こんにちは「中川ひろじ」です。

みんなのお困りごとが私のしごと

20220701 長野県知事選挙への社民党長野県連合の対応について

2022-07-24 12:39:22 | 活動日誌

 

1,長野県知事選挙この間の経過

参議院選挙後、7月21日(木)告示、8月7日(日)投票で長野県知事選挙が行われます。5月17日現職の阿部守一氏が4期目の立候補を表明しました。社民党長野県連合は、田中県政、村井県政後の長野県のかじ取りとして、当時民主党と共に阿部守一氏の擁立に関わり、自民党推薦候補、共産党推薦候補とたたかい僅か5,000票差で競い勝ちました。その後の選挙で自民党や公明党が相乗りをしてきましたが、「政策協定」を結び推薦をしてきました。

2,前回、県知事選挙政策協定に基づく検証

(1)憲法観について

これまで、議会の場で、議員の質問に答える形で、再三再四「現行憲法の基本的理念の堅持、公務員としての遵守義務」について表明しています。

(2)県民生活最優先の基本姿勢

この4年間は、2019年台風災害、2020年から今日まで続く新型コロナへの対応という未曽有の事態が続きました。社民党県連合は、2019年台風19号の際にはその日のうちに対策本部を立ち上げ、各総支部・議員からの情報を長野県へつなげるとともに、2度にわたり県知事へ要望書を提出し、ともに対策に当たってきました。また、新型コロナ対策についても、2度知事に要望書を提出して同様に対策を行ってきました。

 この間の、災害や新型コロナへの阿部知事の対応は、県民の命と暮らしを守るためにその先頭に立ってきたことは評価できます。

(3)契約条例に基づく労働者の賃金水準の引き上げについて

 長野県建設労働組合連合会や連合長野、県職労とともに、「長野県の契約に関する条例」に基づき、賃金引き上げに向けて、実効性ある施策の推進に取り組んできました。労働力不足などを背景に、国の設計労務単価は大幅に引き上げられてきました。一般的に「公契約条例」は、設計労務単価の8割~9割を労働者に支払うことを約束した事業者と契約を行うものです。長野県の施策でも、設計労務単価の9割を支払う事業者には総合評価で加点をする試行を行ってきました。試行のなかで、熟練労働者とそうでない労働者も一律とはいかないことや、事業者にすれば、自治体の仕事だけで賃金を払っているわけではないことなどが、課題として明らかになってきました。そこで、現在は建設キャリアアップシステムを導入し、経験に応じたキャリアを認定しています。課題は、賃金水準の引き上げに向けキャリアに応じた標準賃金を紐付けすることです。

(4)若者や非正規労働者の賃金・処遇改善

 新型コロナの影響をまともに受けた学生や非正規労働者への支援は、ジョブサポや緊急就労支援事業が行われてきた。ジョブサポでは2100件の求人開拓を行い、1984人の求職者のうち722人が就職、うち334人が正規雇用であった。緊急就労支援事業では292件の実績がありました(いずれも3月末の数字)。

 長野県の2022年3月の有効求人倍率は1.45倍で、決して低いわけではないが、建設業・製造業・福祉介護事業・農林業などの分野で人手不足の状態が長く続いていることから、職場の労働条件の改善と資格取得などのキャリア形成をさらに支援していく必要があります。

(5)生活困窮者対策、給付型の奨学金の拡充、子どもの貧困対策の具体化

 新型コロナの影響により、生活困窮者への支援として特例貸付が行われてきましたが、生活の立て直し、就労につなげていかなければ借金が増えるだけです。生活保護世帯数は、コロナ以前の2019年9011件が、2021年9106件に増加しています。内訳をみると高齢者世帯、母子世帯、傷害・傷病世帯があまり変化はないが、その他世帯が96件増えています。

 子ども貧困対策として、家庭教育支援、ひとり親家庭への就業支援、通信高校サポート校等就学支援補助金事業、子どもカフェ設置支援、」フードドライブ支援、大学生への食糧支援などが行われてきました。

 生活保護世帯の子どもの大学などへの進学率が、長野県は全国でワースト1の11.1%で、1位の大阪は45%と格差が大きい実態があります。生活保護世帯で大学などに進学した子どもは支給の対象から外れるため、近くに大学がないことなどが格差の原因として考えられています。

(6)再生可能エネルギーの地産地消化

 2021年に策定された長野県ゼロカーボン戦略では、再生可能エネルギーを2020年度までに2倍増、2050年度までに3倍増、最終エネルギー消費量を2030年度までに4割減、2050年度までに7割減としています。2030年までが「人類の未来を決定づける10年」と言われ、重点方針、分野別施策が示されています。

