにしているそうで、テレビ放送当時はかなり人気があったらしい。
テレビの人気ドラマが映画化されるとなると、莫大な制作費を元にした"豪華ゲスト"、"海外ロケ"、"大爆発シーン"等を連想してしまうのだが、この『ザ・ガードマン 東京忍者部隊』については、派手な銃撃シーンや爆発シーン、息をのむカーチェイス等は無く、何とも地味な展開に終始した。
まぁそれらしき場面が無きにしも非ずではあったが・・・。
(^_^;)
しかし、犯罪の背景、当事者の心理、裏切り等悪役側の人間模様が良く描かれていて面白かった。
おそらく、こういった人間模様を詳しく描写することによって、低予算故に不可能である派手な演出の無さを覆い隠したのだろう。
(^_^)