仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

しあわせのパン

2012年02月29日 | ムービー
ユナイテッド・シネマ札幌で、『しあわせのパン』(2012年/三島有紀子監督)を見た。
物語は、「北海道の洞爺湖畔にある月浦という土地でパンカフェ"マーニ"を営む水縞尚(大泉洋)とりえ(原田知世)。店にはいろいろな人たちがやってくる。2人は焼きたてのパン、淹れたてのコーヒーや手料理でお客さんをもてなしていたが・・・」という物語。
北海道では全国ロードショーより1週間早く上映されていたらしい。
仁左衛門達は1ヶ月以上経ってから見に行ったのだが、それでも多くの観客がいたので少し驚いた。
これが東北のどこかの県や山陽や山陰等どこかの地方で撮影された映画だとしたら、これほどの観客は入らないのだろうと思った。
北海道の北であろうと南であろうと"北海道"というだけで地元意識が働くのかもしれないし、それはまるで縁もゆかりも無いどこかの高校を"北海道代表"というだけで応援してしまう高校野球の甲子園大会と同じかもしれない。
さらには、"大泉洋"という俳優さんが"北海道代表"であるかのような感覚で暖かく応援してしまう。
そんな人もいるのではないか等とついつい深読みして考えてしまうのだった。
(^_^)
ナレーションの雰囲気が『ウール100%』(2005年)と似ていたし、物語も『食堂かたつむり』(2010年)と同じように感じたので、それらと同じ富永まい監督なのかと思って見ていたが、帰宅してから調べてみると、どうやら別人のようだった。
確かに、「同じ監督だとしたらこれは撮らないよな」と思った。
しかしまぁ、そこそこ面白い映画だった。

食堂かたつむり

2011年02月09日 | ムービー
『食堂かたつむり』(2010年/富永まい監督)を見た。
物語は、「母・ルリコ(余貴美子)を嫌い料理好きの祖母の元で成長した倫子(柴咲コウ)は、将来自分の料理店を開くことを決めたのだが、アルバイトで貯めた開業資金と家財道具一切を同棲していたインド人の彼氏に奪われてしまう。ショックから声が出なくなり、失意のまま仕方なく実家に帰ったものの、母はペットの豚・エルメスを溺愛し娘に関心を示さなかった。倫子は熊さん(ブラザートム)に助けられながら自宅の物置小屋を改造し、"食堂かたつむり"を開店するのだが・・・」という内容。
歌とアニメーションで解りやすく物語へと導入するオープニングの手法が『ウール100%』(2005年)と良く似ていたので、同じ監督じゃないかと思ったら、やはりその通り。
『ウール100%』は富永監督の第2作目、本作は第4作目らしい。
そして、両作品共に何だか不思議な物語なのである。
この作品の"食堂かたつむり"には決まったメニューが無く、倫子は1日1組限定のお客さんのために時間をかけて料理を作る。
そして、その"心をこめて料理を作る"というスタイルは、実はエルメスとの心のやり取りから学んだものだった。
豚の言葉から料理の本質を学ぶだなんて何ともファンタジー過ぎる。
(^_^;)
そして、母ルリコ。
すべてはこの不思議ちゃんから始まった話であり、ある意味ルリコが主役。
それは何とも不思議な、少し切なく感じた物語だった。

ウール100%

2008年05月27日 | ムービー
『ウール100%』(2005年/富永まい監督)を見た。
物語は、「敷地にゴミを山のように積んでいる"ひろいもの屋敷"の住民・梅さん(岸田今日子)と亀さん(吉行和子)は、街中からゴミを拾って来ては磨き上げて綺麗にし、すべてを台帳に記録するのが日課だ。そして、飾られているゴミ達はいつしか"モノノケ"となり、2人を守っていた。しかし、ある日拾った"赤い毛糸の玉"の端を手繰って現れたモノノケの"アミナオシ"が2人の台帳に載っているゴミを次々に破壊していき・・・」という内容。
事前情報がマッタク無いままに見始めたので、途中さっぱり訳が解らなかったのだが、徐々に不思議な話であると共に少し哀しい話であることが解ってきた。
その存在自体が"モノノケ"になりかかっているかもしれない婆さん達だが、この婆さん達にとっての幸せは何だったのだろう。
"モノノケ"に憑りつかれて昔の記憶を失っていたとしても、小さな子供達から同情されていたとしても、彼女達はそこそこ楽しく暮らしていたのではないだろうか。
"アミナオシ"が他の"モノノケ"を退治していく毎に昔の記憶が戻っていく婆さん達。
若かりし頃の記憶を取り戻して、人生をやり直せるとでもいうのか。
それが幸せか?
また、この物語に登場する人物は少なく、それぞれの台詞が少ない。
台詞が少なければ少ないほど役作りが難しいのではないかと思うが、梅さんも亀さんも台詞が極端に少ない割には、見ている側に物語の不自然さを覚えさせない。
その辺りが、共に"さすが大女優"と言われる所以なのだろう。
(^_^)