 課題は、実現に向けた県民・事業者の意識付けであり、「信州環境カレッジ」「信州つばさプロジェクト」「サステナブルNAGANO共創プラットフォーム」が、ダイナミックに動き出すことであり、すべての県機関が連携して第一義的に取り組む課題とすることです。

(7)公共品種を守り育てる条例

 2019年6月定例会で「長野県主要農作物及び伝統野菜等の種子に関する条例」が制定され、2020年4月から施行されました。あわせて多くの県民の皆様から不安の声をいただいていた「遺伝子組換え作物の栽培に関するガイドライン」を作成。また種苗法改正にともない、長野県農業試験場が育成した登録品種の海外への持ち出し禁止方針を策定、この中で、県内で栽培する場合には原則として自家増殖を可とし許諾を不要とする方針を全国に先駆けて打ち出しました。

 今後、「遺伝子組換え作物の栽培に関するガイドライン」の対象にゲノム編集作物を加えることや、減農薬減化学肥料の環境にやさしい農業や有機農業の大胆な推進、ゼロカーボン戦略の一環として学校給食への有機農作物の提供などの推進に取り組むことが課題です。

3,今期長野県知事選挙方針

 今知事選挙前に、与野党が参議院選挙を戦っていることから阿部守一氏から政党への推薦要請は行わない旨連絡がありました。社民党県連合は7月1日、県労組会議及び長野県建設労連とともに政策要望書(別紙)を提出し阿部氏と意見交換をおこない、社民党県連合が要望する「憲法を守り、県民生活最優先の県政を行う」ことが表明されたことから、社民党県連合として「阿部守一氏を自主的に支援する」ことを決定しました。

(別紙)

2022年長野県知事選挙にあたっての要望書

7月21日告示、8月7日投票の長野県知事選挙にあたり、社会民主党長野県連合として下記の通りご要望を申し上げますので、公約などに取り入れていただければ幸いです。

1、現行憲法を遵守し、憲法を自治と暮らしに活かし、平和で民主的な県政を築くこと。

2、県民生活最優先の基本姿勢のもと、景気・雇用・福祉・医療・環境・農林業・教育・人権政策を重視した施策をさらに推進すること。

3,当面する、物価高への対策をさらに講じられること。

4、県民の生活と雇用を守り、格差是正のため、以下の施策を推進すること。

(1)総合5か年計画策定にあたり、県が市町村や県民との協働、共創の機会を拡大すること。

(2)県職員の適正な人員配置と健康管理に配慮すること。

(3)「長野県の契約に関する条例」施行から再来年で10年を迎える中で、条例に基づく施策の展開について検証を行うこと。とりわけ長野県発注工事従事者の賃金水準等の調査を行うこと。あわせて、建設キャリアアップシステムへの登録数の拡大に向けた支援を行うこと。また、キャリアに応じた標準賃金を紐づけするなど具体的な賃金上昇につながる施策についてさらに検討を行うこと。

(4)働く者の立場に立った働き方改革をすすめ、長時間労働による過労死・過労自殺を撲滅する施策を行うこと。

(5)自家用車に依存しない移動手段の確保を図るため、公設民営の拡大についての検討も含めて、公共交通維持・存続に向けた取り組みをさらに進めること。

(6)若者や非正規労働者の賃金・処遇改善など、県民の所得向上に引き続き努力すること。

(7)子どもの自殺ゼロに向け原因の調査と対策の強化を行うこと。また、ヤングケアラー問題を解決するため、相談支援体制をつくること。生活困窮者対策をさらに進め、給付型の奨学金の拡充など、子どもの貧困対策をさらに進めること。

(8)原発エネルギーに依存しない社会を目指し、県民意識の醸成を図り、再生可能エネルギーの地産地消を公共インフラとして大胆に進めること。CO2の吸収源である森林を守り育むこと。

(9)地球温暖化対策としても、環境にやさしい農業、有機農業を進めること。学校給食への有機農産物の提供の拡大につとめること。

(10)化学物質過敏症、香害、電磁波過敏症などへの対策を行うこと。

(11)長野県として同性パートナーシップ宣誓制度の導入を検討すること。

(12)必要に応じて、政策協議を行うこと。

以上

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20220624 長野県議会6月定例会一般質問「県民と共に歩む政策の推進について」

2022-07-24 12:37:32 | 長野県議会

5,県民と共にあゆむ政策の推進について

【中川】最後に、県民と共に歩む政策の推進について知事にお伺いします。

 知事として、12年間その職務に全力で取り組まれてきたことに敬意を表するものですが、苦言を申し上げるとすれば、知事が県行政のきわめて幅広い課題について、もっとも精通しているがゆえに、職員の皆さんからすれば当然ことですが決裁権者である知事の顔を見て仕事をすることになります。

