仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

THE IDEON 接触篇 A CONTACT

2016年07月01日 | ムービー
『THE IDEON 接触篇 A CONTACT』(1982年/富野喜幸総監督・滝沢敏文監督)を見た。
物語は、「地球人類が外宇宙へ移民を開始してから50年が経過していた西暦2300年代。アンドロメダ星雲の植民星A-7ソロ星への移民は2年前から始まっており、科学省はそこで異星人文明の遺跡を発掘した。その"第6文明人の遺跡"である3台のメカは、ユウキ・コスモ(塩屋翼/声)の父ユウキ・ロウル博士や、フォルモッサ・シェリル(井上瑤/声)の父フォルモッサ・ロダン博士らによって復元され、操縦系統が取り付けられていたものの、1年かけても動かすことができずにいた。ちょうどその頃、伝説の無限エネルギー"イデ"の調査のため、惑星ロゴ・ダウにやって来た異星人バッフ・クラン。その"ロゴ・ダウ"とは、コスモ達がいる"ソロ星"のことだった。調査隊の隊長ギジェ・ザラル(林一夫/声)は異星人との接触を避けるために苦慮したが、調査隊に同行していたカララ・アジバ(戸田恵子/声)は異星人への好奇心から戦闘偵察機コポラで母艦である巡洋艦グラム・ザンを発進し、地上に降りてしまう。彼女はバッフ・クラン宇宙軍総司令ドバ・アジバ(石森達幸/声)の次女であることから、早速捜索隊が組織されたが、捜索に出た兵士の不用意な発砲により地球軍とバッフ・クラン軍の武力衝突へと発展してしまった。地球軍の士官候補生ジョーダン・ベス(田中秀幸/声)らが応戦する中、コスモやイムホフ・カーシャ(白石冬美/声)、アフタ・デク(松田たつや/声)らがメカに乗り込むと、突然ゲージが輝き、それまで一切無反応だった3台のメカが動き出して・・・」という内容。
ピクニックにでも出かけるような軽い気持ちで異星人に近づいたカララの軽率な行動により、ソロ星の何千、何万人もの人達、ソロシップ(宇宙船であり第6文明人の遺跡)に逃げ込んで九死に一生を得た人達の肉親があっという間に死んでしまったわけだから、捕虜として身柄を拘束されたとはいえ、バッフ・クランのカララとマヤヤ・ラウ(松原雅子/声)に罪を償わせたいと考える人は多かっただろう。
15歳のバンダ・ロッタ(山田栄子/声)がカララに銃口を向け、「もう一人殺してしまったのよ。こうなれば一人殺すも二人殺すも同じよ。死んでください。恨み晴らさせてください」と言わざるを得なかった状況が何ともヘビー過ぎる。
無限力"イデ"については、「意思と知能を集積してエネルギーに変換するという、第6文明人が作り出した新しいエネルギーシステム」であるとされ、この作品の中ではそのコントロールシステムを解明するまでが描かれており、後編といえる『THE IDEON 発動篇 Be INVOKED』(1982年/富野喜幸総監督・滝沢敏文監督)において全物語完結となっている。
さて、この作品の設定は『禁断の惑星』(1956年/フレッド・M・ウィルコックス監督/アメリカ)という作品とあまりに酷似しているのだが、テレビシリーズの放送時(1980~1981年)や映画館での封切り時は、そのことについてマッタク話題にならなかったものだろうか。

禁断の惑星

2004年09月16日 | ムービー
『禁断の惑星(原題Forbidden Planet)』(1956年/フレッド・M・ウィルコックス監督/アメリカ)を見た。
古い映画なのであまり期待してなかったのだが、充分面白かった。
それにしても、「地球から遠く離れた惑星で発見した高度な文明人の遺跡」「その文明人の身体は大きかった」「肉体のない文明」「エネルギーを運ぶ回路がないのにエンジンや計器が動いている」「無限エネルギー」「意思の力」「イドの怪物」など、覚えがある設定や似た言葉がたくさん出てきたのには、正直驚いた。
というのは、『THE IDEON 接触篇 A CONTACT』(1982年/富野喜幸総監督・滝沢敏文監督)と、『THE IDEON 発動篇 Be INVOKED』(1982年/富野喜幸総監督・滝沢敏文監督)の設定と酷似していたからである。
さすがに宇宙船の形や、特徴的な丸い大きなゲージなど、メカニックの類いはまったく違うデザインだったが、物語の基本となる異星人の設定はほとんど一緒。
映画作品だけでなく、テレビアニメの『伝説巨神イデオン』(1980~1981年)もリアルタイムで見ていたし、好きな物語だっただけに、あのアイディアが独創的なものではなく、このアメリカ映画からすっかり持ってきたものだったと知って、とてもガッカリしたのだった・・・。