こんにちは「中川ひろじ」です。

みんなのお困りごとが私のしごと

20221219 社民党脱原発・脱プルトニウム全国連絡協議会 学習会・政府交渉

2022-12-19 22:59:43 | 脱原発・危機管理

社民党脱原発・脱プルトニウム全国連絡会議が主催し学習会と省庁交渉が、12月19日東京参議院会館で開催されました。冒頭、連絡会議の高橋真一会長から「柏崎には地域の会があり、15人の委員がいる。エネ庁や規制庁、県・市町村など50人が参加しているが反対派は4人だけ。安倍ほどひどい総理はいないと思っていたが、岸田はもっとひどい。原発を60年、70年稼働させると言っている。しかし部品は中性子によってヒビが入っている。延長は許されない。これまで事故の隠ぺいが続いてきた柏崎刈羽原発は核物質移動禁止命令が出ている。地域の会で、避難計画をどうするのか主張している。昨日、雪で3時間かかって長岡に出た。こんな状況で避難などできない。非難もできない中で再稼働は許せない。そのことに国も東京電力も全く答えられない」と挨拶がありました。

福島みずほ党首から「3.11原発事故以降、8件の裁判で勝利している。脱原発運動を社民党が担ってきた。青森市議選で脱原発をはっきりいう議員が誕生した。自民党の原発推進を止めなければならない。安保三文書にも原発が入っている。2002年美浜3号機は原発事故があったが、40年を超えている。柏崎刈羽原発は、中越沖地震から動かしていない。汚染土・汚染水を全国に移動させるという。脱原発の運動を強化していきたい」と挨拶がありました。

学習会は、原子力資料情報室の松久保肇氏から「岸田政権による原発再稼働・40年ルール撤廃・原発新増設の概要及び、その狙いと背景」について講演を受けました。

原子力小委員会は21人いて、脱原発で発言するのは松久保氏と村上千里氏の二入だけ。革新炉ワーキンググループ13人は、原子力村の会議で、反対派は松久保氏一人。8月24日岸田政権が新増設再稼働の方針を示し、原子力小委員会で5回議論を行ってきた。革新炉WGは6回行い、7月原発新設スケジュールを提示した。9月22日検討を開始し、ひと月後に対応案が出てくるなどあまりにも拙速な議論が進められ、12月8日報告案がまとめられた。

反対派の意見は聞かないので、危惧する。8月24日のGX実行会議で再稼働9基が支持されたが、電力会社はもともと9基の再稼働を決めていた。動かすことをアピールするためのものだ。原発エネルギーは2021年7.8%シェア、2022年5.7%、実は減っていて火力発電が増えている。

使用済核燃料の貯蔵能力が、2027年前後に川内、高浜、大飯はいっぱいになる。再稼働しても数年で停止になる。

運転期間延長は20年+αとし、αは停止期間。無期限延長案を委員は支持だが、経産省は限定延長案を出してきた10年ごとに検査をして延長していく。問題になるのは早くても数年先で多くの場合10年以上先になる。柏崎刈羽原発で2025年、なぜ今議論をするのか。

 昭和45年当時、建設会社は耐用年数を30年といい、アメリカが40年というと40年と言い換えてきた。

 原発は事故が許されるものなのか。事故が起きれば30万人が避難をしなければならない。安全管理は原子力規制庁が議論しないという。根本的に間違っている。

 2022年11月28日革新炉WGで提出してきた資料では、現状維持が最適であるにもかかわらず延長を可能としている。

 フランスの原発は老朽化が進み、電力量が低下して、電力危機に拍車をかけている。日本の原発も多くが老朽化し、むしろ電力供給のリスクとなっている。フランスで配管の劣化で12機止まっている。

 原発新設が具体化するのは10年程度先、新設原発が廃止になるのは2200年頃、サプライチェーンを維持するためには、10年で2基から3基建設を続けなければならない。1基2兆円かかる。

 他に投資が回らない状況が出てくる。一方で原子力のコストは上がり続ける予想が出されている。洋上発電は12円から16円。原子力は自前でお金が出せないので、国に要求してくる。

 国民は、10年間で17兆円払ってきた。内、原発で1kwhも発電しなかった原子力事業者分が11.65兆円。FIT賦課金と買取電力13.56兆円、撤退できない。

 動かない原発に投資して、他のエネルギー源への投資が行われてこなかった。原子力産業界のニーズで建設業のシェアが拡大し、メーカーのシェアが低下しているので、三菱重工は減っているので、新型開発をアピールしている。黒幕は三菱重工。 原子力開発費2000億円を超えていたが2011年以降1000億円に減ってきている。その復活を目指している。

 

質疑 

福井・山崎「使用済み核燃料、美浜3号機、柏崎刈羽原発は2031年にいっぱいになると言っているが、2027年にいっぱいになる。美浜の1.2号機のプールを使う計算だ。県は関電に聞いてくれの1点張り。関電は何も答えない。2年前に関電は使用済み核燃料の行き先が決まらなければ、美浜は2023年には止めると約束している。」

松久保「この数字は電力会社の数字。問題は、使用済み燃料の行き先。6つの中間貯蔵施設にもって行きたいと言っている。6つの貯蔵施設は東電がつくったもので、他の電力会社は使えない。沸騰型の燃料しか入れらないことになっている。」

