仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

食堂かたつむり

2011年02月09日 | ムービー
『食堂かたつむり』(2010年/富永まい監督)を見た。
物語は、「母・ルリコ(余貴美子)を嫌い料理好きの祖母の元で成長した倫子(柴咲コウ)は、将来自分の料理店を開くことを決めたのだが、アルバイトで貯めた開業資金と家財道具一切を同棲していたインド人の彼氏に奪われてしまう。ショックから声が出なくなり、失意のまま仕方なく実家に帰ったものの、母はペットの豚・エルメスを溺愛し娘に関心を示さなかった。倫子は熊さん(ブラザートム)に助けられながら自宅の物置小屋を改造し、"食堂かたつむり"を開店するのだが・・・」という内容。
歌とアニメーションで解りやすく物語へと導入するオープニングの手法が『ウール100%』(2005年)と良く似ていたので、同じ監督じゃないかと思ったら、やはりその通り。
『ウール100%』は富永監督の第2作目、本作は第4作目らしい。
そして、両作品共に何だか不思議な物語なのである。
この作品の"食堂かたつむり"には決まったメニューが無く、倫子は1日1組限定のお客さんのために時間をかけて料理を作る。
そして、その"心をこめて料理を作る"というスタイルは、実はエルメスとの心のやり取りから学んだものだった。
豚の言葉から料理の本質を学ぶだなんて何ともファンタジー過ぎる。
(^_^;)
そして、母ルリコ。
すべてはこの不思議ちゃんから始まった話であり、ある意味ルリコが主役。
それは何とも不思議な、少し切なく感じた物語だった。

県庁の星

2008年02月26日 | ムービー
『県庁の星』(2006年/西谷弘監督/東宝)を見た。
「県庁に勤める野村聡(織田裕二)の人生は順風満帆。すべて1番の成績を納め、エリートコースの真っ只中にいた。総予算200億円の巨大プロジェクトを起案した彼は、事業を前にして民間人事交流研修のメンバーに選ばれ、スーパーマーケットチェーンに出向させられたのだが、出向先の不祥事が自分のキャリアに傷をつけてしまいそうなことが不満だった。そこで、次々に改善策を打ち出し・・・」という内容。
賞味期限切れ間際のジャガイモが総菜の材料として使われたり、調理後の時間が経過した魚のフライを揚げ直したりという現場を見て改善を求めるのだが、「それは不正では無く、コスト削減のための必要な努力だ。充分に食べられる」と店長に取り合ってもらえないと、「採算なんて二の次でしょう」と言い切る。
どちらも極端な思考だが、教育係・二宮あき(柴咲コウ)はリストラの噂が出てから、頼りにならない店長ではなく野村のやる気に期待をしたようだ。
県庁舎内のエスプレッソマシーンが置いてある優雅な職員専用ラウンジに「ここの飲料は県民の皆様の税金で賄われています。無駄遣いはやめましょう」と書かれていたのには笑った。
外面だけは最高にいい。
(^o^)
さて、この映画を見た人はエリート行政マンと零細民間企業の従業員、どちら側の登場人物に多く共感するのだろうか。
もともと行政マンはヒーローに成り得る存在ではないだけに、多少中途半端な感じもしたが、そこそこ面白い内容だった。