『悪の紋章』(1964年/堀川弘通監督)を見た。
物語は、「大田区内を流れる多摩川で若い女性の絞殺死体が発見され、城南署に捜査本部が設けられたものの、わずか40日で捜査本部は解散し、あっという間に迷宮入り事件となった。その後も捜査を続けていた警部補の菊地正明(山崎努)は、容疑者とにらんだ日進商事社長・柴田(戸浦六宏)の身柄確保に近づいたと思ったある日、暴力団員・花井和夫(清村耕次)の覚せい剤運搬に関わり賄賂を受け取った容疑をかけられて、逮捕、起訴され、裁判の結果、2年間服役することになる。人生を棒に振った菊地は、自分を罠にかけた人間を見つけ出し、復讐をしようと、2年前の事件を再び調べ始めるのだが・・・」という内容。
出所した菊地は、警察官時代の先輩・松野誠太郎(大坂志郎)のおかげで、"稲村清一"と名前を変え、大正7年創業だという"塚本興信所"に調査員として勤務することになる。
「何もかも承知してくれた塚本所長(志村喬)の取り計らいなので、昔のいざこざは忘れて頑張ってほしい」と言われるものの、彼の頭には"復讐"の文字しかないのだから、忘れろというのは無理な話だ。
稲村の最初の仕事は、高沢光江(岸田今日子)という女性の素行調査だったが、彼女は、先代が死亡し、跡を継いだ高沢コンツェルンの2代目会長・高沢重治(佐田啓二)の妻であり、政界の長老・海老原寛(柳永二郎)の一人娘なのだが、稲村はその調査の過程で、尾行に気づかれながらも、柴田と高沢のつながりを知る。
また、電車内で偶然見かけたスリの獲物(定期入れ)を追いかけた通路で奪い取り、ポケットに入れた数日後、その被害者らしき女性・浅井節子(新珠三千代)の自殺未遂事件を知るのだが、これらの人間達が複雑に絡み合う人間模様が面白い。
節子「暗い川ね」
稲村「そう。人生みたいにね」
この会話が、偶然に知り合ってしまった2人の人生を言い表しているようだった。
これは、『朝日新聞』で1962(昭和37)年に連載された同名小説(橋本忍/作)の小説が原作で、この映画化のあと、1965(昭和40)年と1979(昭和54)年にはテレビドラマ化されているらしい。
なかなかに面白い物語だった。
物語は、「大田区内を流れる多摩川で若い女性の絞殺死体が発見され、城南署に捜査本部が設けられたものの、わずか40日で捜査本部は解散し、あっという間に迷宮入り事件となった。その後も捜査を続けていた警部補の菊地正明(山崎努)は、容疑者とにらんだ日進商事社長・柴田(戸浦六宏)の身柄確保に近づいたと思ったある日、暴力団員・花井和夫(清村耕次)の覚せい剤運搬に関わり賄賂を受け取った容疑をかけられて、逮捕、起訴され、裁判の結果、2年間服役することになる。人生を棒に振った菊地は、自分を罠にかけた人間を見つけ出し、復讐をしようと、2年前の事件を再び調べ始めるのだが・・・」という内容。
出所した菊地は、警察官時代の先輩・松野誠太郎(大坂志郎)のおかげで、"稲村清一"と名前を変え、大正7年創業だという"塚本興信所"に調査員として勤務することになる。
「何もかも承知してくれた塚本所長(志村喬)の取り計らいなので、昔のいざこざは忘れて頑張ってほしい」と言われるものの、彼の頭には"復讐"の文字しかないのだから、忘れろというのは無理な話だ。
稲村の最初の仕事は、高沢光江(岸田今日子)という女性の素行調査だったが、彼女は、先代が死亡し、跡を継いだ高沢コンツェルンの2代目会長・高沢重治(佐田啓二)の妻であり、政界の長老・海老原寛(柳永二郎)の一人娘なのだが、稲村はその調査の過程で、尾行に気づかれながらも、柴田と高沢のつながりを知る。
また、電車内で偶然見かけたスリの獲物(定期入れ)を追いかけた通路で奪い取り、ポケットに入れた数日後、その被害者らしき女性・浅井節子(新珠三千代)の自殺未遂事件を知るのだが、これらの人間達が複雑に絡み合う人間模様が面白い。
節子「暗い川ね」
稲村「そう。人生みたいにね」
この会話が、偶然に知り合ってしまった2人の人生を言い表しているようだった。
これは、『朝日新聞』で1962(昭和37)年に連載された同名小説(橋本忍/作)の小説が原作で、この映画化のあと、1965(昭和40)年と1979(昭和54)年にはテレビドラマ化されているらしい。
なかなかに面白い物語だった。