虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

女の子の友だち関係が難しい~

2022-05-14 16:26:28 | 3、4歳児

女の子たちがグループで遊ぶ姿を観察していると、年少さんの時点で、(男の子なら年長さん……)友だちの輪に入って仲良く遊ぼうと思うと、かなり高い人間関係的知能が必要です。
よく言う「空気が読めて」いるかいないかで、仲間はずれにされたり、女の子集団によるいじめを受けたりする姿を見かけるのです。

だから女の子は、年少さんまでに人間関係的知能を高めておかなきゃダメ、環境を状況判断できる力が必要というわけではないのです。
それが苦手な子がいるのはもちろんですし、そうしたことが苦手な子は、別の部分で非常に優れたところがある場合がよくありますから、「個性」の問題で、優劣とは何ら関係がありません。

けれど、困るのは、お友だちの輪に入れない「本人の悲しさ」や「自己否定感」です。

それと重要なのは、その場をおさめる目的だけの親や先生の介入やアドバイスの言葉を信じ込んで、友だちに高圧的な態度で接して、よけいに仲間はずれになったり、本人が嫌な経験をした後にくだした間違った人間関係の解釈が、成長してからもうまく友だちと遊べなかったり、自分の良い部分を発揮できない原因になったりすることです。

年少さんの女の子の★ちゃんは、集中力が高く、知能テストのような問題や図形パズルや数の教具を好むかわいらしい女の子です。
力も強く、手先が器用で、はさみを使って次々工作をしたり、おりがみやお絵かきに熱中するといくらでもやっています。
それが、大人と子どもの関係だけだと素晴らしい★ちゃんの個性は、同年の女の子グループでは、仲間はずれになる原因を生みやすいのです。

まだ年少さんですから、嫉妬といった複雑な心理が働いているわけでなく、単純に★ちゃんが教具に夢中になっているうちに子ども同士の遊びが次々新しく展開していて、「入れて~」というときには、「もう、お母さんも赤ちゃんも決まってるから無理~」と言われてしまうことの繰り返しです。
そこで、本人が「好きなこと(知的な課題)をしたら罰のように、お友だちに嫌われる~」と思い込む場合もあります。

★ちゃんが「人と仲良くする方法」として知っているレパートリーは、

何か上手にできたら、お母さんは一生懸命関わってくれる、お勉強ができると、自分のことを好きになってくれる……

というものなので、お友だちにもいろいろ教えてあげたり、上手にできるところを見せるのですが、逆効果で、それが原因で遊んでもらえなくなるときもしばしばありました。

今、反抗期、真っ只中の年少さんグループ。
「私が、このパズルしてみる?」とたずねると、「いや~」「やらな~い」「面白くない~」と、とにかく反対してみるのが楽しくてたまらない様子で、そう言いながらお友達同士「ね~」「ね~」と結束を強めています。

★ちゃんは、どのように振舞ったら、お友だちと仲良くできるのかつかみかねていて、お友達が悪ぶってふざけていると、危ない物を投げるとか、私の頭をたたくなど悪ふざけをエスカレートさせ、他のお友だちが今度は呆れて、★ちゃんを避けてしまうほど暴れてしまいます。
それがうまくいかないとみると、好きでたまらない教具も、お友だちといっしょになって、「面白くな~い、やりたくな~い」の大合唱に加わって拒絶することで仲間に入れてもらおうとします。

こんなときに、大人が「正しい」「正しくない」を押し付けて上から介入して問題を解決してしまうと、★ちゃんのお友だちと親しくしていく能力の成長を阻んでしまったり、見えないいじめの原因を作ってしまうことがあります。

グループで遊ぶ姿を見ていると、お友だちにちょっと出遅れると★ちゃんはたちまち自信なさそうに立ちすくんでいます。
何をすればお友だちに気に入ってもらえるのかと途方にくれている様子です。

幼稚園に通い始めた★ちゃんが、お友だちとうまくいっていないことを感じた★ちゃんのお母さんから、「今まで、この子を甘やかしすぎたんじゃないでしょうか?」と相談を受けたことがあります。

その時期、★ちゃんのお母さんは★ちゃんの欠点にばかり目がいっているように見えました。
★ちゃんは力が強くてがんばりやな一方で、加減がわかりにくく、物の取り合いになると強く引っ張りすぎたり、言い張るとしつこくなったりする面があります。

といって、激しくダダをこねるわけでも、お友だちにいじわるするわけでもありません。
この年齢の子ならあたり前に持っている弱い一面を、普通程度に持っているだけなのです。

それでも、★ちゃんがお友だちの輪に入りにくい現実を目にすると、いてもたってもいられない★ちゃんのお母さんは、★ちゃんがちょっと乱暴におもちゃを扱ったり、お友達に対して自己主張するだけでも、厳しく★ちゃんの悪い点を指摘して直させようとしていました。