 知事が一期目に立候補したときの県民本位の県政の実現ということが置き去りにされているとは思いませんが、県民本位の県政を進めていくためには、知事と県職員が市町村や県民の皆さんと一緒に県政を進めていく「協働」の場を多くつくっていくことが大事なのではないかと思います。総合計画を作る際にも知事は「共創」という考え方を示しておられますが、あらためて政策の推進の基本的な考え方についてお伺いします。

【知事】私も知事として約12年間仕事をしてきましたので、ご指摘ありましたように、ずっと同じ視点から仕事を見ておりますので、かなり県職員と私を比べると過去の経緯とかですね、私の方が知りすぎてしまっているというところもあって、なかなか県職員と対話をする際にどうしても過去はこうだったとか、こういう経過じゃないかということを言ってしまうことが多いわけであります。そういう意味で、県職員の主体性を尊重しながら、是非、私に対して率直な意見をですね言い続けてもらえるようにしていきたいというふうに考えています。

そういう中で、県民の皆様方との共創、非常に県としても重要な概念ということで取り組んできました。まず行政経営方針の中で共感と対話の県政ということを掲げさせていただいておりますし、また県民起点の県政を具現化していくために、様々な県民の皆様方との対話の場の設定であったり、また、共創協働による県政の推進ということにも意を用いてきたところであります。

具体的には例えば、対話の場としては、移動知事室、タウンミーティング、ランチミーティング、私行ってきましたし、県職員には政策対話ということも県民の皆様方と行ってもらっています。また、協働共創の場づくりいうことで、将来世代を応援していこうということで、様々な団体の皆様方とのネット―ワークの下で、長野県将来世代応援県民会議という組織を設けて取り組みを進めておりますし、また、まちづくりもこれ行政だけではなくて、多くの皆様方の協力の中で進めようということで、大学やあるいは都市再生機構、民間企業の皆様方とも連携して「UDC信州 信州地域デザインセンター」設置をして、まちづくりにも取り組んできました。

また、これからアートの分野、環境の分野でも共創が必要だということで「信州アーツカウンシル」も設立し、また、「サステナブルNAGANO共創プラットフォーム」の本格的なスタートに向けた準備もすすめているという状況であります。

このような取組を進めてきたところでありますけれども、今後、さらに社会情勢が大きく変化していくことが見込まれます。また、県民の皆様方の価値観も多様化していく中においては、このパブリックな、公的な取組を行政だけで進めていくということには限界があるというふうに考えております。

様々な主体の皆様方との共創により各般の政策を進めていくことがますます重要になってきているというふうに考えております。そのため、次期総合5か年計画につきましても、策定を多くの皆様とともに進めると同時に、その実行段階においても様々な人や組織とのパートナーシップの下で取り組んでいきたいというふうに考えておりますし、また、計画策定に止まらず、今後の様々な具体的な政策を進めるに当たっても、県民の皆様方と知恵と力を合わせながら共に推進をしていきたいというふうに考えております。

【中川】私が県会議員選挙2期目落選をしました。その時、県庁とは高くて遠いところだなあと感じました。県行政が常に県民に寄り添い、隣にいるような県行政であってほしいし、県民と共に歩み、創り出していく県政であってほしいと知事に要望し質問を終わります。

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20220624 長野県議会6月定例会一般質問「4,再生可能エネルギーの推進について」

2022-07-24 12:36:09 | 長野県議会

4,再生可能エネルギーの推進について

【中川】昨年度の一般質問で、森林を削って太陽光発電施設をつくることについての課題などについて触れてきました。県は5月28日環境審議会を開催し、改正地球温暖化対策推進法に定める促進区域の設定に関する基準」を審議し決定をしました。この基本的な考え方として「①長野県の地域特性を踏まえた安心・安全な再生可能エネルギーの推進として砂防指定地、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険地区などの災害の恐れがある区域については、一律に促進区域から除外②長野県を特長づける多様な自然的社会的機能をもつ森林の役割を重視した再生可能エネルギーの推進として、地域森林計画対象森林を促進区域に含めることが適切でないと認められる区域に位置付け、森林伐採を伴う太陽光発電事業については促進しない姿勢を明確化、③長野県の重要な産業である農業を支える農地の役割を考慮した再生可能エネルギーの推進として、生産性の高い優良な農地は、促進区域に含めることが適切でないと認められる区域に位置付け、再生困難な荒廃農地の一部は、環境配慮の上で再エネ推進に活用、④長野県の自然豊かな景観・眺望と調和した再生可能エネルギーの推進として、景観への影響が懸念される場合には、敷地境界から5メートルの離隔及び植栽の実施を考慮すべき事項に位置付けました。

