虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもの性格タイプについて考えることで どんないいことがあるの? 6

2011-07-27 23:21:24 | 子どもの個性と学習タイプ
話をニコニコママさん宅の娘ちゃんのことに戻しますね。
娘ちゃんは、最初の和室でのレッスンでは
ずっとドールハウス作りに没頭していて、他の子たちがエレベーターを作って遊んでいる間も、
ふうせんを投げてふざけている間も、
もくもくと折り紙のお家を作っていました。

かといって、人と関わるのが苦手なのかというとそうではなくて、
自分のやりたいことに十分熱中して満足すると、
ニコッと笑顔を浮かべて、
作品を見せにきたり、ちょっとふざけて私をポンッとはたくふりをしたりしていました。

そうした様子から、
恥ずかしがり屋で人との関わるタイミングがわからないから
他の子たちが群れて遊ぶところになかなか入っていかなかったのではなく、
自分のしたいことがはっきりしていて、それをやり終えるまで高い集中力を保っているため
周囲の動きによって気が散らされるようなこともなく制作しつづけていたのだろうと思われました。

ですから、みんなでカードゲームをしたり、理科クイズをして遊んだりするときには、
ルールを理解して楽しく参加することができていました。

娘ちゃんはお家でも同じ物を繰り返し作ることに熱中しているらしく
今のブームはドールハウスとお人形作りで、
自分で素材選びから髪の毛の長さまでこだわって、人形を作り続けているそうでした。
あんまり同じ物ばかり作るものですから、
ニコニコママさんは、それをどのように広げてあげたらいいか、
と思案していました。

娘ちゃんは外からあれこれアドバイスすると、頑なになって、
自分のやり方にこだわるところがありました。
「娘ちゃんの活動をどのように広げてあげようか、どのように発展させてあげようか」
という気持ちを身近な人から感じると、
強く身構えて自分のやり方にこだわって、周囲から入る情報を遮断するようなところがありました。

一方で、それが緩んで放っておかれると、
自分のペースで根気よく作業をしつつ、
自分がしてほしいことを頼めそうな人を見つけて(今回は事務Kちゃん)頼んだり、
完成すると、いろんな人のところに作品を見せに行ったりして、
積極的に動いていました。
そうした人との関わり方は自然で
コミュニケーション能力の高さがうかがえました。

娘ちゃんが他の人のアイデアを取り入れるときには、いったん自分の中で消化して、
自分のイメージになり、それをどのようにやりたいのかという意志と結びついてはじめて
アウトプットするようでした。

たとえば、今回のレッスン中は、周囲の子たちが私といっしょに制作している様子には
目もくれず、ひたすらドールハウスと、画用紙いっぱいに自分の顔を描くことをしていました。
が、お家に帰ってからは、仲良くなった女の子が私と作っていた開閉するドアを作るなど、
仕掛けへの興味を示していたようなのです。

もし、娘ちゃんの活動をもっと発展させてあげたいならば、
こうした娘ちゃんの外からの情報の取り入れるペースや方法について
しっかり理解することが重要だと感じました。

というのも、幼い子は、思いのほか敏感で 大人の「アドバイスしたら即座に真似したり、受け入れたりしてアウトプットしてほしい」という気持ちを感じとっているものなのです。

それが[いったん自分のイメージに消化してから外に表現したい]という思いと合わないと、
気がせいたり、ダメ出しされているように感じていたり、
干渉されることへの拒絶心から何もかも聞く耳持たずになってしまうこともあるのです。

まず、子どものペースや方法をつかんで、
あまり良い親や良い先生であろうと焦らずに
リラックスして接することが大事だと感じています。

次回に続きます。






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