たびたび注意を受ける上、実際にお友だちとうまく遊べないストレスが重なって、★ちゃんは自分の一挙一動に自信が持てなくなっていました。

それまでちょっと動きが粗雑だったとはいえ、自信に満ちた様子で自分のやりたいことをしていた★ちゃんが、グループレッスンでも私の表情をうかがいながらでないと何かはじめられなくなったり、お友だちにちょっと邪険に扱われると自傷行為に近い行動を取ったり、お友だちに迎合しすぎて暴れたり、好きなものも「嫌い!」と主張したりしてがまんしたり……と、緊張してぎくしゃくしているのです。

そんな★ちゃんの不安気な表情を見て、他人の心を読むことにたけている☆ちゃんは、わざと「遊べない」と言って、★ちゃんが仲間に入れてもらいたがってじりじりする姿を楽しんでいます。

といって、☆ちゃんはまだ3歳。けっして意地悪な子でもなんでもないのです。
お菓子を持っているときも、「先生にもわけてあげるね。~にも、~にも」と言ったり、次々新しい遊びを作り出して配役を決めたり……と、人と人との関係を作ったり、相手の心の動きに気づいたりする能力が高いだけなのです。
☆ちゃんの言葉にいちいち動揺する★ちゃんの姿が面白くて、悪気なく「入れてあげない」発言が続いているのです。

問題は「☆ちゃんが始める遊び」に入れてもらえないと「遊べない」と思いこんでいる★ちゃんの方にもあるのです。

そこで私が少しフォローして、★ちゃんが思いつく楽しい遊びに、他の子を誘ってみるという状況を作ると、「私も入れて!」と☆ちゃんも、他の子も★ちゃんと遊びたがりました。

また、★ちゃんはつい自分の今していることに熱中しすぎて他の子たちの動きに気づいていないことが多いので、時折、「みんな何をしているかな?」「お店やさんに来てよ~と言っているときに、遊びに行ったらいっしょに遊べるよ」とちょっとしたアドバイスをしながら、具体的にうまく遊べた経験を積ませました。
そして、「楽しく遊べたね」「いっしょに遊べたね」と、自信につながる実感が残るようにつとめました。

お父さんがお迎えにくると、★ちゃんは、呼ばれてもグループの活動には参加せずに、赤ちゃん返りしたように、おとうさんに甘えてぐずぐず言ったり、「帰りたい」と騒いだりしました。
★ちゃんはこれまで、反抗期らしいものはなく、こうした形で、お父さんに甘えたり、活動を拒否することは一度もなかったことなのです。

★ちゃんのご両親に、「いろいろストレスが多い時期で、エネルギーを充電する必要があるので、まず受け入れてあげてください」とお願いしているので、★ちゃんのお父さんは、ワガママに見える姿も叱らず受け入れていました。

すると、「帰る~」と騒いでいた★ちゃんが、お友だちの中に戻り、カゴから人形を出しながら大きな声で数える遊びを始めました。
すると、お友だちも同調して、笑いながら★ちゃんの真似をし始めました。
★ちゃんはもともとちょっとお勉強チックな活動が好きなのですが、これまでお友だちといっしょのときは、それを控えていました。
が、自分の自信を取り戻した★ちゃんは、私の手を借りずに自分の得意なことにお友だちを誘ってみたのです。
するとみんな喜んで参加してくれました。

自信がなくなったときや、ストレスが高まったとき、子どもはちょっと赤ちゃん返りをしてそれを受け入れてもらうと、また果敢に現実の世界に飛び込んでいきます。

いろいろと失敗しつつも、自分の感情と、判断に自信が持てるようになると、自分の喜びや良いところを犠牲にしない形でお友だちと仲良くしていく方法を微調節しながら創り出していきます。

急いで解決しようとして、「あんな意地悪な子と遊ばなくて良いよ」と言ったり、「遊んであげなさい」と強制したり、「あなたの~が悪いから遊んでもらえないのよ」と脅したりするのは逆効果。
子どもの心に耳を傾けて、「遊びたい」という思いがあるなら、子どものチャレンジをその都度少しだけ支援してあげ、うまくいかない時の悲しみを十分受け入れてあげていると、いつの間にか上手に友だちの輪に溶け込んでいるはずです。

★ちゃんのことから少し離れて、(★ちゃんの親御さんは早期教育にそれほど熱心なわけではなく、本人が知的な活動を好む子なだけなのですが)これから早期教育が子どもたちの遊びに落としている影について……ちょっと気になっていることを書きたいと思います。

早期教育をしたから、集団になじみにくくなるとか、仲間はずれにされる原因になるとか……そんな単純なことではないのです。

ただ3歳くらいまでの親子関係で、子どもが何気なく遊んでいるときに比べて知的な興味をしめしたときや、何かできるようになったときだけ褒めたり、かまったり、愛情をかけられたりすることが多かった子は、そうでない子より自然に遊びを楽しむことが難しく、自意識過剰になりがちで、お友だちが興味がないかもしれない働きかけを繰り返してしまうのをよく見かけます。

お友だちに気に入られたい思いは人一倍強いのに、お友だちからは自慢に見えたり、「うるさく何か教えられる」と誤解されるような行動を取りがちなのです。

それまで親御さんとの関係で成功してきた人間関係をお友だちとの間でも再現しようとするのです。

お母さんから、さまざまな知的な説明を受け続けてきた子は、お友だちの話を聞かずに、一方的に説明ばかりして避けられてしまうこともあります。

子どもにさまざまな体験をさせ、知的な刺激を与えつつも、そうした問題を避けることはできます。

子どもに知的な過剰な期待をかけないこと、さまざまな面でバランス良く接すること(何でもやりすぎはよくありません)、一歩通行にならないコミュニケーションを心がけることです。