福井・山崎「新増設には力が入っていないのでは」

松久保「既設原発の建替えを進めると言っているが、そこまで積極的かといううと電力会社は余裕がない。革新炉は司令塔が必要だと電力会社が言っている。濃淡がある。新設には金がかかる」

 

午後、全国連絡協議会から、政府に対して以下の要請書を提出しました。要望は以下の4点と福島原発事故に関わるもの。

①40年ルールを基本とする「原発依存度の低減」を引き続き踏襲すること。

②40年ルールの変更は経産省マターではなく国会マターであることを表明すること。加えて規制範囲を「放射能災害の影響緩和」へ拡大、拡充し、避難計画とその実効性を規制項目に加えること。

③岸田総理大臣の9基の原発稼働指示を即刻撤回すること。加圧水型原発2基と沸騰水型原発5基の計7基の再稼働を撤回すること。

④プルトニウム利用政策を抜本的に転換し、六ヶ所再処理工場を閉鎖し、MOX燃料加工工場の建設を中止し、プルサーマル計画を中止すること。

 福島原発事故については、①原子力を推進し、重大原発事故を起こした国の責任を明らかにすること。②被災者は国策による被害者、最後の最後まで国が前面に立ち責任を持って対応(原子力災害対策本部)すること。③福島事故を繰り返さない観点から、事故原因、とりわけ、安全神話の虜・技術、構造的原因を究明すること。復興と廃炉の両立は欺瞞であり、これらの現状と課題および①②との関係について評価を示すこと。⑤廃炉・健康・生活再建課題の現状と課題および①②④との関係について評価を示すこと

 また、次世代型原発の開発・建設については、「今後の原発建設は高くつき、次世代原発の安全性は未だ実証されていない」ことを国民に率直に認めることを要望した。

 これに対して、経産省、原子力規制庁からは9人が出席した。

 

資源エネルギー庁江川

原子力政策室佐藤「柏崎刈羽原発の再稼働の時期、予断をもって言えない。地元の合意を得て再稼働をすすめる」

原子力規制庁「我々として判断できない。検査を強めている。命令の解除は、追加検査終了後。いつ終わるかは、東京電力次第です。」

放射線廃棄物対策課西尾「日本電源、搬出する期限を遵守して。処理については、廃棄方法については最終処分場を北海道で2カ所で説明をしている」

原子量政策課佐藤「既設炉と比較して、新たな規制に適合したもの」

 

福井・山崎「関西電力が使用済核燃料の移動ができなければ止めると言っている。監督官庁として指導すべきではないか」、核燃料サイクル化村橋「関西電力は不退転の覚悟で表明している。仮定の話には答えられない」

鹿児島・山崎「川内原発20年延長を申請している。知事は県民投票もひとつの選択肢と言っている。運転期間の延長について具体的に固まっていくのか。規制委員会が結論を出す前に県として方向性を出すため議論をしている」

江川「GX実行委員会は、年内に取りまとめるよう指示が出されている。法制化についても、その後の課題となる。」

島根・芦原「高レベル廃棄物の処理について、全国の中で興味をもっている自治体があるのか。」

西尾「あるといえば、文献調査に協力をしていただけなくなる可能性があるので答えられない。数は答えられない。最終処分をしなければならないと考えている自治体はある。」

茨城・相良「再稼働についての現状」

江川「電力需給、この冬の再稼働、夏以降への対応として7基」

相良「東海第2、再延期されて9月以降となっている。それ以前に動かせというお話がある。」

   「東海第2、内閣府が担当だが、原子力防災協議会の中で避難について具体化についての協議をおこなっている。」

   「7基は、ゆるぐことはない。地元の理解を得て再稼働していく。夏以降動かす。決定的にいつということは言えない」

相良「地元の合意は」

   「避難計画について、国から支援をしてほしいと言われている。」

相良「避難計画まだ、多くはできていない。国は介入するのか」

  「自治体の作成義務があるが、解決しにくい課題について、支援要請があれば対応する」

相良「国が前面にたって対応する、ことの意味は」

  「自治体の求めに応じて

相良「従来方針でいいのか」

  「いい」

 

青森「①世界の再処理の状況は。②日本原燃29回目の延長を表明した。目途をどう考えているか。③MOX燃料の大間原発が建設中だが、原子力規制員会の審査状況は」

村松「フランスにおいては、つぶさに把握しているわけではない」

原子力規制庁川畑「再処理工場、設置審査は終了しているが、工事の段階で審査をしている。目途は立っていない。大間原発、設置変更許可の審査をしている。シームという地盤の審査をしている」

 

福島・佐藤「福島についての認識をお聞かせいただきたい。」

江川「資源エネルギー庁は、福島が原点。私は3.11の時、」原子力政策に関わっていて、福島へ行った。避難者とも話した。若手とか知らない人も増えているが、伝えていきたい。原点を忘れてをならない。そのうえで転換するのか。エネルギー政策として供給していかなければならない、GX,環境問題に対して、第6次エネルギー基本計画にそって進めている」

 

鹿児島・山崎「福島原発の事故を受けて、民主党も自民党も原子力の依存度を限りなく低減すると言ってきた。岸田政権は、それに逆行するのではないか。福島の経験にたっていないのではないか。国民世論の丁寧な集約が必要ではないか」

江川「今回の議論の経過は、オープンでやってきた。パブコメやる。」

山崎「民意は関係ないのか」

江川「国民の理解を得ることは常に考えている。」

山崎「転換する以上、丁寧な対応が必要」

 

