虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ブロック遊びをしながら、子どもとどう関わるか

2021-03-29 08:04:31 | レゴ デュプロ ブロック

 

このところブロックで遊ぶことが増えてきた教室の子どもたち。

除菌に気遣いながらも、楽しそうに遊ぶ姿をうれしく眺めています。

 

下は過去記事のブロック遊びの様子です。

遊びを通して、子どもが考える力をつけていく様子を

感じ取っていただけたら、と思います。

 

 

ブロック講座でいちごの宝箱の作り方を教えていた時のこと。

4歳のAくんが貝殻や宝石の形のキラキラグッズを、作ったばかりの宝箱に

あふれるほど詰め込んでフタを閉めようとしました。

ところが、フタは宝箱の内側にはめこむように作ってあったので閉まりません。

それを見たAくんのおばあちゃんが、「中に入れ過ぎているから閉まらないのよ。

中に入れているのを少し出しなさい」とアドバイスしていました。

Aくんは、ひとつも取り出したくないほど、「宝をいっぱい入れたい」という気持ちが

強かったようで聞きいれません。

そこでわたしは、Aくんといっしょに、

「せっかく入れた宝をひとつも捨てないで、同時にフタがきちんと閉まるように

する方法」を考えてみることにしました。

 

「いちごの箱がもう数段高くなるようにブロックを重ねると、

フタがきちんと閉まるようになった」という解決法というほどものではなく

小さな小さな工夫ですが、

こうした対応が、Aくんたち子どもに与える影響は大きいです。

 

普段の生活上のあれこれを学ぶ時や解答のある問題を考える時は、

「中に入れ過ぎているから閉まらないのよ。

中に入れているのを少し出しなさい」のように、うまくいかない原因を知って

正しい対処法を学ぶのはいいことです。

ただ少し間を作って、子どもが自分で理由に気づいたり、

それを言葉にして問題を解決するのを待ってあげるともっといいでしょうが……。

 

ただ、ブロックや工作や自由遊びの場で、

「こういうふうにしたい!」という自分の中の願いや意志のせいで

うまくいかないことにぶつかった時は、

「こういう風にしたい!」という願いや意志自体を帳消しにして、

従来のやり方に従うばかりでは、子どもが頭を使う範囲が狭くなってしまう

と感じています。

 

大人があるねらいで作ってあげたもので子どもが突拍子のない遊び方をした時、

今度は、その突拍子のなさを活かしつつ、最初のねらいを実現する方法を

いっしょに考えてあげると、子どもは考える作業に主体的に参加するように

なっていきます。

 

そんなふうに接していると、子どもの中に生じたいたずら心もこうやりたいという

欲望も、まだ答えのない未知の答えを探しにアイデアを練っていく動機になります。

 

同じ日にこんなことがありました。

2歳のBくんに上の穴からビー玉を入れて、横から差し込んだ棒を引き抜くと

ビー玉が落ちて行くというおもちゃを作ってあげました。

 

が、Bくんはビ-玉が落ちていくことには関心がなく

ビー玉を入れる穴にブロックの棒を差し込みたがっていました。

 

その後、わたしがひもを使って押したブロックがピョコンと飛び出すしかけや

ゴムを使ったおもちゃの作り方などを紹介していると、

Bくんのお父さんが、それらを改良してこんな面白いおもちゃを作っていました。

 

真ん中のボタン(出っ張っているブロック)を押すと、「へぇ~ボタン」のように、

心地よくポンポン押すとへっこんでは元に戻るのです。

 

ボタンの下に輪ゴムがしかけてあります。

 

ブロック講座で仕入れたアイデアを下地にして、

Bくんの「上部の穴から押しこみたい」という思いを大事にして

あげている面白い作品だな、と感心しました。

 

 

 

年中の自閉っ子のAくんとブロックで駅を作って遊びました。

Aくんはおしゃべりをするのは得意ですが、

「こういうものを作ろう」とイメージしてそれを実行に移していく作業は苦手です。

Aくんとブロック遊びをする時は、

「作業がわかりやすく見通しが立ちやすいこと」

「Aくんのおしゃべりややり取りを作品に盛り込めるように支援すること」の

ふたつを大事にしています。

たとえば、トンネルに屋根をつけていくことは、作業がわかりやすいし、

次に何をしたらいいのか迷わずにすむ作業です。

 

動く歩道。

Aくんが電車で遊びだすと、電車を駅まで滑らせては、

「○○駅に○○特急が到着します」というアナウンスを繰り返すことだけに終始しがちです。

再現遊びの段階からなかなか発展しないのです。

でも、Aくんが、「○○駅に○○特急が到着します」と言うのに、

「○○特急が到着するのね。急がないと乗り遅れちゃう。

急いで駅のホームに行かなくちゃ」と言いながら、動く歩道を動かす真似をすると、

Aくんはこの流れを気に入って、動く歩道を動かして遊び出しました。

これが人形だけを動かして、「早く行かなくちゃ」とするのは、嫌がるのですが……。

 