ただ、早期教育をしていても、人間関係的知能が高い子はたくさんいますし、お友だちと遊ぶのが苦手だから、それまでの接し方が悪かったということではありません。

子どもは個性的で、さまざまです。
それに、どの問題も成長の一時期のことです。

子どもの教育について急いていると、子どもが友だちとうまく遊べない方が親には好都合という場合もあります。
たくさんプリント学習をさせたり、習い事で上位を目指すとき、お友だちとの関係で挫折して、子どもが親しか頼れない状態にある方がすばらしい成果をあげることができたりするのです。

『いま、こころの育ちが危ない』吉川 武彦(毎日新聞社)には、親と子の二重結合の問題が取り上げられています。

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(簡単に要約します)
同年どうしの関係に、無理やり飛び込まされる子たちは、そこでの争いに負けたり緊張を維持しきれなくてストレス状態になると、発達を後戻りして親との関係に戻ってしまいます。
後戻りしてきて結ばれた親子関係を二重結合とも言いますが、一見すると優しさにあふれた親子のようで、しっかり見ると自立を妨げている共依存の関係に陥っている親子でもあるのです。
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幼児がちょっと赤ちゃん返りすることは、この二重結合とは異なりますが、子どもがお友だちと遊ぶことに挫折したのを良いことに、親と子、二人三脚で勉強や音楽の世界での成果を追い続けるようなときは、こうした危険もありうると思います。

こうしたことからも、子どもは親が操作して「作っていく」ものではなくて、子ども自らの育ちを、チャレンジには少し手をそえ、励まして、失敗したら、受け入れて、再チャレンジへのエネルギーをチャージしてあげることを繰り返すことが大事なのだと思います。

 

<友だち関係の記事>

お友達と遊ぶときのしつけにちょっと注意♪

2~4歳児のけんか どのように対応したらいいでしょう?1

2~4歳児のけんか どのように対応したらいいでしょう?2


年少さんのレッスンから

2021-11-26 08:10:51 | 3、4歳児

年少のAちゃんのレッスンの様子です。

この頃、Aちゃんは工作が楽しくてたまらないらしく、お家でもしょっちゅう紙を細かく切り刻んでは貼り付けて何か作っているそうです。

この日、教室では食器類などを梱包するクッションシートを丸めてイカを作っていました。

足の切り込みを入れ、顔を描いてできあがり。

できあがったイカで簡単な操り人形を作る方法を教えてあげると、とても喜んでいました。

<子供の作品を操り人形にする方法>

写真を撮りそびれたので、後からAちゃんの作っていたイカと同じ作り方の人形を再現して作ってみました。

①コピー用紙(新聞紙や画用紙でも0K)を巻いて棒を作ります。

縦、横どちらの巻き方でも作って、長い棒と短い棒を作ります。

紙を巻いて棒を作ると、転んでも危なくない棒ができるので安心です。

②長さの違う棒を十字にしてセロテープでとめます。

十字の中央にひもをテープでつけて、ひものもう一方を人形の頭の上にテープでつけます。

③動かしたい手の先にひもをつけます。

ひもは初め、長めに切っておいて、十字の棒を傾けると手が上がったり下がったりする長さに調整して、長い横棒の端につけます。

トコトコ歩いたり、手を振ったり、あいさつしたりします。

紙箱で作った動物なども、同じ作り方で簡単に操り人形にできます。

 

下の写真はAちゃんのブロック作品です。

ゴミ収集車に輪ゴムで動物や車を乗せて縛るのはAちゃんのアイデア。となりのトトロの映画に出てくるお引越しのシーンをまねたそうです。

入口のそばのブロックを指差して、「ここに動物園って書いてあるのよ」と教えてくれました。

 

Aちゃんと『レシピ』 というカードゲームで遊びました。足りない食材を正確に把握して、一つもミスなく集めることができていました。

 

 

ハンバーガーを作るゲームもしました。

このゲームは100円ショップ(ダイソー)で売られているものなのですが、本来のルールが幼い子に遊びにくい部分があったので、簡単なルールに変えて遊びました。

<変更したルール>

自分の番にハンバーガーを2枚づつめくり、自分が持っていない具材なら加える。持っている具材でも2枚までは、ハンバーガーのパンとして使用できる。

加えることができない具材をめくった場合、元のように伏せて次の人と順番を変わる。

ハンバーガーを完成した人が勝ち。

 

Aちゃんは同じ具材の絵をめくると、パンの数を確認して、「これはパンのところにするから大丈夫」と言っていました。複雑なルールをよく理解しています。

 

Aちゃんのお姉ちゃん達が遊んでいる『アルゴ』で遊びたいというAちゃん。

まだ『アルゴ』の本来のルールで遊ぶのは難しいので、カードの数を減らして、ルールを易しくし、目で見える形にして遊ぶことにしました。

 