高橋「再稼働と非難計画について。非難計画できたという回答はないのに、再稼働させるのか」

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20221214農政林務委員会(林務部)

2022-12-17 12:42:20 | 環境・森林

○中川委員 よろしくお願いします。

  最初に、これまでの森林づくり県民税の地域ごとの使い方の状況について教えてください。広く県民から集めているけれども、うちの地区にはお金が落ちてこないじゃないかとか、そういう話はあまり聞かないんですが、どんなふうに使われているか教えてください。

○柳原森林政策課長 森林税に関する地域ごとの状況という御質問でございます。

  私ども毎年事業の実施の成果を取りまとめて、それをメニューごと、かつ地域振興局別の執行額ということでお示しをさせていただいております。現在の第3期も昨年までの状況はお示しをさせていただいております。

  もともと10の広域であっても中の市町村の状況、森林の状況、違いますので、なかなか10の地域振興局が押しなべて均等の額になるというものではございません。

  第3期の状況で見ますと、市町村には森林づくり推進支援金ということで、人口ですとか森林面積に応じた定額の配分がございますので、そういったところは、全体的には、例えば市町村数が多かったり森林面積が多ければ、その地域には推進支援金分というのは少し多めに配分されているというものでございます。

  ほかの事業については、事業の公募ですとか優先順位を勘案して事業を実施してまいりました。例えば里山で防災、減災の部分については、航空測量、レーザー測量で県下全体の危険度を判別し、その中で優先順位をしっかり現地を確認し、市町村が方針をつくって実施をするというような手順を取っておりますので、そういう順位づけを基にやっている事業、あるいは公募でいけば、いろいろな木を使う、そういったものの公募で実施をしているということでありますので、結果的には地域振興局ごとのばらつきが出るものもございます。

  これについては、地域の県民会議というのがございまして、今年私、3か所ぐらい県民会議参加させていただいて意見を聞いてきました。やはり地元の皆さんからすると、こういう横並びの状況というのはかなり気になる部分もあるようで、なぜうちはこういう状況なんだという意見が出たり、じゃ、来年こういう事業を少し事業費を持ってくるためにはどうすればいいんだというような御意見も活発に出ていました。

  地域会議はその森林税を財源として、事業実施の評価だけでなくて、その財源を使ってどう地域の森林のいろいろな事業につなげていくかというところでも、非常に活発な意見が出されていましたので、地域振興局に対する非常に大きな動機づけになっているのかなというふうに思っています。

○中川委員 ありがとうございました。

  9月定例議会でこの森林税の使い方について質問したところ、メールが会派のほうに来ました。一つは、これは直接二重課税じゃないかという話があって、上田に住んでいて、青木村に別荘があるので家屋敷課税がそっちでもかかって、上田市でもと、両方で森林税を取られているということと、それから、森林環境税が始まるので、今の物価高の中で負担感が非常に強いと、というお手紙をもらいました。

  聞くところによると、知事の青木村でのときにもお手紙で出したということを聞いていましたので、その経過、多分これ税務課のあれだとは思いますけれども、一応林務で聞いておかなければいけないかと思いますので、よろしくお願いします。

○柳原森林政策課長 森林税の徴収の関係の御質問でございます。

  今回条例でお願いしています森林税につきましては、県民税の均等割の超過課税方式ということで、個人の方には年500円、法人の方には均等割額5%ということでお願いしています。個人の方に関しては、いわゆる市町村の住民税の均等割に超過課税という形で課税をさせていただいています。

  この制度で、先ほど来、二重課税というお話がありましたけれども、その住民税の均等割というのは、その市町村に住所を有している方と、住所を有していない市町村に例えば家屋敷を持っておられる方についても、この住民税均等割というものが徴税をされております。

  これは、いわゆる家屋敷をお持ちの方も、例えば道路とか防犯とか消防とか、いろいろな行政サービス、社会的費用がかかりますので、そういったものを負担していただくという観点で御負担をいただいているものでございまして、昔からそこがもう同じ県の税金であって、その県内に住所地以外のところに家屋敷を持っている場合に、その均等割がかかるということは二重課税ではないかということで訴訟になった例もございます。

  ただ、判決としては、やはり住所以外に家屋敷を持っておられる方は、余計多くの行政サービスを受けているという点と、個人の均等割自体が低額なので、租税負担の均等にも配慮されている、あるいは賦課徴税事務の簡素化、確実な徴税という観点で、そういうことは有用ですよという判例で出ております。

  押しなべて今回森林税に関しては、これまで3期15年やってまいりましたが、当初からこの住民税均等割、超過課税方式で実施をしておりまして、これは先ほど来の社会的費用の部分とかぶりますが、森林においてもその住所地以外のところに家屋敷をお持ちの方については、例えば水源涵養ですとか県道の保全ですとか、例えば保険機能、そういった森林の広域的機能の恵みを受けていただいているという観点でこういう徴税方式を行っているというものでございます。

  この制度当初の段階ではいろいろな税目を検討した経過がございます。例えば自動車税に課税するという形ですとか、あるいは法定外の目的税でやる場合と、いろいろな議論がされました。ただ、やはり徴税コストですとか初期費用という観点で、これが一番ベストだということで制度を今実施してきた経過がございまして、長野県を含むこういった森林税として超過課税で税を徴収しています37の府県に関しては、全く皆さん同じ手法でやっているというものでございます。