 県は、これまで「太陽光発電を適正に推進するための市町村対応マニュアル」を示し、市町村はこれによるところの、基準や条例をつくってきました。

最初に、環境部長にお伺いします。今回定められた「改正地球温暖化対策推進法に定める促進区域の設定に関する基準」を市町村や農業委員会にどのように周知徹底を図っていくのか。

【環境部長】最初に、改正地球温暖化対策推進法に定める促進区域の設定に関する県の基準についてのお尋ねでございます。

この県基準は、市町村が再エネの促進区域の設定を行う際に、国の省令とともに遵守することとされているものでございまして、本県では、先月27日に全国に先駆けて策定しました。

市町村に対しては、策定段階から原案をお示しし、ご意見を伺うとともに、策定後は速やかに基準の内容を通知したところでございまして、来月には環境省の協力も得ながら、説明会を行う予定としております。

加えまして、今後、市町村が区域設定に当たって地域の合意形成を図るために「地方公共団体実行計画協議会」を設置する場合には、その運営経費を補助するほか、専門人材を紹介するなどの支援をしてまいります。

今回の県基準でございますが、太陽光発電に限定して策定しております。議員のご指摘にもありましたように、大きな特徴の一つは、環境保全の見地から、優良農地やほとんどの森林は促進区域に設定しないとしているところでございます。農業委員会をはじめ、関係者等に対しては、こうした基準設定に至った県の考え方も含め、機会を捉えて、県又は市町村から情報提供してまいりたいと考えております。

【中川】太陽光発電施設については、耐用年数の過ぎたソーラーパネルなどの処分について多くの県民から心配の声が寄せられています。長野県としての対応方針を示すことが推進にも寄与するのではないかと考えますがいかがですか。

【環境部長】2040年以降耐用期間を過ぎた太陽光パネルが、放置あるいは不法投棄されるのではないかといったご心配があると承知しています。

まず大前提ではございますが、廃棄物処理法におきまして、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」とされておりまして、法に基づき県として厳正に対処してまいります。

また、昨年7月の全国知事会におきましても、「製品に見合った処理費用の前払い方式等を導入すること」等を国に要望したところであり、国は、FIT制度におきまして10kW以上の太陽光発電施設の廃棄物費用について、内部積立から外部積立に移行する措置を、この7月からスタートするところでございます。

県の方針は、とのお尋ねでございますが、ゼロカーボン戦略におきまして、「適正処理を確保するため、関係団体と連携し、廃棄物処理業者等に対して、使用済太陽光発電設備の適正処理に係る積立金制度・処理技術に関する情報共有を図るとともに、技術的支援を行う」としており、再エネ普及を促進する県として、この方針のもと、取組の具体化を図ってまいりたいと考えています。

【中川】次に知事にお伺いします。

地域脱炭素化促進事業が想定される箇所の例示として、大学等教育関連施設、大型商業施設、大型スポーツ施設、商店街アーケード、廃校・工場跡地などの未利用地、産業団地などが示されています。こうした箇所においてさらに太陽光発電施設の設置を推進するために、たとえば「再生可能エネルギー推進基金」を造成し、太陽光発電施設設置資金として貸し出し、売電収入で貸付資金を回収するということを、大規模に大胆に国全体で進める必要があると思いますが知事のご所見をお伺いします。

【知事】本県は、豊富な日射量と冷涼な気候に恵まれていることから、太陽光発電の高いポテンシャルを有しております。その意味では、太陽光発電を普及していく上では、環境との調和、景観との調和を図りながら、進めていくことが重要だと思っています。

議員からご提案ありましたような施設等への太陽光発電の普及を進めていくため、既に県として、制度融資や収益納付型補助金を設けているところでありますが、より一層普及を進めるための仕組みの在り方については、現在の制度の拡充も含めて、検討を行っていきたいと考えています。

併せまして、国に対しても、これまで収益納付型補助金の創設などを本県から要望してきておりますが、引き続き、太陽光発電の飛躍的な普及のための効果的な施策を提案していきたいと考えております。

【中川】本来、地球温暖化対策としての再生可能エネルギーの推進は、民間まかせではなく、国の責任で取り組まなければならない課題なのではないでしょうか。その意味では、再生可能エネルギー施設の設置及び廃棄については、公共インフラとして、あるいは社会的共有資本として整備あるいは対応していくことを基本的な考え方にするよう、知事会などで国に対して進言していく必要があると思いますが、知事のご所見を伺います。

