JBLのSPシステムの「お勧め」を展開していますが、「JBL#4343」の話は避けて通れないでしょう。私も26才の頃、やっとの思いで#4343を手に入れ、「これでSPシステムは終わりにしよう」と思いました。以後25年ほどメインシステムとして使いました。
<プリ:C29+チャンデバ:F5+パワー低域:MC2500 高域:M-60 の2ウェイマルチ時代>
#4343を手に入れたのは良いのですが、念願のSPを手に入れた喜びと安心感も有り、おまけに「仕事」も忙しくなり「仕事漬け」の毎日に成り、思いっきり聴いてやる事がなかなか出来ませんでした。それでも仕事から帰ってきたら風呂上がりの1時間程は毎日聴いていました。最終的には2ウェイマルチアンプまでやっていました。しかし、現在のメインシステムにはなれませんでした。
「4343」はその後モデルチェンジを重ねて#4348迄来ましたが、このSPの設計は「おかしい???」と思っています。特に中低域のミッドバスについては疑問点が多いです。実際に使って見れば判る事ですが、「人の声」がミッドバスと2420+ホーンとの間で行ったり来たりするのです。これはクロスオーバー周波数が400Hzクロスと1200Hzクロスとなっている為、コーン型とホーン型を行ったり来たりしているからです。高さ的に移動する事に加え、コーン型とホーン型の質感の違いが決定的に違います。違和感を覚えます。一度気になりだすと「設計ミスの粗悪品」に思えて来ます。
#4343やその後継機4344を合わせると日本全国で15000セット以上売れたのではないでしょうか?#4343のユニット配置のデザインはシンメトリーで非常に良いデザインと思いますが、サウンドが追い付いていないのが残念でした。
使われているユニットも「プロ用」との事で信頼度が高いユニットだと思っていましたが、プロ用以前のユニットの方がサウンド的にも優れている事を確認してしまうと、言葉遊びで販売の為のキャッチフレーズでしかなかったのを悟りました。
このSPのネックはネットワーク部で有り、ユニットの組み合わせとのミスマッチ、ホーン型SPをバッフルに付けている事だろうと思います。私はこのSPに手をかけてもっと良くしたいと思いましたが、手を入れられない部分や入れてもその限界はそんなに深くない事を感じ、他のシステムへと移行しました。#375(2インチスロートコンプレッションドライバー)との組み合わせが出来ない事も有りませんが、チョッと無理が有ります。スケール感でも2インチスロートのコンプレッションドライバーが使えない事も一因です。
現在のメインシステムにして、4343に後戻りはしたくないですね。サウンドの根幹がまったく違う様な感覚です。
4343の発売された当時も先達達が同じ様な事を云っていらっしゃった事を覚えています。
何事も経験して見ないと先には進めませんでした。