仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

海街diary

2016年05月31日 | ムービー
『海街diary』(2015年/是枝裕和監督)を見た。
物語は、「15年前に父が家を飛び出し、母も再婚して家を去って以来、その鎌倉の家で祖母と暮らしていた香田幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)の三姉妹。7年前に祖母が亡くなってからもそこで3人で生活をしていた。ある日、父の訃報を受け、葬儀のために訪れた山形の小さな温泉町で腹違いの妹・浅野すず(広瀬すず)に出会う。3人の父を奪ったすずの母はすでに他界し、頼りない義母を支えるすずの姿を見て、彼女の境遇を察した幸は、別れ際に"鎌倉で一緒に暮さない?"と声を掛ける。そうやって4人姉妹の新しい生活が始まったのだが・・・」という内容。
血のつながりがあるとはいえ、彼女達は初めて会った人同士。
発車する電車のドアがいつ閉まるか分からないという瀬戸際に突然思いもよらない同居を誘われ、躊躇せず「行きます!!」と答えるすず。
父が亡くなり、これからの義母や義弟達との生活に対する不安が迷わずそう答えさせたのだろう。
転機というのは、いつどこで訪れるのかまったく分からない。
人生というのはホント不思議なものである。
また、これはほぼ全編を通して、"生死"に関係するエピソードが展開していく物語だ。
そもそもの始まりが父親の死であるし、母・佐々木都(大竹しのぶ)は祖母の法事の場面で登場する。
馴染みの海猫食堂店主・二ノ宮さち子(風吹ジュン)などは、一番ヘビーな"生死"にまつわるエピソードを背負わされる登場人物で、自身のことや家族のことで苦しむ様子にはどうにも切なさを感じる。
さて、この作品は、第68回カンヌ国際映画祭に出品された際に『Our Little Sister』というタイトルでも紹介されていたようなのだが、英語のタイトルというのは、大体において、それ以上ないほどに分かりやすくつけられていることが多いように思える。
日本語タイトルとのギャップには笑ってしまうこともあるのだが、逆に、直線的かつ説明的なタイトルでは日本国内だと今一つウケが良くないということなのかもしれない。
やはり、日本では何か情緒的なタイトルをつけることが人気を得る秘訣ということなのだろう。