<変更したルール>

「同じ数同士しなら白いカードの数の方を数が大きい側に置く。」というルールを目で見てわかるように絵にしています。

本来のカードは白も黒も0〜11までありますが、

1〜4だけを使っています。

最初から全て配って相手のカードを当てるルールにしています。

小さい丸の側がより小さい数。大きい丸の側がより大きい数です。

 

↑の遊び方はAちゃんにはまだ少しだけ難しかったので、さらに簡単なルールで遊びました。

 

⭐️Aちゃんが楽しんで遊べた簡単なアルゴのルール

大人と二人で、遊びます。

1〜6までの黒いカードを使います。

3枚ずつ全て配ります。

子供のカードは表を向けておきます。

下の写真では、Aちゃんが、「お母さん、絶対、私のカードを見ないでね」と言ってブロックで囲いを作っています。

Aちゃんは、自分の手持ちのカード(表向き)を見ながら、お母さんの裏向きのカードを当てていきます。

「自分のカードにない数字がお母さんのところにあって、小さい順に並んでいる」ということは、Aちゃんにとって難しい課題です。でも、手助けしてもらいながら遊ぶと十分わかるし、楽しめるレベルでした。

 

50のチップ1枚と10のチップ5枚を交換する遊びをしています。

 100より大きな数を目で確認しています。算数の学習も楽しめました。

 


年少さんの一生懸命

2020-03-24 21:37:09 | 3、4歳児

年少のAちゃんは紙を切るのが大好きです。

「ちょきちょき切る。ぺたっと貼る。」

その2作業でできるリュックサックの作り方を教えると、

自分のリュックに詰めて連れてきたお人形たちに

ひとつひとつリュックサックを作ってあげていました。

Aちゃんの興味は、大きい人形には大きなリュック、

中くらいの人形には中くらいのリュック、

小さい人形には小さいリュックを背負わせることでした。

お人形たちはコロナが流行しているので

みんなティッシュで作ったマスクをしています。

 

Aちゃんのレッスンについてきていたもうすぐ小学生になるお姉ちゃんが

かけ算の意味がわかる手動機械 を改良して、

回転寿司バージョンのかけ算機械を作っていたのですが、

Aちゃんも楽しそうにそれで遊んでいました。

回転ずしに乗せるお寿司は、

「お寿司屋さん」というグミの

お菓子の空き容器に粘土を詰めて、

型を抜いて作りました。

グミの空き容器は洗っておくとこうした粘土の型として使えるので

役立ちます。


3歳児さん 4歳児さんのレッスンで。 学び方、考え方の個性のいろいろ 2

2019-10-16 14:01:11 | 3、4歳児

このグループのBちゃんは、新しいことを考えるのが得意な立案型の子で、

創造、発明的な考え方や表現の仕方を好みます。

グループでする活動には自分から「やりたい」と思ったことには進んで参加するけれど

やりたくないことはしようとしないところがあります。

とはいえ、「こういうことはやりたくない、嫌い」という苦手があるわけではなく、

教室に来るたびに興味の幅を広げていて、

最初は不得意だったことも、どんどん大好きで得意なことに変えていく姿が

あります。もともと、工作が何より好きな子だったのですが、

最近は、ボードゲームや頭脳パズルがブームです。

Bちゃんに関わる上で大事なのは、Bちゃんのアイデアを実現すること、考えを言葉にさせることなどを

あと回しにしないようにすることだと感じています。

Bちゃんにとって自分発の発信で何かすることが、モチベーションの土台になっている

からです。

Bちゃんの創造力と想像力が存分に発揮できるようにしていると、

Bちゃんは急にすっきりした表情になって、

以前できなかったことに自分から取り組みたがり、集中して最後までやりとげようとします。

 

Cちゃんは批判的に考える評価型と決まった手順に従う順守型という

真反対のあり型が半分ずつまざったような思考スタイルの子です。

日常の日常の知恵が働く実際的な考え方をする子でもあります。

何か始める時、はじめは参加したがらないかしぶしぶ参加しているのだけれど、

目標がはっきりしたり、結果を出せそうな道筋が見えてきたりすると、

がぜんやる気になります。

外から見るとやる気がないように見える間も

実際は一番成果が出せるようなタイミングをうかがっているよう

なところがあります。

以前、Cちゃんのお母さんに、「Cちゃんの力を引き出すには、

身近なお母さんがコーチングの技術を身につけたらいいのかも」と言うと、

「コーチングですか?」と何の話かピンときていないような様子でした。

コーチングとは、相手の能力や可能性を最大限に引き出し、目標達成を

支援するコミュニケーションスキルのことです。

Cちゃんという子は、

目標がはっきりし、結果を出すためにがんばりだすと

力がどんどん湧いてくる子なので、

お母さんがコーチング技術を少しでも学ぶようにすると

伸びていくのだろうと感じたのです。

親がコーチング技術を知っておくことは、どの子にとってもよいでしょうが、

子どもの思考スタイルによっては、目標に向かって努力するよりも、

好奇心を満たして学んでいる内容に愛着を抱くことや、

自分の考えを創造的に表現することの方が重要な子らもいるので、

取り入れる際は、子どもの姿をよく観察することが大事だと思っています。

 