○中川委員 それと、環境譲与税の関係。

○柳原森林政策課長 失礼いたしました。

  森林環境譲与税、今市町村に対して譲与されているのは森林環境譲与税で、令和6年から森林環境税ということで国民の皆さんに徴収が始まります。これは1,000円徴収が始まりますが、これは今の地方税法の枠組みではなくて、新たに国税として森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律というのができていますので、住所地にあるところの方にお一人1,000円という形で徴税が開始されますので、これはこの森林税のような家屋敷云々ということではなくて、住所地のところに1,000円課されるというものでございます。

  負担感云々というお話もございました。確かに今回森林税を継続をお願いするに当たって、いろいろな説明会の中でも、我々森林環境譲与税で使う部分と森林税で使う部分、しっかりと市町村とすみ分け、役割分担をしっかり決めて実施をしていくということで御説明をさせていただいていますが、なかなかやはり森林自体手つかずで、どちらかというと少しやはり手を入れない森林たくさんございますので、そういった財源として森林税であり、森林環境税を原資とする森林環境税をしっかり使っていかなければいけない時代を迎えていますので、そういった財源でしっかりと整備をしていきたいというふうに思っております。

○中川委員 ごめんなさい、ちょっと違うな。

  今、防衛費の増の問題で、復興税の所得への課税のことについて議論がされていますけれども、環境譲与税は、復興税の均等割課税がこれで令和6年からなくなるので、それに代わって環境譲与税を入れるというふうに私は説明を聞いていますが、いかがですか。

○柳原森林政策課長 もともとの復興税については、いろいろ所得割に復興税の税率を掛けて徴収している部分もございますが、今地方税として県と市町村に対して500円ずつ実施をしているものは、時限的に令和5年まで500円ずつ徴収しています。

  それが終了し、令和6年から森林環境税という形で税が開始になりますので、御負担いただく分については必ずしもそこは根拠法が違いますので、全くオーバーラップはしませんけれども、その個人の方が復興税として1,000円負担していたものが終了し、森林環境税としての1,000円が始まるという説明をしてきていると思います。

○中川委員 そうした説明も必要かなというふうに思います。

  さて、次はもう少し踏み込んだ質問をしますが、県民の皆さんから再造林に当たって様々な環境への配慮などについて質問があって、今日の説明の中でもガイドラインをつくるという話がありました。このガイドラインの、具体的にこういうことを課題としてガイドラインをつくっていくというようなところについて、もう少し説明をください。

○千代信州の木活用課長 今検討を進めております主伐・再造林のガイドラインについての御質問でございます。

  どのような課題の下にということなんでありますけれども、まず再造林をしっかりするには、その場所なり、その前の主伐、伐採の行為が適切に行われているかどうかということが非常に重要でありまして、その上で適切な再造林ということになるわけですけれども、問題意識としましては、間伐ではなくて一面、一団の森林が伐採してなくなりますので、法律上しっかり定められている手続とか施業の制限というものがありますので、こういったものを遵守しているかどうかというふうなところが一つ重要になってまいります。

  それから、その上で、景観ですとか防災上の観点も踏まえながら、林地が適切に保たれているか、荒れるような形の作業になっていないかというふうなことで、そういった意味で現地に適した作業をいかに行うかということが重要になってくるわけであります。

  さらには、伐採のときに発生した枝葉とか、搬出して売れないもの、こういったものが適切に谷とか谷筋とかそういったところに堆積していないか、しっかり整理されているかというようなことも重要であります。

  こういったところをしっかり分かりやすくまとめて、事業をする皆さんにガイドラインとして示したいというふうに考えております。

  具体的には、事業体の皆さん、切る皆さんが配慮すべき項目、事項等を一つ一つしっかりチェックして評価できるというふうな内容のものを作成してまいりたいというふうに考えているところでございます。

  以上です。

○中川委員 ぜひ、皆伐ということで防災上の面で心配する県民の声がたくさんありますので、そこが、いろいろな施業の仕方があるので、そこをしっかりガイドラインの中で示すことが必要だというふうに思いますし、もう一個は、皆伐してそこに太陽光パネルがつくられたら困るなみたいな話もあるので、ぜひこれは林地開発許可申請、今森林法の改正などについても議論がされていますので、適正に行われるようにお願いしたいというふうに思います。

  それから、もう一つは、次に、松枯れ対策協議会で行ってきた皆伐の天然更新というのをやってきていて、私の地元でもその事業を使ってやってきたんですが、天然更新なものですから、なかなか集中豪雨とか来ると山が荒れてしまうんです、どうしても。だから、私はここもやはりこの森林税を使っての再造林の対象にしたらどうかなと思うんですが、そのお考えはどうでしょうか。

○中島森林づくり推進課長 松枯れ地の皆伐、天然更新時の再造林の補助の適用についての問いでございますが、通常松枯れ対策で、いわゆる森林税ではなくて国庫補助事業で自主転換を行っているところにつきましては、皆伐施業と同じになりまして、皆伐、あとはその後の植栽まで補助金で手当てをさせていただいているといった事業がございますけれども、委員おっしゃっているのは、それ以外に被害地を皆伐して天然更新に委ねるというところのことだと思いますけれども、こういった場合につきましても、今御審議いただいている次期森林税において、10分の10の再造林の対象になる場合があると思います。

  全てが対象になるかどうかはちょっとそれぞれの状況によるかと思いますので、そこのところはしっかりと現地機関等と御相談いただいて、対象になるかどうかの確認をしていただければと思います。

