波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

『風間 完画集【青春の門】』を観る。

2019年04月20日 | 読書

書館から『風間 完画集【青春の門】』(風間完著:1975年発行/講談社)を借りて来る。2度目。大学時代、週刊誌に掲載されていた小説『青春の門』(五木寛之著)を喫茶店で時々読んでいた。主人公と10年の隔たりはあったが、揺れ動く学生生活が読ませた。それ以上に、風間完という作者の挿絵に惹かれた。

筆の線とぼかしに何とも言えない味わいがあった。的確でありながら遊びも感じ、鉛筆一本でこの国の湿った風土をこんなふうに描けるのかと思った。それ以上に、『女』が良かった。生意気だが、出生や育ちさえ思い浮かべることが出来るのだ。血の通った人間を、こんなに生き生きと描けるものなのか

段見ている風景を描き、強く印象に残させる。同じように、どこにでもいる女の人と思わせつつ、何とも言えない愛らしさと存在感で魅了する。美意識の次元がプロなのだ。似た画家を知らない。20代からから心にある画家の一人。いつまで経っても古くならない。

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