 

 

 


3歳児さん、4歳児さん。数の世界への興味の広がり。

2019-09-13 10:00:14 | 3、4歳児

4歳のAちゃんとBくんのレッスンで。レッスン中に、私が、「10より1少ない数がいくつかな?」とたずねると、

「9!」というAちゃんに対して、Bくんは、「じゃあ、50より1少ないのは?じゃあ~」と自分の知っている

大きな数を口にして得意満面の顔をしていました。

「それなら、50より1少ない数がいくつか、ハムスターを並べて数えてみようか?」と

たずねると、よくわからない大きな数に興味津々のAちゃんが、

「私がやりたい」と申し出ました。

そして、「1,2,3,4~」とこつこつをハムスターを置いていきました。

数に対する関心が高まっているためか、

50ぴきのハムスターを置くまで熱心に作業ができました。

50までいったところで、「50ひく1は49」「49ひく1は48」「48ひく1は47」と

言いながら、ハムスターを1ぴきずつへらしていく作業も楽しかったです。

 

下の写真は、同じAちゃんが3歳の友達とたし算をしているところです。

「3+1はいくつかな?」と考えています。

ふたりとも、「たす」ということが、ぼんやりわかってきたところです。

 

Aちゃんは、10の合成がわかりはじめています。

トレイの空いている穴を見ながら、あといくつで10になるか

当てています。

実際にハムスターを合わせてみて、きちんと10になると

とてもうれしそうです。

楽しめるゲームが増えてきました。

自分でストーリーを作って絵カードを記憶するゲームをしています。

(枚数を少し減らして遊んでいます。)AくんもBくんも

全問正解でとてもうれしそうでした。


子どものやる気がない時、おふざけがすぎる時、乱暴な時 2

2019-06-22 17:30:45 | 3、4歳児

 前回の続きです。

この日、Cちゃんは普段なら率先してやりたがる工作に

力が入っていませんでした。

クレパスを紙に塗って、水玉を移動させる遊びをしている最中も、

いつもならストローで水玉を移動させたり、水玉同士が合体したり、

風を送る道具で水玉を動かしたりする作業に夢中になるであろうCちゃんが

遠くから眺めているような心ここにあらずの参加の仕方でした。

 何に誘っても気乗りしない様子で、レッスンの時間が半ばすぎた頃、

Cちゃんが、「なおみ先生!パパとママがCちゃんのお工作

ぜーんぶ、ぜんぶ捨てちゃったんだよ」と不満げに言いました。

Cちゃんのお母さんの話では、Cちゃんの創作物がたまりにたまって

部屋が散らかっていたので、「これはいくらなんでもひどいから」とCちゃんが寝ている間に

夫婦でそっと捨てておいたそうなのです。この半年ほどのCちゃんは、目につくものを手あたり次第、切ったり貼ったり

したり、絵を描きこんだりして、工作に明け暮れていました。それこそ毎日毎日、両手に抱えきれないほどの

創作物をこしらえていましたから、それを全部、捨てずにおいておくなど

考えられないことです。

捨てるのは当然、仕方のなかったことでしょう。

「Cちゃん、工作で作ったものをぜーんぶぜーんぶおいていたら、部屋の中が

それでいっぱいになって、散らかり放題になっちゃうよ。ものだらけで

遊んだり、歩いてまわったりできなくなっちゃう。

作ったものを写真に撮って、時々、さよならしようよ」と言うと、

Cちゃんがすかさず、「でもね、大きな箱に入れておけばいいの。捨てるのはだめなのよ」と

言いました。

それからも、私がCちゃんを説得しようとするたび、Cちゃんが真剣な表情で、

工作物は捨てたらだめだということと捨てなくてもいい方法があると

さまざまな言葉で訴えてきました。

「Cちゃん、今回のことでかなり傷ついているようですね。

工作物は捨てないわけにはいきませんが、捨てる時のCちゃんの心の痛みに向き合いながら

捨てる方法を探っていくのが大事でしょうね」とCちゃんのお母さんにお伝えすると、

Cちゃんのお母さんも、「こんなにCが傷ついているとは今まで気づきませんでした。

そういえば、あんなに毎日、大量に工作していた子があれ以来、1回も工作してないです。

捨てなくてはならなかったとしても、作ったCへの敬意とか、

Cのつらい気持ちへの配慮などが足りなかったと思います」と反省しておられました。

他の教室の子らも、大の工作好きの子が、

親御さんが工作物を捨てたことをきっかけに、

「どうせ、作っても捨てるし、工作したくない」と言って、

1年近くものを作ろうとしなかったこともありました。

 こうした時の対応をネットで検索すると、

「写真に撮って残しておいたらいい」とさらっと書いてあるのですが、

それは、「子どもの思い出をきれいな形で残しておきたい」という大人側の満足いく

解決法で、子どもにすれば、納得できない場合も多いのです。

Cちゃんは工作自体も好きですが、作ったものについて解説するのも大好きです。

他の人から見たら丸いものをひっつけただけに見えるところも、「ここはのぞくと遠くまで見ることができるところで、

ここをこうやって広げると、玉が飛び出すの」「これはカメラで、これは字が書ける機械」いった説明がつらつら飛び出して、

Cちゃんにすると、さまざまな思いがあるようなのです。

 