○中川委員 よろしくお願いします。

  次に、これは前回も質問しましたけれども、防災・減災の間伐に必要な1,500ヘクタールというのが、数字上の話ではなくて具体的な林地、こういうところがやはりやらなければいけないんだよというのを示さないと、数字だけの話ではなかなか県民は納得できないという質問をしましたが、その点についてもう一度お聞かせください。

○中島森林づくり推進課長 9月定例会のときにも委員から同様の御質問をいただきまして、1,500ヘクタールの数字的な根拠について説明させていただいたわけでございますけれども、そういった部分につきまして、今後GISデータ化等を今準備を進めておりまして、実績と今後対象とする予定地といったものをホームページ上で公表する準備を今進めているところでございます。

  いずれにしましても、この1,500ヘクタールを含みます4,300というもともとの数字につきましては、前回の繰り返しになりますけれども、リモート技術でまず対象箇所を抽出し、そこについては、必要な箇所について市町村と地域振興局で現地調査をしております。

  それを受けて、今度は市町村が里山整備方針というものを策定しております。これは全市町村策定しておりますけれども、これがみんなで支える里山整備事業、この防災・減災の間伐を進めるための事業でございますけれども、そこで設定しておりますこの里山整備方針、これが、これを設けた、方針を立てた森林について森林税を当てるという決まりになっておりますので、そこのところでその中から優先順位をつけた場所について、そこの4,300ないし1,500ヘクタールといった数値が出ているものでございます。

  いずれにしましても、今年度中にはホームページ上で地図データのような形で表示させていただきたいというふうに考えております。

○中川委員 現在では明確になっていないけれども、今年度中には県民の目に見えるようにするというふうに理解をしました。

  時間がありませんので、私、税金を入れていくためには、森林の公益性、公共性というのを高めていく必要があるというふうに思うんです。

  昭和30年代の木材は、調べてもらったので、私のほうで言ってしまいますけれども、杉でいえば1立米3万6,000円くらいで取引されていたのが、今1万円でしか取引されていない。当時のお金で取引されていれば、それは子供を学校に出すというのはできた。結局そういうことができていない理由は、やはりそれは外国産材を輸入しているからだというふうに思うんです。

  本来的には木材を売ったお金で川上から川下まで回るということが理想で、これはもう佐々木先生からも言われていましたけれども、資本投下した人件費だとか機械などの生産手段に係る費用だとか、あるいは今回の再造林する費用だとかが回収できていない現実ということが問題なわけです。

  本来なら投下資本を回収することができる木材価格にして、輸入材には相当の関税をかけるべきだというふうに私なんかは思うんですけれども、しかし、WTOだったかTPPでそれができない。なので、国の政策として路網整備や機械導入などに税金を投入してきているわけです。

  森林の公益的機能だとか、例えば二酸化炭素の吸収源だとか湛水能力による防災・減災などに、そういう意味で言えば着目して、環境譲与税とか我々のこの県民税だとか、こういったものが税金に投入をしていく理由にしてきているわけです。ですので、森林整備というのは、よりやはり公益性だとか公共性を高めていく必要があるんじゃないかなということを強く思うんです。

  先ほど来、熊本や鹿児島の視察をしてきたというお話が出ていますけれども、熊本の製材の皆さんは、最初は協同組合でみんな集約して大きい協同組合をつくって、それが製材会社に今なっていて、私のほうから常務理事の方に質問をしました。長野県で需要がちゃんとないと木を出すというのも大変じゃないですかというふうに質問をしたら、逆に、安定的な供給があってこそ安定的な需要があるんだというふうに言われて、ちょっと目からうろこ的なことがありました。

  そういう意味で言うと、将来的には、森林組合は広域化してきていますし、販売も木材センターが協同組合化されています。製材も、それは長野県の特性はあるんだけれども、税金を投入する以上は、一定の公益性、公共性を持つという意味で言えば、集約化ということも念頭に、頭に置いていかなければいけない時代になっているんじゃないかなと思います。その点が一点、お聞かせください。

○栩秋県産材利用推進室長 まず、ちょっと一点御訂正ちょっとお願いしたいと思います。

  今の木材価格の変遷ということでございますけれども、昭和30年代、県の統計が始まったのが昭和45年からということでございまして、昭和30年代は全国の国の統計のほうを参考にいたしますと、全国平均では1万円から2万円台ということで、まだ市場が安定していなかった中でこういった推移をしておりました。その後、40年代に入って2万円台から3万円台に上昇し、委員の御指摘のありました3万6,460円というのが昭和55年にピークを迎えるという形になっております。その後、下落傾向に転じているというような状況がございまして、まず一点、そのことについてでございます。

  その上で、県内の製材工場の集約化等というふうな御提案ございました。確かに製材工場が支援を受けて製材施設等の近代化等を図るという意味では、県産材の利用の担い手としての責務というのが当然発生しているというふうに考えておりますので、当然我々として施設整備をした製材工場等においては、そういった意識を高めて取り組んでいただきたいということを考えております。

  その上で、製材工場間の連携の体制づくりということでは、先ほど池田委員の御質問にも部長からもお答えしましたように、私どもとしては、まずは既存の製材工場、既に900社あったものが100社に減っているという現状の中で、いかにこの100社をしっかりと生かしていくかという観点で、水平の連携であるとか垂直の連携といった形での体制づくりというのをまずしっかりとつくっていきたいというふうに考えておりまして、この中で、今ありましたような需要をしっかり確保する中で、山元の生産体制というのも強化しながら、安定した供給ということに結びつけていきたいというふうに考えております。