簡易エレベーター。

 


バブーちゃん1414

2021-03-24 23:34:45 | 通常レッスン

1年生のAくんが、孫の★くん用に作っていたトンネルに興味を持ち、

「これ使って、なんか作りたいな。でも赤ちゃん用だからダメだよね」と

言いました。

「空き箱で作ってるおもちゃだし、好きなように変えていいよ」と言うと、

『バブーちゃん1414』という作品に作り替えてくれました。

(といってもトンネルの状態に簡単に戻して遊べます)

 

チェーンを引くと、危険生物を入れておく牢の戸が閉まり、

チェーンを緩めると、開くしかけです。

中には、『バブーちゃん1414』という棘のある危険な生き物が

入っています。

 

 

 


遊び心があふれ出す

2021-03-22 09:43:30 | 通常レッスン

小学2年生の子達のレッスンで。

一緒に来ていた4歳の弟君に触発されて、みんなで恐竜の世界をブロックで

作ろうということになりました。コロナの感染予防から、

共同制作はできるだけ避けていたのですが、マスクをして、

密にならないよう気をつけながらも、和気あいあいと協力しあって作るうちに、

みな生き生きした笑顔になっていました。

水を表現するために、フエルトを細くしてくねらせ、波を表現していました。

次の瞬間には壊してしまうもののために、全力投球できるのは

子どもならでは。

ブロックで白波が立っているところや、ハッとするほど大きな木が作られていました。

夢中になって遊ぶと心が洗われるようです。みんなスッキリした顔で

学習にもしっかり集中していました。

<おまけ>

別のグループでもこんな遊び心あふれる作品作りに

熱中する姿がありました。

 


これからもう少しこまめにブログを更新していきます♪

2021-03-19 22:12:19 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

長い間、お休みしてしまいすいません。

今月末、児童文学の公募の締め切りがあり、

先日、原稿用紙300枚を超える長い物語を書き終え、ポストに投函してきました。ほっと一息。

とにかくこれを出し終えるまでは‥‥‥と、

教室のレッスンと孫の★くんの子守り以外は、いろんなことを後回しにしていて、

ブログの記事の更新とオンライン教材のおまけブログを充実させたい、

という思いが、ずっと心に引っかかっていました。


これからは、できるだけ記事を書いていこうと思います。

教室の様子は、近いうちに記事にすることにして、

今日は、孫の★くんとの遊びの様子を。

去年の春に生まれた★くんは、今月、11ヶ月になりました。

好奇心が旺盛で絵本が大好きな明るい気質の男の子です。

どんなおもちゃより私が作った工作物をよろこんでくれるのが、

うれしいところです。

その時々で★くんが興味を持った遊びがたっぷり満喫できるようなものを作って、

一緒に過ごしています。

上の写真は、IKEAのファスナー付きの入れ物を

ボールプール代わりにして遊んでいるところです。

遊び終わったら、ファスナーを閉めて、立て掛けてしまえるので、便利です。

ボールを転がすためのスロープを作ると遊びが広がりました。

まだ何でも口に入れる時期なので、

手作りの工作物で怪我や誤飲がないよう

細心の注意を払っています。

たくさんヨーグルトの空き容器をいただいたので、

段ボール箱に容器の底のサイズの穴を開けて、

空き容器を差し込んでいます。ボールが転がっていくと、

自然にこの容器に入っていく仕組みです。

(容器の中に小物を入れたり、穴の開いた容器を

いくつか差し込んでやりとりができるように

もしています。)

スロープにヒモをつけた箱を引っ掛けて、エレベーターにしています。

★くん、どんどん高くしていくと、ボールを入れようと立ち上がり、背伸びして

いました。

自分でも引っ張ってみてうれしそうです。

段ボール箱と細長い箱があったので、トンネルやボールを入れて

遊ぶおもちゃを作ってあげました。

段ボールと細長い箱で作ったトンネルの一部をガムテープで引っ付けて

いるので、コンパクトに畳んだり、いろんな形に広げたりして

遊べます。

★くんは、いろんな角度からものを覗いたり、ボールを入れて、どこに

行ったのか確かめたりするのが好きなので、窓をたくさんつけています。

上の穴は反対側の穴とつながっているので、車の

おもちゃを滑らせたり、いないないばあ

遊びをして遊んでいます。

下にある穴にボールを入れると、

別のところから出てくる仕掛けにしています。