この日、Cちゃんは、どの活動にも熱のこもらない参加の仕方だったのですが、

転機となったこんな場面がありました。

Cちゃんはドールハウスのはしごの周りに積み木で囲ってはしごを立たせようとしていました。

となりにはブロックのお家の壁を置いていました。

はしごは二階の床に引っ掛けて立たせるタイプのものですし、

はしごを囲った積み木は簡単に動くので、何度、立たせようとしてもうまくいきませんでした。

本来、こだわりが強くなくて柔軟に気持ちを切り替えるCちゃんですが、

この日は工作を捨てられたことでかたくなになっていたためか、

癇癪を起しそうになりながらはしごを立てようとしていました。

「こうやって、積み木を周りにおいたら、こういう風に立つんだよ!」と

自分の説を主張するものの、積み木が勝手に動くので腹が立ってたまらないようでした。

「Cちゃん、後ではずすことができるマスキングテープで積み木やはしごを床に貼っておいてもいいよ」

と言うと、「でもね、こうやってはしごの周りをするの!」と自分のアイデアを繰り返しました。

「それなら積み木じゃなくてブロックなら、動かないようにブロックとブロックをひっつけてことができるかもね」

と言うと納得して、長めのブロックではしごを囲いました。

すると、カチッとブロックの端と端がかみあって、はしごはきちんと立ちました。

そのとたん、Cちゃんの顔にいきいきしたいつもの元気が戻ってきました。

 

それから少し経ったとき、AちゃんとCちゃんが

何かを取りあってケンカし始めました。

見ると、小学生の女の子が作って贈ってくれた

「なおみせんせい、ありがとう」というメッセージカードでした。

最初に手にしたAちゃんがカードを手放そうとしなかったので、Cちゃんを呼んで、

「Cちゃん!ちょっとの間、教室のお友だちが作った本を貸してあげようか?

本屋さんになる?」とたずねると、手描きの絵と文字を目にした

Cちゃんの表情がみるみる輝きました。

「これも!これも!」と満面の笑みで、

手作り本を抱えていました。

 

 

 

AちゃんもCちゃんも既製品のおもちゃやテレビで宣伝しているような

できあがったものでなく

自分たちが手でこしらえたものに魅力を感じ、想像力でおぎなって

遊んだり作ったりすることを心から楽しめる子に育っているのです。

 

工作は作る時も作った後も、部屋が散らかる大変さと隣り合わせです。でも、

そんなことは気にならなくなるほど多くの恩恵も与えてくれると感じた出来事が

先日ありました。

幼児~小学3年生の子どもたちといっしょに『しろあと歴史館』に

行ったときのことです。

ぐるっと見て回るだけなら数分で見終わるような展示物が少ない小さな地味な施設でした。

入り口付近に大名行列の様子を再現したジオラマがあったので、

「教室の人形たちに小道具を持たせて、こんなの作りたいねぇ」と言うと、

子どもたちは目をきらきらさせて、「あれ、作れそう!」「あんなの作りたいなぁ」

「今すぐ作りたい!早く、教室で工作したい」「昔のかごが面白い」

「木も作ろうよ」「団子屋さんの屋根は何で作ればいいのかな?」と大盛り上がりでした。

派手な催しものや展示物がなくても

自分たちの想像力を使って、どんなものからも楽しさやおもしろさをいっぱい

引き出すことができるのです。

私が、こんな小冊子を400円で購入していたのをちらっと目にした男の子が、

「先生がすごく面白そうな本を買ってた!3000円もしてたけど、ほしいほしい」と

お母さんに告げに行き、みなどんな本かと大騒ぎしていました。

3000円は別の本の値段の見間違いで400円だったと知り、みんなほっとしていました。

どんな本なのか中を見たとたん、どの子もすごくほしくなったようなのです。

 それで、帰りはこの本を見ながら『まちかど遺産』を探して、

全員、どんな遊技場に行くよりも楽しそうに帰宅していました。

 

Cちゃんの後日談。

Cちゃんはお母さんに「工作で作ったものをすてないで」という長いお手紙を

書いてきたそうです。辛い気持ちも

創造的な方法で乗り越えていくCちゃんをたのもしく思いました。

 


子どものやる気がない時、おふざけがすぎる時、乱暴な時 1

2019-06-20 08:15:43 | 3、4歳児

3歳のAちゃん、Bくん、4歳になったばかりのCちゃんのレッスンでの出来事。

1年ほど前からレッスンに参加している3人さん。

教室に通い始めた当初は、おやつを食べたりただうろうろしたりする時間が多かったこの子たちも

 いつの間にか、工作やゲームや算数の活動にしっかり関わるようになってきました。

 

でも、時々、そんな好調子が大きく崩れる時があるんです。

だらだらとやる気がなかったり、いつまでもふざけていたり、お母さんやお父さんんを荒っぽく叩いたり。

そんな時、親御さんの頭には少し前までの「ちゃんと、しっかり」できていた姿が

残っていますから、(ちゃんとできるのに)という思いが先だって、

つい厳しい口調で注意することが増えがちです。

 