  以上でございます。

○中川委員 最後にですが、これも9月議会の中で部長に質問しましたけれども、議会棟の前に県有林の木がある。200年後の県財政を展望して県有林がつくられてきたというお話をして、それに対して部長から、ゼロカーボンや生物の多様性の保持など、公益的機能も加わっているという認識が示されました。

  本当に極端なことを言えば、山を持っていても儲からないという状況があるので、いっそのこと国が買い取って、3桁国道や国定公園のように県が管理するというような、まさに公共というものにしたほうが税金は使いやすいのかなというようなことも考えないわけでもありません。

  改めて部長のほうから、県民の皆様から貴重な税金をいただいて山を整備していくその意義について御所見をお聞かせいただいて、私の質問を終わります。

○吉沢林務部長 ただいま公益的な観点からの税を活用させていただいた森林づくりについての意義等について御質問いただきました。

  9月の委員会のときにも委員から御指摘、御質問いただきまして、県有林の機能、関係ですけれども、その際に、今お話のありました公益的機能の維持、かつては県道保全であったり、あるいは水源涵養であったり、そこに加わって、近年では二酸化炭素吸収であったり生物多様性といったお話もさせていただきました。

  そうしたことから、今回森林づくり県民税に関する条例の改正案を提出させていただいており、また、委員からお話のありました基本方針の中でも、ただいま申し上げた長期的にそういった望ましい姿を実現するために、今私どもが県民の皆様から御協力をいただいて取り組まなければいけない取組、今お話のあった再造林であるとか、あるいは防災・減災のための里山の整備、あるいはそういったものを支えるための林業人材の確保、育成、それから、木や緑により多くの県民の皆さんが親しむことができる里山づくりといった、そういった大切な取組に活用させていただきたい旨を、これまで基本方針案の説明で県民説明会等で皆様にも説明をさせていただいてまいりました。

  御指摘の財産所有の在り方等につきましては課題として受け止めをさせていただきたいと思いますけれども、私ども公益的な機能を持つ森林を守り育て、また、そうした観点から貴重な税金を活用させていただいて森林整備を進めさせていただく、こういった重要性を県民の皆様と改めて共有をし、御理解をいただくことが非常に大事だと考えていますし、そういった観点から、税を活用させていただくことになった場合のそういった効果をより県民の皆さんに実感をしていただいて、そうした県民の皆様の期待に応えるような取組をしっかりと進めさせていただくことが大事だと考えておりますので、そうした観点で今回提案させていただいております。

  以上でございます。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20221213農政林務委員会(農政部)

2022-12-17 12:38:04 | 食・農業

○中川委員 おはようございます。よろしくお願いします。

  まず、農業試験場などで、圃場や動植物の管理を行ってきた特別業託職員が退職をして、詳細な圃場や動植物の特性の維持管理が難しくなっているようです。結果として、試験研究業務の継続性や研究水準の維持が難しくなるのではないかと思われます。圃場や家畜等の管理を行う職員は的確な管理技術と再現性が要求されるので、技術の伝承という観点からも、今のままでは非常に困難かなという意見が現場から届いていますが、農政部としての認識をお伺いします。

○塩川農業政策課長 委員の御意見といたしましては、試験場等の圃場管理等の問題でございますが、現在は試験場等の圃場管理ですとか家畜飼育の業務につきましては、会計年度任用職員ということで任用を行っております。会計年度任用職員というのは5年を1期間として任用するということもございまして、5年間では短いんではないかとか、あるいはやっぱり試験場のほうで技術だとか資格がないと、大型の機械を扱う免許が必要だったりということで、なかなか安定的に確保することが難しいだろうというような課題は十分にお聞きしておりまして、農政部のほうでも共有をしているところでございます。

  人材の安定的な確保、技術の知識の継承などの課題というのは十分に認識しているところでございますので、今後も試験場のほうの実態をよくお聞きした上で、人事課とも相談しながら最善の対応を考えていきたいと考えております。

○中川委員 この件は、会計年度任用職員の問題、一般質問でも触れましたけれども、ぜひ継続、技術がしっかり継承されるように、農政部としても努力してほしいと思います。

  次に、畜産農家への支援の強化についてお伺いします。

  最近、私の地元で、70頭ほど飼っていた酪農家です。60年以上やってきた農家が、9月でしたけれども、廃業しました。私の住む地区内でも、かつては20頭以下の小規模な畜産農家がかなりありましたけれども、これで1件もなくなりました。

  県内の畜産農家の推移と、肉用牛、乳用牛、豚、鶏の飼育家畜数の推移がどうなっているのか、それからまた輸入粗飼料の支援が今回出ていますけれども、輸入粗飼料のこの間の価格の推移や牛1頭当たりの粗飼料の平均的な使用量、年間の粗飼料の価格高騰による1頭当たりの経費の増加分、そして今回の酪農粗飼料価格高騰緊急対策事業補助金及び国の国産粗飼料利用拡大緊急酪農対策事業により、牛1頭当たり合わせて1万5,000円ということになるのかなと思いますが、一応確認の意味で教えてください。

