ひびレビ

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氷菓 第11話「愚者のエンドロール」

2012-07-03 06:04:55 | 2012年アニメ
氷菓 第11話「愚者のエンドロール」

と、いうことで愚者編終わり。犯人はいたとしても、そこに死体が出る予定なんて無かった。死人不在の、おそらくはハッピーエンドとなるであろうミステリーを本郷は描こうとしていたのでしょう。しかし誰一人としてそれに気づく事はできず、入須も本郷の脚本を良くは思っていなかったようで。失敗という結論を避けるために策を講じ、本郷を傷つけない形で映画を完成させた。本郷への思いやりもある一方で、本郷の案を却下するという自身にとって都合の良い展開にもしたてあげた。人使いの荒さというか、上手さが良くも悪くも光っていたような。
映画の撮影を楽しむか、結果を気にするか。本郷と入須先輩は、過程と結論、別の方向を見ていた気がします。

本郷は皆で映画を作ってばんざいしたかった。クラスメイトは映画を盛り上げようとアドリブをきかせた。入須先輩は失敗するわけにはいかずに策を講じた。奉太郎は自分に納得のいく推理を展開した。今回の映画は本郷からすれば本意ではなく、被害者のようにも思えましたが、あくまで本郷の立場に立つとそう見えるだけで、誰も彼も、自分に納得の行く形で終わらせようとしたのでしょうね。

今回は奉太郎も本郷の真意には気づく事が出来ず、自分に納得のいく推理を展開し、それが採用されました。摩耶花や里志に言われた時に弁解する奉太郎を見ていると、なまじ入須先輩から「技術がある」と言われたものだから、奉太郎も推理に自信を持っていたのだろうなと感じました。今までは推理する側だったのが、今度はその矛盾を突かれる側になった奉太郎。技術はあれども、今回はちょっと自分中心になってしまった感じがします。

入須の言葉が心からの言葉ではないと知り「安心」した奉太郎。奉太郎は何に安心したのでしょうか。これで二度と入須先輩の言葉を真に受けることは無いと安心したのか。自分の技術に自惚れずに、正しく自分を推し量る事が出来ると安心したのか。ただ、どんな推測は出来ても、奉太郎の真意は奉太郎にしか分からないでしょう。「奉太郎はこう考えてるに違いない」と言ったところで、それは自分が納得できる答えに過ぎないのかもしれません。それは悪くは無いですが、奉太郎の真意では無いでしょうね。

「人の亡くなる話は嫌い」と千反田、そして本郷。確かにミステリーやホラーだからといって、何も人が死ぬ事は無いでしょう。ドラマや映画を見ていても、そのシーンは確かに衝撃的に映ってしまいますし、視聴者を引き込むことも出来るのではないかと思います。ただ、それは必要ではないとも思います。人が死ななくても作品は描ける。本郷の書いた作品がどんなのだったのか、私、気になります。


次回からは文化祭。

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4 コメント

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奉太郎…ボコボコ(涙) (いけやん)
2012-07-04 01:28:50
まずは仲間達にボコボコにされてしまったホータロー(涙)
珍しくやる気を出したらこれだ。
確かに「それを聞いて安心しました」ってどういう意味なんでしょうねぇ。
自分にはやはり特別な能力なんてないことを思い知らされたから…なんて解釈しています。以前、里志との会話で自分は凡人だと自称した奉太郎を、里志はからかっていましたし。
(里志、冗談半分な態度を取っているように見えて、内心は奉太郎の能力に嫉妬していたのかも…?)
いずれにせよ、奉太郎の真意も不鮮明ですが、少なくとも彼は今回のことで愉快な気持ちにならなかったことは確かでしょうね。
古典部シリーズ独特の、ほろ苦い青春ストーリーでした。

入須は本当に策士ですねぇ。彼女も彼女なりに映画を成功させようと必死だったのでしょうけど、部外者であるはずの奉太郎を操って作品を創作させたというのはどうにも…。
それに、本郷の脚本も密かに握り潰したわけですからねぇ。シナリオライターを目指して勉強している私からすれば、自分の原作を捻じ曲げられ、改変されるのはあまりいい気持ちはしません。

ラストの奉太郎とえるの会話シーンは原作ではチャットだったんですよね。パソコンに不慣れな奉太郎とえるが微笑ましかったのですけど、それが再現されなくて残念でした。
でもせっかくのアニメですから、やはり普通の会話シーンに改変して正解だったと思います。何よりえるの登場シーンが増えたのですから。
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いけやんさんへ (アル)
2012-07-04 07:15:29
おはようございます。

>自分にはやはり特別な能力なんてないことを思い知らされたから…なんて解釈しています。以前、里志との会話で自分は凡人だと自称した奉太郎を、里志はからかっていましたし。
里志には無い能力を奉太郎は持っていると思いますが、今回はそれが行き過ぎてしまった気もします。「自分は特別ではない」と思う事は、言ってしまえば調子に乗る事も無いのではないかと。

>それに、本郷の脚本も密かに握り潰したわけですからねぇ。シナリオライターを目指して勉強している私からすれば、自分の原作を捻じ曲げられ、改変されるのはあまりいい気持ちはしません。
それでも、入須先輩にも立場がありましたから。アドリブが入ってなかったら、そのまま本郷の脚本を使っていたのではないかと。その場合でも、何らかの手を加えた可能性は否定できませんが。

>でもせっかくのアニメですから、やはり普通の会話シーンに改変して正解だったと思います。何よりえるの登場シーンが増えたのですから。
個人的には一生懸命に文字を打ち込む千反田の姿も見てみたかったなと(苦笑。
返信する
該当記事がなかったのでここで (いけやん)
2012-07-08 15:01:51
配信された11.5話を見ました。
ホント、なんで通常放送してくれなかったのでしょうねぇ。
画質や音質が悪いのはともかく、タイトルと宣伝が常に表示されている状態。これは是が非でもBD付きコミックを買わせる気のようでw ま、買うけどw
来年1月を楽しみにしておきます。

見どころは何と言ってもえるちゃんと摩耶花の水着姿(ノ´ω`)ノ☆
えるちゃんの水着姿に見とれてしまうホータローの気持ちが分かります♪ 水着姿で「わたし、気になります!」とバストをドアップにされたらたまらん(*´Д`)

奉太郎は「愚者」編で負った心のダメージを引きずっているような感じでした。自分は特別なんかじゃないって。
でもえるは自分にとって奉太郎は特別だって言っていました。たった1人の人にでも特別な人だと思ってもらえるのは幸せなことなんでしょうねぇ。
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いけやんさんへ (アル)
2012-07-08 20:44:34
こんばんは。配信されてたんですね。愚者編のフォローならば、本編でやるべきのような・・・ただ何故に水着なのか(汗。

>でもえるは自分にとって奉太郎は特別だって言っていました。たった1人の人にでも特別な人だと思ってもらえるのは幸せなことなんでしょうねぇ。
千反田が言うからこそ、慰めで言っているのではなく、心からそう思っているように感じ取れました。
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