【知事】私たちの暮らしを支えるエネルギーにつきましては、道路、交通機関、上下水道と同様に、豊かな社会に欠かせないものであり、宇沢弘文先生が提唱された社会的共通資本の一つである社会的インフラストラクチャーに該当するものと考えています。

特に、再生可能エネルギーは、地域分散になじむエネルギーシステムでありますことから、単に市場原理に委ねることなく、地域の大切なエネルギーとして、地域が守り育てていくことが望まれていると考えています。

しかしながら、もとより、エネルギー政策は国として根幹的な制度を構築しているわけでありますので、この再生可能エネルギーを2050ゼロカーボンに向けて、一層普及していくための対応は、国の制度面、財政的な支援が不可欠であると考えております。これまでも様々な提案要望を行ってまいりましたが、引き続き、再生可能エネルギーが飛躍的な普及をしていくことができるように、県としても、あるいは、私は全国知事会の脱炭素地球温暖化対策本部長を務めておりますので、知事会の立場としても、国に強く求めていきたいと考えております。

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20220624 長野県議会6月定例会一般質問「3,新型コロナ禍における県の職員の体制について」

2022-07-24 12:34:31 | 長野県議会

3,新型コロナ禍における県の職員体制について

【中川】次に、新型コロナ対策における、県の職員体制について、お伺いします。

 新型コロナ感染症への対応が始まってから2年余がたちます。この間の県市の保健所の職員の皆様の激務に心より感謝と敬意を申し上げます。また、保健所以外の職場からも700人にも及ぶ兼務発令により保健師が聞き取った内容を整理して入力する「ロジ入力」や、検体搬送などが行われてきました。

 総務省が昨年の4月から6月にかけての全国の自治体を対象とした勤務条件等調査において、過労死ラインと言われている100時間を超えている職員が4万人いたと発表されています。

長野県は、この調査において、どのような回答をされていますか。超勤が月100時間を超えた職員は何人いましたか。また、超勤が多い職場はどこでしょうか。

【総務部長】まず、平成2年度における勤務条件等調査の総務省への回答については、

・月別の時間外勤務時間数については、職員1人当たり月平均10.1時間

・月45時間超100時間未満の職員数については、年間延べ1,993人・月平均166人、

・月100時間超の職員数については、年間延べ267人・月平均22人 であり、

いずれの数値も前年度(令和元年度)を上回っている状況。

次に、超過勤務の多い職場について、令和3年度における職員1人当たりの年間の時間外勤務合計時間が多い職場は、感染症対策課、諏訪保健福祉事務所、食品・生活衛生課、上田保健福祉事務所のいずれも健康福祉部の所属と、危機管理防災課が特に多く、その要因は、いずれも新型コロナウイルス感染症対応によるものとなっている。

【中川】この2年間の新型コロナへの対応は、様々なところに影響が出ていると思われますが、たとえば特定検診受診率、公務災害、離職者、メンタルによる休職者などの数に変化はあるでしょうか。

【総務部長】お尋ねの「特定健診受診率」、「公務災害」、「離職者」、「メンタルによる休職者など」について、コロナ拡大前の令和元年度から、令和3年度までの知事部局における状況を見ると、

・主にメタボ検診を行うための特定健診受診率は、令和元年度96.5%、令和2年度95.8%、令和3年度96.1%、

・公務災害の認定件数は、3年とも20件前後で推移している。

・定年前の退職者数は、令和元年度73人、令和2年度56人、令和3年度62人となっている。

・精神疾患に係る30日以上の療養休暇取得者及び休職者数は、令和元年度60人、令和2年度53人、令和3年度59人となっている。

いずれの項目においても、コロナ拡大前と大きな差はない状況であると考えている。

しかし、この数値には大きな変化は認められないが、コロナ対応で職員には大変大きな負担をかけているので、先ほど知事から申し上げたとおり職員の心身の健康管理には、引き続き、適切な対応に努めてまいりたいと考えている。

【中川】仕事のために帰れず、やむなくホテルなどに宿泊している職員もいると聞きますが、宿泊代は自腹・自己負担だということです。県が支出すべきではないですか。

【総務部長】議員ご指摘の事例で宿泊料を支払うためには、前提として所属長の旅行命令が必要となるが、県では、災害時等において宿泊料を支払うことができるとした国の旅費法の規定等を参考に運用しており、国では、震災時の深夜において、救助物資の受入れ又は輸送等の急を要する業務に従事した場合など極めて限定的に扱っており、県としても現時点で県負担とすることは難しい状況。 

 他方で、自然災害や新型コロナウイルス感染症の対応など、一刻を争う対応が求められる状況では、深夜まで職務に専念いただいている職員が少なからずいることも認識している。