  それから、酪農家にとっては、子牛の雄というのが生まれたときには、それを売って一定の副収入となるわけですけれども、この値段もかなり落ちてきていて、経営が厳しくなってきている面があるとお聞きしました。子牛の雄の引き取り価格の推移と、それから廃用牛の価格も値段が下がってきているというふうにお聞きしました。この取引価格の推移について教えてください。

○吉田園芸畜産課長 畜産関係の質問を幾つかいただきました。

  私のほうからは、餌関係以外のところをお答えさせていただいて、餌関係のところは対策室長に答えていただくようにします。

  まず、畜産農家数の推移でございますけれども、最新の令和4年度11月時点で、現在畜産農家は687件でございます。これは、前年対比で94%ということで、減少傾向にございます。これは農家数も減少していて、畜産に限らずというところでございます。

  それから、飼養頭数でございますけれども、乳用牛が1万4,400、肉用牛が2万900、それから豚が5万6,000、それから採卵鶏の鶏が54万5,000羽、肉用ブロイラーが67万、都合、長野県全部の家畜数は130万頭羽ということにございます。

  これらの畜種ごとの推移でございますけれども、酪農、いわゆる乳用牛と肉用牛のところは大体100から102%で横ばいで推移をしてございますが、豚とそのほかの鶏関係は減少傾向にあるということでございます。

  それから、ぬれ子、ホルスタインが子供を産んで生まれる子牛でございますけれども、大変この価格が取引上、低価格になってございます。前年対比で22%ですから、通常平均で1頭当たり10万で売られたものが、今現在2万1,000円ということで、ちょっと大変今までにない、かつてない下落ということでございます。

  もう一つ、廃用牛ということで、乳を搾って能力が低くなったものは廃用牛ということで、屠畜とかに回していくわけでございますけれども、その取引価格が、通常で言いますと大体1等当たり16万くらいのところが、今現在1頭当たり13万ぐらいで取引をされていて、18%のダウンということで、餌も高くなってございますけれども、そういった意味で酪農の収益の部分も苦しいところがかいま見られるという状況でございます。

○青沼家畜防疫対策室長 それでは、私のほうからは酪農の飼料関係についてお答えをいたします。

  国の事業でございますが、国産資料の利用の増加などを要件にいたしまして、26か月齢以上の牛について1万円を交付するといった事業になっておりまして、県の事業のほうにつきましては、その国の事業にプラス6,000円、それからそれ以外の牛についても県独自で支援を行うということで今回お願いしているところです。このため、国及び県の今回の支援につきましては、牛1頭当たり、26か月齢以上の経産牛については1万6,000円、それからそれ以外の牛につきましては8,500円といった形の助成になります。

  それから、輸入飼料の関係なんですが、輸入粗飼料につきましては令和3年1月から上昇を続けてございます。令和4年9月現在ですが、1トン当たり6万5,400円となっているところでございまして、前年の同月比ですが157%ということで、実にこの4月以来、ずっと過去最高を更新しているといった状況でございます。

  それから、粗飼料の平均の使用量でございますが、搾乳牛につきましては、これは農家の皆様によっていろいろ違うんですが、大体20キロから30キロを給与というのが通常でございます。今回の価格高騰によりまして、1頭当たりの粗飼料の増加分につきましては、経産牛で約3万2,000円ぐらい、それからそれ以外の育成牛中心ですが、1万7,000円の増加となっているところでございます。

○中川委員 まずお聞きしたいのは、子牛の引取り価格や廃用牛の引取り価格がここまで下がっている原因について、どんなふうに分析されていますか。

○吉田園芸畜産課長 まず、子牛の価格が下落している原因というのは、今のこのぬれ子を売ることによって、それを育てて肉にしていく方たち、肥育なんですけれども、その方たちが、いわゆる和牛の、より売れる方向のものに今傾注をしているところでございます。御案内のとおりインバウンドの少なくなっている中で、牛肉の消費が大変鈍っているということで、その影響がこの子牛価格に来ているということでございます。なので、インバウンドなり観光業界なり、そういったところの回復が見られなければちょっと厳しいというふうに思います。

  廃用牛も同じ原理でございまして、通常ミンチにされて肉として販売されていくものでございますけれども、その価格のところが今、低価格、下落しているということでこの価格になってきていますので、ちょっと経済循環がよくならないと回復が難しいのかなというふうに分析してございます。

○中川委員 それから、粗飼料の価格高騰についての今後についてどんなふうに考えているか。要は、この円安が止まらないとどうにもならないという状況だと思うんですよね。だから、さっきの子牛の引取り価格だとかそういうのもそうだし、この粗飼料の高値でずっと推移していくということもそうなんですが、なかなかこれは本当に厳しい状況が続くなと思うんですが、そこら辺について認識を教えてください。

○青沼家畜防疫対策室長 粗飼料の今後の見通しでございます。

  若干昨日もお答えさせてもらった部分もございますけれども、海上運賃については若干下がってはきております。ですが、やはり為替相場、それから中東諸国、それから中国の買い付けの増加などによりまして、この先も粗飼料の価格高騰が続くという認識では私どもも思っております。

  やはり、昨日サプライチェーンの話も若干いたしましたけれども、県内生産、それから一番飼料を作りやすい北海道や東北、こういったところからの購入、それから国外からの輸入については一定のセーフティーネットを持って確保していくといった、まさしく安全保障的な部分につきましては取り組んでいかなきゃいけないと考えておりますし、県内の飼料増産、これは水田を使った飼料増産が非常に増えておりますが、今現在1,000ヘクタールを超えていますんで、まだここら辺につきましても啓発いたしまして、酪農家の使う粗飼料について確保してまいりたいと考えてございます。

