仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

劇場版タイムスクープハンター

2016年10月11日 | ムービー
『劇場版タイムスクープハンター/安土城 最後の1日』(2013年/中尾浩之監督)を見た。
物語は、「タイムスクープ社は、タイムワープ技術で過去にジャーナリストを派遣し、人々の営みを映像で記録・アーカイブする計画を推し進めている機関。第二調査部に所属している沢嶋雄一(要潤)は、"本能寺の変"直後の1582年6月13日の京都にいた。彼は、禁裏(京都御所)で難民救済活動を行う織田家家臣・矢島権之助(時任三郎)の密着取材を行っていたのだが、その矢島は商人・島井宗叱(上島竜兵)を博多まで送り届けることになり、沢嶋もこれに同行する。しかし、京都を出てからの山中で、未来の武器を持った謎の山伏の襲撃を受けた際、島井が持っていた茶器"楢柴"を紛失してしまった。本来の歴史だと"楢柴"は博多に持ち帰られた後、豊臣秀吉、徳川家康の手に渡り、江戸時代に消失したことになっているので、このままでは歴史が変わってしまう。そのため沢嶋は"歴史修復作業"を行うことになったのだが・・・」という内容。
題名に"劇場版"とあるのは、元々NHK総合テレビで放送されていた番組(2009年~2014年)であるかららしいが、画面にネット情報のような表示がされたりするのは、やはりいかにもテレビ的な演出のように思えて納得した。
(^_^)
また、余計なデフォルメが施されず、壮大なスケールで描かれるわけでもなく、さほどの盛り上がりがないまま事件がすーっと解決してしまうのでは、劇場版を制作した甲斐がないような気もしたが、時代考証がいきとどいた(!?)NHK制作の歴史ものには、それなりの熱心なファンがいて、"劇場版"の制作はそれなりの気運の高まりがあったのかもしれない。
(^_^;)
時間を遡った沢嶋や細野ヒカリ(夏帆)、古橋ミナミ()は、過去の時代の人間と関わらなくてはならない。
そうしなければ彼らの仕事にならないわけだが、ただ、未来の人間が過去の歴史に関わったことで世の中が変わってしまうなどということがないように、そこは細心の注意が払われているようだ。
その方法については、「彼らに取材を許してもらうためには、特殊な交渉術を用います。それは極秘事項となっており、お見せすることは出来ませんが、今回も無事密着取材することに成功しました」とのナレーションで片づけられてしまっていて、詳細が不明なのが残念だ。
(^。^)

海街diary

2016年05月31日 | ムービー
『海街diary』(2015年/是枝裕和監督)を見た。
物語は、「15年前に父が家を飛び出し、母も再婚して家を去って以来、その鎌倉の家で祖母と暮らしていた香田幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)の三姉妹。7年前に祖母が亡くなってからもそこで3人で生活をしていた。ある日、父の訃報を受け、葬儀のために訪れた山形の小さな温泉町で腹違いの妹・浅野すず(広瀬すず)に出会う。3人の父を奪ったすずの母はすでに他界し、頼りない義母を支えるすずの姿を見て、彼女の境遇を察した幸は、別れ際に"鎌倉で一緒に暮さない?"と声を掛ける。そうやって4人姉妹の新しい生活が始まったのだが・・・」という内容。
血のつながりがあるとはいえ、彼女達は初めて会った人同士。
発車する電車のドアがいつ閉まるか分からないという瀬戸際に突然思いもよらない同居を誘われ、躊躇せず「行きます!!」と答えるすず。
父が亡くなり、これからの義母や義弟達との生活に対する不安が迷わずそう答えさせたのだろう。
転機というのは、いつどこで訪れるのかまったく分からない。
人生というのはホント不思議なものである。
また、これはほぼ全編を通して、"生死"に関係するエピソードが展開していく物語だ。
そもそもの始まりが父親の死であるし、母・佐々木都(大竹しのぶ)は祖母の法事の場面で登場する。
馴染みの海猫食堂店主・二ノ宮さち子(風吹ジュン)などは、一番ヘビーな"生死"にまつわるエピソードを背負わされる登場人物で、自身のことや家族のことで苦しむ様子にはどうにも切なさを感じる。
さて、この作品は、第68回カンヌ国際映画祭に出品された際に『Our Little Sister』というタイトルでも紹介されていたようなのだが、英語のタイトルというのは、大体において、それ以上ないほどに分かりやすくつけられていることが多いように思える。
日本語タイトルとのギャップには笑ってしまうこともあるのだが、逆に、直線的かつ説明的なタイトルでは日本国内だと今一つウケが良くないということなのかもしれない。
やはり、日本では何か情緒的なタイトルをつけることが人気を得る秘訣ということなのだろう。