こうした状況を受けて、職員団体との間で、緊急・災害時における職員の費用負担の軽減策について研究することで合意しており、現在、各部局とともに実態調査を行っているところ。

今後、この調査をふまえ、緊急・災害時においても職員が安心して職務に専念できるよう、必要に応じて条例・規則等の見直しを含め、適切に対応してまいりたい。

【中川】県職員名簿を拝見すると、保健師の肩書で主任保健師の数が少ないように見受けられますが、子育て世代の保健師の皆さんにとっては、家にも帰れない状態が続き、離職された方もいるとお聞きしています。保健師の皆さんの離職の状況はどうなっていますか。

【健康福祉部長】新型コロナ対策における県の職員体制についてご質問を頂戴しております。まず、保健師の離職状況でございます。

新型コロナ対応が本格化した令和2年度以降、早期退職した保健師は、令和2年度が2名、3年度が3名でございます。

コロナ以前の5年間においても毎年1名から3名の退職者がおりましたが、退職の理由は家族の介護や、転職、結婚による県外転居など様々でございます。

【中川】新型コロナウイルス感染症という危機管理的な特別な状況が2年以上続くと、これは危機管理といった緊急的な対応では済まされない事態です。教育長の労働時間を決める条例が提出されていますが、保健所長もこの2年は全く休むことができない状況が続いているとお聞きしています。コロナ対策で疲弊する管理職を含めた職員の健康が心配されます。

保健所長が休める体制をつくるべきと考ええますが、健康福祉部長にお伺いします。

【健康福祉部長】保健所長は、公衆衛生医師としての知見を活かしながら、所属長として保健所組織のマネジメントを行うのに加えまして、市町村や各医療機関、医師会など地域の保健・医療関係者との調整や連携体制構築の役割を担っているところでございます。

原則として医師資格を必要とする保健所長は、容易に代替することができない職ではございますが、まず全体のマネジメントを副所長や各課長が補佐するのは当然でございます。更にそれに加えまして、医師としての知見が必要な業務についても、一定のフォローが必要と考えております。

現在も、必要に応じて、各所長間や、あるいは本庁に配属されている医師との間で応援をし合うなどの対応がなされており、こうした取組を拡充して、より休暇が取りやすい環境を作っていくことも重要であると考えております。

さらには、保健所長になれる人材を増やしていくことも重要であると認識しておりまして、引き続き公衆衛生医師の確保に努めながら、所長の負担軽減に取り組んでまいります。

【中川】続いて、知事にお伺いしますが、管理職を含めて職員の健康管理について特段の配慮をすべきと思うがいかがでしょうか。

【知事】コロナ対応、災害対応等、職員の負担がここしばらく大きくなっているというのは事実だと受け止めており、職員の健康管理への取組は極めて重要であると考えている。

そこで、定期的な健康管理の取組に加えて、まずは職員の業務分担のあり方ということで、兼務職員の配置、事務分担の機動的な見直しを行ってきている。また、長時間にわたる時間外勤務を行った職員に対する医師との面談、全職員を対象とするストレスチェックの実施、メンタルヘルス研修会の開催と、職員の状況に応じたきめ細かな対応に努めてきたところである。

 また今般、管理監督者に対しては、どうしても一般の職員に対して、対策が弱かったのではないかという思いの下で、健診の結果をその上位者が把握する等の健康管理体制の強化であったり、外部カウンセラーによる管理監督者専用の相談窓口の設置を行うことにより健康管理の取組の充実を図ることとしたところである。

 引き続き、職員の健康管理の改善と、働きやすい職場づくりに努めていきたいと考えている。

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20220624 長野県議会一般質問「2,子どもの貧困対策について」

2022-07-24 12:32:49 | 長野県議会

2,子どもの貧困対策について

【中川】次に、子どもの貧困対策についてお伺いします。

 生活保護世帯の高校生の大学・短大・専修学校などへの進学率が、令和2年で全国平均が37.3%であることに対して長野県は11.1%、令和3年では全国平均が39.9%、長野県は25.9%と報道されました。経年でみると平成28年全国33.1%で長野県は33.8%と逆に高かったわけですが、その後全国と比較して下がってきています。全世帯の進学率は73.4%ですから、そもそも格差があり、加えて地域差があるという数字です。

