本日は前回内容を踏まえて、総論としての共通テストに対する基本戦略を紹介いたします。
GW期間中に、まずは8月末までの学習計画を立てることを念頭にご覧いただければと思います。
【vol.2 共通テスト成功のための基本戦略】
①基礎力を高めよう
②思考力を鍛えよう
③初見の問題形式に対応するために
④時間配分を身につける
⑤弱点のをなくしていくために
⑥模試は重要な対策手段
⑦本番に備えて
⑧目標達成のための「PDCA」
①基礎力を高めよう
共通テストはこれまで試行問題は実施されたものの、本番で実際にどんな問題が出されるかは全くの不明です。
しかしながら、出題範囲や知識の前提内容については今までのセンター試験と変わりはなく、「土台の基礎力を伸ばす」ことは、
これまでの受験戦略と変わらず必須の項目となります。したがって、
1. 夏休みまでに各科目の基礎を修める
2. 1年を通してさらに基礎力を充実・深化させる
という受験対策の原則は、これまで同様守らなければなりません。
したがって、
解る→覚える→問題演習→復習(慣れる) のサイクルを1セットとして学習する
という学習の基本姿勢は、変わらず実施するようにしましょう。
②思考力を鍛えよう
共通テストではこれまでになかった「思考力」を問う新傾向の問題が出ることが予想されます。
この場合の思考力とは、科目毎に身に着けた知識・技能を活用して問題の解決方を考える、といったものです。
これについては基礎力がある程度充実した2学期以降の学習で重要なポイントになりますが、
今からでも次のことに注意して学習してみましょう。
・問題形式にこだわらず、様々なタイプの問題に触れる
・典型問題を演習して、解法や知識活用の方法を整理する
・演習した問題を復習するときに、単問ごとでなく、分野内の知識の横のつながりを見出すようにする
③初見の問題形式に対応するために
共通テストでは初めて見る問題形式に触れることはほぼ確定していると行って良いでしょう。
所見の問題に対応できるか否かが、成果を分ける境界線になります。
これから先の学習の中で、初見の知識や考え方、問題に出会ったら、
・この問題は何を題材にしているのか
・設定、形式、前提条件は何か
・どの学習項目について問われているのか
・問題のどこに着目すればよいか
・どんな知識が必要か
・どういう手順で解くのか
といった項目について、分析、整理、復習、再現を徹底して行うようにしなければなりません。
漫然と解答を暗記したり、なんとなくで解けるようになっただけの日常学習では、
初見対応力は磨かれません。
④時間配分を身につける
共通テストは試験時間に対して問題の分量が多く、時間配分がポイントの一つとなる試験です。
時間配分を身につけるには、
・普段の学習を、時間を決めて行うようにする
・問題演習などの際に、かかった時間を記録する
・模試の際に時間配分や解答の手順を試行錯誤する
など、日々の学習や模試をうまく活用することが、時間配分のチカラを練り上げる近道になります。
更に、時間配分を決定する前提として、
・共通テストは必ずしも満点を狙う必要はない(一部の最難関校を除く)
ということをはっきりと自覚して下さい。
入試は満点を狙う試験ではなく、「合格点」を取る試験です。
そして、合格点を知るためには志望校の決定や研究が必要になります。
⑤弱点のをなくしていくために
共通テストでは、各科目の履修範囲全体についての幅広い知識が必要となります。
必要な知識に漏れや弱点があると、連鎖的に科目全体の失点を生み出してしまうので、
弱点の解消は必須の対策となります。
弱点の解消の第一歩は「弱点を見つける」ことにありますが、その先の弱点解消までの原則は
「発見」→「対策」→「集約」→「反復」
のサイクルになります。
・理解が不十分な点、覚えていない知識、適切な手順が選択できるか、ミスの典型
などから弱点を発見し、
・弱点の原因の分析、一つの要因か、複数の要因が絡んでいるのか、そもそもの考え方のズレはないか
をはっきりとさせ、
・弱点を集約したまとめノート、復習ノートを作って管理
するようにして復習を効率化し、
・何度も見直し、解き直しを行って弱点を解消する
ようにしましょう。
⑥模試は重要な対策手段
共通テスト受験にあたって、初年度である今年度は最も対策手段が枯渇した1年です。
そのため、模試における実戦演習と様々な問題パターンへの接触は非常に重要な機会になります。
当たり前ですが、本番のつもりで真剣に受けること、そして、1問ごとに念入りに復習して、
自身の課題や弱点の発見に最大限活用しましょう。
1回ごとの得点に一喜一憂するのだけは絶対に避けるように。
⑦本番に備えて
対策が万全でも本番でその実力を発揮できなければ意味がありません。
⑥の模試を活用して本番に近い環境・状況における自分のメンタルの動きや起こりうるミス・トラブルを知り、
対処の方針を確立しておく必要があります。
また、週末などを活用して時間をはかってのセルフ模試、セルフ受験を行っておくのも有効です。
⑧目標達成のための「PDCA」
共通テストに向けた学習の量は確保したものの、ただ量をこなすだけになって、
日々のノルマの消化が合格という目的とすり替わってしまうことは、受験勉強の中でよくあることです。
目標達成のためには、
1. Plan(計画) → 2. Do(実行) → 3. Check(評価) → 4. Act(改善) → 1'. Plan …
というサイクルを回さなければなりません。
1. 必要な学習の検討と計画
2. 学習の実行
3. 模試などでの学習過程・成果・到達度の評価
4. 計画の再検討や修正
を繰り返し行うことで、1ヶ月単位などで学習をより洗練していくことが目標達成への近道になります。
明日は「vol.3 英語はどう変わるの?」についてを公開します。
ぜひ続けてご覧ください。