 

この日は、これまで午前のレッスンだったのが午後のおやつ時に変わったこともあって

3人とも、いつになく落ち着きがない様子でした。

Aちゃんはお友だちとふざけたりちょっかいを出しあったりして、

工作にもゲームにも乗り気でありませんでした。そんなAちゃんに

お母さんが注意すればするほど、Aちゃんのふざけもお友だちとのちょっかいの出しあいもひどくなって

いました。

 

そこで私はAちゃんのお母さんにこうお願いしました。

「しっかりがんばっている時のAちゃんを見ると、

それが当たり前の基準になってしまいがちですが、Aちゃんはもともと

やんちゃな性質ですし、集団での活動はできだしたばかりの幼い子です。

きちんとできている時は、それは『特別がんばっている時の姿』としてとらえて、

まず『普段のAちゃん……それほどがんばっていない時、リラックスしている時のAちゃん』を基準にして、

『がんばりすぎて、悪い方に針が触れてしまった時のAちゃん』と、

『しっかりしだしたAちゃん』との間に、行きつ戻りつしていい振れ幅を作ってください。」

 

Aちゃんのお母さんが了解して、ちょっとやりすぎに見えるAちゃんに対して

余裕を持って接しだすと、

Aちゃんはそれまで「やらない」というそぶりを見せていた

積み木を並べ始め、大きな枠を作りました。

 

 それは私が見せた見本より何倍も大きな枠でした。

途中で投げ出さずにどんどん大きな枠を作っていきました。

「Aちゃんっていつもすることがダイナミックですごいなぁ」と感心していると、

今度はやぐらを組み始め、どんどん高く積んでいきました。

Aちゃんの背を超えても、どんどん積んでいき、しまいには

椅子に乗って、作業を続けました。

こうした子どもの本気のがんばりは、がんばることを期待するばかりでは

決して生まれません。

子どもは自分から「がんばりたい」という意欲のスイッチが入った時に力を出し切って、

また普段の自分に戻ったり、頑張りすぎたら、ちょっと後戻りしたりもします。

そうした上がったり下がったりを繰り返しながら、少しずつ、「普段の自分」の基準が

上がっていくんです。

成長していく中でそうした自分の成長のリズムを感じ取って

自分で自分を高めていく力を身に着けてほしいと感じています。

 

次回に続きます。

 


子どもは自分から発信したことを熱心に探求していく 1

2019-05-17 08:12:56 | 3、4歳児

子どもって、どんなにおもしろそうな企画を準備しようと、どれほどすばらしい環境を

整えようと、自分発信で始めたものほど夢中にはならないものです。

それがどんなにささいなことでも、「えっ、それ?」と驚くようなものでも、

自分のアンテナに引っかかって、自分から外に発信したものに

最大の探求心を示します。

じっくり言葉を選んで考えていく姿があるし、

大人の話にもきちんと耳を傾けます。

そんな子どもたちの姿を

3歳6ヶ月のAくん、4歳0ヶ月のBちゃん、4歳1ヶ月のCちゃんのレッスンの様子から

お伝えしますね。

この日はレッスンの時間が午前から午後に切り替わった日で、

お家にいればおやつを食べている時間に教室に着きました。

そのためこれまでならレッスンの合間の休憩時間にたまにおやつを食べる程度のAくんが、

教室に着くなりおやつをほしがり、ラムネを手にして

ただぼんやりとおもちゃをいじって過ごしていました。

 

Aくんがギューッとにぎりしめている小さいラムネの袋を見て、

「今、このラムネはAくんにとって大事なものなんだろうな」と思ったので、

「お菓子はおしまい」と言って取り上げるかわりに、

「Aくん、てんびん作ってラムネをいれてみる?こっちが重いかな?あっちが重いかな?って」

とたずねました。するとAくんはお姉ちゃんの影響か「てんびん」を見たことがあるらしく

急に瞳をきらっとさせてうなずきました。

そこで紙コップに取っ手をつけて、「これを割りばしにひもでつらそうか?」と

たずねました。

するとAくんは、紙コップの取っ手をそのまま割りばしにかけて、

「ここのテープを貼るんだよ」と言いました。

思いもよらなかった斬新なアイデアにびっくり!

正確に量れるとはいえないけど、

これでも物を入れたらきっと傾くはず。

Aくんは自分で割りばしの両端に紙コップをかけてテープで貼りました。

棒の真ん中にひもをテープでつけてあげると、

さっそくAくんは真剣な表情でラムネを一方のコップに入れました。

すると、ひとつぶのラムネでちゃんと一方が下がりました。

Aくんは大はしゃぎ!