 平成27年に次世代サポート課が「子どもの声アンケート」をとりました。その中から高校生の自由記入をあらためてご紹介します。「行きたい大学があるが、県外だからお金がかかり行けない。先生は『奨学金をもらって』と簡単に言うが奨学金はいつか返さなければいけないから簡単には考えられない」、もう一つ「母子家庭で、大学進学はしたいけど無理なのはわかっている。本当は進学したい気持ちはあるが、母には言わず、私は高校卒業したら働くからねと言っている」など、子どもたちが、親の所得により自分の進学をあきらめているという切ない回答が多数寄せられていました。

長野県の生活保護世帯の進学率が下がってきていることの原因をどのように考えていますか。

【健康福祉部長】まず、生活保護世帯の大学等の進学率が下がっている原因についてご質問いただいております。

 ただいまご質問の中で報道された数値についてご指摘ございましたけれども、その後、市から厚生労働省への回答の一部に誤りがあることが判明いたしました。私どもで改めて計算をし直したところ、令和2年3月卒業生の進学率は22.4パーセント、令和3年3月卒業生の進学率は31.0パーセントでございます。

 分母が小さく、年ごとに変動が大きくなっておりますけれども、いずれにしても、本県の進学率が全国平均を下回ることが非常に多い状況でございます。この原因としては、まず、県内に大学等が少なく、県外に進学する場合に経済的負担が大きいことや、本県では高校卒業者の県内就職率が高いことからも明らかなように、県内に高校卒業者の就職先が多いことなども要因となっているものと考えております。

 また、最近の個々のご家庭の状況について福祉事務所に確認をいたしましたら、学習習慣が身についておらず、学力の面で課題があって進学を希望しないという方や、元々就職を目指していて進学を意識していないという方も多い状況であると聞いております。

【中川】生活保護世帯の子どもたちに「進学をしてもいい」という選択肢をどのように保障するのか、またそのための課題は何か。以上、健康福祉部長にお伺いします。

【健康福祉部長】次に、進学する選択肢の保証及びそのための課題についてのご質問でございます。

生活保護世帯の子どもたちに、進学という選択肢を持ってもらうためには、進学に当たっての経済的負担の軽減、学力の向上、さらに進学への意識付け等が課題となると考えております。

経済的負担の軽減につきましては、令和2年4月からの高等教育修学支援制度による授業料等の減免や給付型奨学金の支給、平成30年10月からの生活保護制度における進学準備給付金の支給など、一定程度、支援の充実が図られてきておりますが、まずはこれらの制度を利用していただけるよう、ケースワーカーを通じて制度の周知や利用のための支援を行ってまいります。

また、学力の向上や進学への意識付けにつきましては、ケースワーカーによる訪問活動の中で、進学に関する様々な情報提供や、進路に関する助言を行うとともに、必要な場合には、積極的に「子どもの学習・生活支援事業」や子どもの貧困対策に関する事業につなぐなど、子どもたちの支援に努めてまいりたいと考えております。

【中川】続いて知事にお伺いしますが、こうした現状を踏まえ、知事は子どもの貧困対策についての、現状認識と課題、今後の取り組みついて、どのようにお考えでしょうか。

【知事】子どもたちが、貧困の連鎖であったり、教育の格差であったり、生まれ育った環境によって、学びの選択肢であったり、将来の可能性が制約を受けてしまうことは、社会的な公正さという観点からも大きな問題であるというふうに考えております。

これまでも、貧困の連鎖を断ち切るための学びの支援、教育費負担の軽減、家庭の所得向上に向けた保護者の自立支援、こうしたことに取り組んできました。

 大学進学につきましては、高等教育修学支援制度によります給付型奨学金や授業料等減免によりまして、全国の住民税非課税世帯の進学率の推計値は制度導入前の平成30年度の約40%から、令和3年度には54%まで上昇しているというふうに言われており、一定の成果は出ているものというふうに考えております。

 ただ、コロナ禍による就業環境の悪化でありますとか、物価高騰による生活費への影響は、生活困窮世帯において、より深刻な状況であると考えております。

経済的な理由で進学等に制限を受ける、ということがないように、切れ目のない教育費負担の軽減であったり、学習支援に努めていくことが重要であると考えています。

 こうしたことから、今年度、県内の小学5年生、中学2年生、高校2年生、約9,000人とその保護者などに対して、進学意向等に関する調査を行うことといたしております。

 まずは、実態をしっかりと把握したいというふうに思っております。

厳しい経済状況の中にありましても、子ども達が進学をあきらめることなく、前向きな気持ちを持って将来への道を進むことができるような施策を、困窮家庭、そして子ども達の実態に即して、新たな子ども・若者支援総合計画に盛り込んでいくべく検討していきたい、と考えております。

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202200624 長野県議会一般質問「1,被措置児童の虐待防止対策について」

2022-07-24 11:48:22 | 長野県議会

【中川】最初に、被措置児童等の虐待防止対策について、子ども若者局長にお伺いします。昨年4月に明らかになった里親の性的虐待事件について、県は「重大被措置児童虐待検証委員会」を5月に設置し児童相談所、里親、教育委員会などからのヒアリングを行うとともに、里親連合会、里親審査部会などからの意見聴取を行い、3月22日に検証報告書をまとめ県に提出されました。
この中で、「里親養育者への支援のあり方」、「社会が一緒に子どもの育ちを支えることの重要性」等が指摘されています。あわせて社会的擁護が「一緒に生きてくれる人が見つかる場所であってほしい」「もっと前に親を助けてほしい」という課題もかねてから指摘されているところです。
県は、「重大被措置児童虐待検証委員会」の検証報告書を受けて、新たにどのような対策を進めていくことが必要と認識されていますか。
【子ども若者部長】県では、これまでの重大被措置児童検証委員会からの検証結果を待つことなく、自ら課題と考える点について対策を進めてきたところであり、児童相談所職員や里親等への研修、児童との面接頻度や方法の改善、学校管理者を対象とした虐待対応研修の実施などに取り組んでまいりました。
今年度からはこれらの対策に加え、本年3月にまとめられました検証報告書を踏まえ、新たに、不適格な者を里親認定しないための対策として、里親希望者の調査時に感じた懸念等を余すことなく里親審査部会に報告し、審査の材料とするなどの審査規定の整備、里親による不適切な養育を防ぐための対策として、対応に苦慮しているケースに関して外部有識者からの助言を受ける仕組みや、里親同士の相互支援によるレスパイトの仕組みづくり、児童が被害を訴えられなかったことへの対策として、年齢等に応じた「子どもの権利ノート」の改定や、第三者の協力を得て子どもの悩みや意向を把握するための取組の実施、虐待事案把握時に適切な対応ができなかったことへの対策として、被措置児童が通う学校の教職員への具体的な虐待対応の説明や、緊急事案発生時の児童相談所間の応援体制の構築などに取り組むこととしております。
引き続き、検証報告書の内容を踏まえ、里親認定から児童措置後に至る様々な場面で再発防止に取り組んでまいります。
【中川】また、6月17日に県から発表された令和3年度児童虐待相談対応状況のプレスリリースを見ると、児童養護施設における被措置児童の虐待事案が2件報告されています。うち1件は性的虐待です。検証報告に基づく対策をどう全体化していくのかお伺いします。
【子ども若者部長】今回、プレスリリースで発表いたしました児童養護施設の職員が児童にキスをしたという性的虐待事案及び職員が児童に威圧的言動等をとったという心理的虐待事案については、事案発生後速やかに施設から報告があり、県において速やかに調査を行い、社会福祉審議会処遇審査部会の審議を経て、加害職員への厳正な対応など施設に対する指導を行っております。
 ファミリーホームにおける重大被措置児童虐待に関する検証を行っている最中に、このような事案が発生したこと、大変重く受け止めております。
 3月にまとめられました重大被措置児童虐待の検証報告における課題及び提言は、里親家庭及びファミリーホームにおける養育を前提としたものではありますが、児童相談所の被措置児童との関わり方、養育に関わる者の資質向上等、施設養育にも共通する点が多くあると考えております。
このため、今回の報告書の内容、それらを踏まえた取組は、社会的養育全体に当てはめ、取り組むべきと考えており、児童養護施設等にもその内容を周知したところでございますが、改めて虐待防止、児童の権利擁護を徹底するよう指導してまいります。                
 それに加えまして、施設に対する新たな取組として、不適切な者を養育に関わらせることがないよう、職員採用に当たっては、本人の同意を得た上ではありますが、前職における勤務状況や辞職理由などを確認し、調査した上で採用するように指導するとともに、職員が1人で養育に関する悩み等を抱え込み、不適切な対応を行うことがないよう、チームを組んで複数の体制で養育に当たることや、施設職員と施設長とが常に意思疎通を図りながら養育内容の実践、評価、改善を進めていくなど、風通しのよい組織体制づくりを行うよう指導を徹底します。
 さらに、県が行います施設職員向けの研修において、虐待事案について議論する場を設け、施設職員自らが自分事として虐待防止策を考え、実践していけるための取組なども行うこととしております。
これらの取り組みを通して施設における虐待防止に向け、しっかりと取り組んでまいります。
【中川】被措置児童等の虐待防止対策については、先ほども申し上げましたが、社会的養護が一緒に生きてくれる人が見つかる場所であってほしい、もっと前に親を助けてほしい、とこういう課題もありますので、引き続きの対策を心よりお願いを申し上げます。

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