全身で喜びを表現していました。

反対のコップにラムネを入れると釣り合い、もうひとつそちらに入れると

今度は入れた側が下がりました。

Cちゃんも興味しんしんでお手伝い。

Aくんは自分の持ってきたラムネでてんびんが動いていることと

自分の考えた直接棒に取っ手をかける方法がうまくいったのが

とにかくうれしくてたまらないようで、

急に工作に積極的になりました。

紙コップにストローを貼って

水が通るところを作ったと説明しました。

そこで、穴をあけたコップをつないで

一方のコップに水を入れると、もうひとつのコップに水がたまっていくようにしました。

すると、何度も水を入れて熱心に観察してから、

「ここに入れたお水が、このストローをツーッといって、

それからこっちからお水がでてくるんだよ。」と

自信満々に説明していました。

(この1分工作の作り方、近いうちに写真に撮って紹介しますね。)

その後、Aくんは算数道具の棚から量りを取ってきて、

いろいろなものを乗せては、針がどううごくか観察していました。

 

この日、Cちゃんは何かの付録なのか紙でできた「ひみつのここたまのお家」を教室に

持ってきて他の子らに見せてあげていました。

Cちゃんがそれは一生懸命みんなに見せていたので、

そのお家の形を観察することをこの日の工作のテーマにしました。

「今日は、おうちの形の作り方を習うよ。

先生の説明を聞いて、同じようにできるかな?」と言うと、

「はい!」「はい!」とみんな大はりきり。

Bちゃんはお手本を見ていて、きちんと再現していました。

 

自分の持ってきた「秘密のここたま」のお家をみんなが作っている状況がうれしくて

たまらないCちゃんは、

「わたしの住んでいるマンションみたいに高い高いお家にしたい」と言いました。

「それならたくさんたくさんお家の形を作らないといけないよ。

みんな手伝ってあげて!」と言うと、

Aくん、Bちゃんと、Bちゃんのお兄ちゃんも手伝って

高い高いマンションができあがりました。

この通りです!

 

3歳になったばかりの頃は、ゲームの最中にうろうろしはじめることも多かった

このグループの子たちも、

いつの間にかルールを守って最後までゲームを楽しむようになってきました。

算数の時間にも、「3つずつくばる」「2つずつくばる」といった指示に従ったり、

「あといくつで10になるか」にきちんと答える姿がありました。

 


子どものおしゃべりと絵を絵本に

2019-04-13 21:57:15 | 3、4歳児

4歳になったばかりのAちゃんが教室に着くなり、

「今日、ママのかさがひっくりかえっちゃったの!」と

目を丸くして報告してくれました。

「どんな風にひっくりかえったの?」とたずねると、

身振りをまじえながら、

「きょうりゅうみたいにのびて、ぴょんってなったの!」と説明してくれました。

傘が裏返った様子が、

トリケラトプスのフリルやスピノサウルスの背中のでっぱりのように

見えたようです。子どものたとえは面白いなぁ、と思いました。

そこで、Aちゃんといっしょに絵本を作ることにしました。

くわしく傘がひっくり返った時のことをたずねると、

きちんと、いつ、どこでひっくりかえったのか、どんな様子だったのか、

ていねいにお話してくれました。

それをお母さんが文字にして、Aちゃんが絵を描いて

すてきな絵本ができました。

 

 

 

AちゃんといっしょにレッスンしているBちゃんはもうすぐ4歳です。

私が見せた工作手順をていねいに見ていて、上手に再現する様に

4歳になる子たちの姿を感じました。この時期の子たちは、じゃばらを折ったり、

簡単な折り紙の折り方を学んだり、セロテープをぺったんテープと

呼んでいるひっくり返して輪にした形にするなど、急に模倣のレベルが上がるのです。

小さいパーツを貼っていく作業が大好きなBちゃんは、

レストランで注文を取るための機械を作っていました。

 

この日、AちゃんとBちゃんが喜んで遊んでいたボードゲームです。

ゲームのあとで、ハムスターのフィギュアで算数を学びました。

数の増減の理解がずいぶん進んでいました。


「まんげ鏡が作りたい!」

2019-03-26 22:36:16 | 3、4歳児

3歳11か月のAちゃんが工作で作りたがるものは、たいていカメラとか望遠鏡といった

のぞくところやレンズがついているものです。

今回は教室に着くなり、「まんげ鏡が作りたい!」と

何度も言っていました。

そこで、Aちゃんのような幼い子でも

自分で作った満足が得られて、仕組みも理解しやすいように

材料を工夫してみました。

100円ショップの子どもの手のひらほどのサイズの鏡を3枚

貼り合わるだけで、あとはその三角の隙間にスパンコールなどを入れては

のぞきました。

そうしてたっぷり遊んだ後で、透明の平たい空き容器に

スパンコールなどを入れて、さらに万華鏡らしくしました。

Aちゃんはうれしくてたまらない様子で、何度も何度も自分の作ったまんげ鏡をのぞきこんでいました。

 

同じグループのBくんが、レイザーメイズという頭脳パズルで遊びたがりました。

もう少し年上の子向けのパズルなのですが、

ちょうど鏡でまんげ鏡を作った後だからか、

レーザーの行先が鏡に反射して曲がるしかけで

3人ともかなり熱心に遊んでいました。

 

下の写真は同じくAちゃんたち3歳児さんのゲーム風景です。

いつの間にか、3人ともルール通り同じ種類の玉がぶつかるように

先を予測して玉を取れるようになっていました。

みんな楽しそうに遊んでいました。