○中川委員 もう少し質問を続けたいと思いますが、中信地区で調べましたら、4件の酪農家が廃業、あるいは廃業を考えているというふうに聞きました。

  それで、愛知県では、もともと食品残渣などを使って牛を飼っていたものを輸入飼料に変えた、その影響が非常に、長野県のように粗飼料を作るという状況がないので、非常に厳しくなっていて、30件が廃業しているという話を聞いています。長野県全体ではどんな状況ですか。

○吉田園芸畜産課長 畜産農家の廃業といいますか、リタイヤですけれども、私どもが持っているデータというのが、家畜保健所で調べている畜産農家台帳というものがございまして、お辞めになって家畜を飼わなくなった場合に報告が来る、そんなものになってございます。

  その中で、長野県全体で1年ごとにその畜産農家数がどの程度減ったかというのを直近3年くらいで見てみますと、年間で約33件の方がリタイヤされていると。この主な要因は、大体四つございます。一番最大のものが高齢化でございます。それから、二つ目がいわゆる経営主の病気であったり、家族労働力が病気や介護で足りなくなった場合、それが二つ目です。それから、三つ目は後継者がいなくて継承できない、それから四つ目が資金繰りが難しくなってきているという、そんな理由がございます。

  そんな中で、今愛知県のお話もありましたけれども、ここのところ餌が高騰してきて、先ほど言った資金繰りが困難になってきている農家が見られるというふうに家畜保健所のほうからも相談があるという状況でございます。

○中川委員 実は、冒頭申し上げました地元の畜産農家は、辞めることができた農家なんですよね、変な言い方ですけれども。つまり、えらい借金もなくて、辞めることができた農家という側面があるんです。

  松本で大規模にやっている農家のお話をちょっと紹介しますけれども、160頭飼育している酪農家さんに聞いてきました。自分で45町歩の粗飼料を作っているんですが、これで全体の大体6割、4割は購入しているそうです。それで、購入粗飼料の価格の高騰で、実際に自分の月の手取りが二、三万まで落ち込んでいて、今までの蓄えを食い潰しているというのが現実だそうです。乳価が10円引き上げられましたけれども、実はこれも昨日お話ありましたけれども、牛乳や乳製品がだぶついているので、上がっているとはいえ、収入の回復に結びついていないという現実があるそうです。このままではさらに廃業する農家が増えるんではないかというふうに言われていて、これはさっきの現状、粗飼料の価格のところや子牛などや廃用牛の取引のことを聞いても、かなり厳しいですよね、これね、正直言って。

  廃用牛、さっき13万という話が出ましたけれども、聞くところによると、3,000円でしか引取りがなかったとか、要らないとか、取引そのものが止まっちゃっているという話も中にはあるそうです。そうなってくると、副収入もない、餌代だけは高くなっていく、そういう状況になっているという大変厳しい現実だというのは、私は話を聞いていて思ったわけです。

  そういう中で出てきているのは、国が廃用牛に15万円を出す事業を3月から考えているというふうに聞きましたけれども、これがちょっとよく分からないんで、もし御存じなら教えてください。

○吉田園芸畜産課長 国の新しい経済対策の中で出された酪農経営改善緊急対策事業というもので、予算額で50億円のものでございます。この事業の目的は、乳価を上げることによって、乳製品、牛乳ですとかヨーグルトですとかそういったものの販売量が鈍ってくるのではないかなという予測の下、生乳と使うほうのギャップを薄めるために出た事業でございます。

  それは、すなわち生乳の生産量を絞っていくと。いわゆる生産調整でございます。国のほうは、いわゆる国の三大乳業メーカーとも相談しながら、年間大体今現在ですと762万トンくらい全国で生産されているんですけれども、それを5%程度、約35万トンの生乳の生産を減少させようと。そのためには、先ほど出ている廃用牛、いわゆる能力がだんだんどうしても下がってくるので、そういったものをちょっと早期にリタイヤさせた場合について、1頭15万の奨励金を酪農家に交付するといった、そういった事業でございます。

○中川委員 この後の質問とも関連するんですが、国は畜産クラスターなどをやりながら応援をしてきた。だけれども、せっかく育ててきた牛をそうやって廃用にしなければいけないという、何とも切ない状況があるなと私は思うんですね。

  そこでお聞きしますが、畜産クラスター関連事業は、これまで長野県でどのくらいの農家が利用してきたのか教えてください。

○吉田園芸畜産課長 畜産クラスター事業は、地域を挙げて畜産農家を守る協議会をつくって、その協議会でオーケーになった計画の中で、機械であったり牛舎であったり、そのハード施設を支援するという事業でございます。

  実は、平成27年から創設をされまして、これまで昨年の令和3年度までに長野県では504件の農家が活用していただいて、事業費で約59億、補助金でいいますと約27億の事業が活用されて、この数というのは全国的に見ても、内地の中では大変高い数字かなというふうに分析してございます。

○中川委員 そこで要望です。

  一つは、畜産クラスター関連事業の返済ですね、これをぜひ猶予する制度を国に要望してほしいです。これをやってほしい。ちょっとね、本当にもたないですよ、このままいくと。それから、もう一つは、学校給食用の牛乳が全体の生乳の10%程度を占めているわけです。これは4月の契約だもんですから、乳価の改定価格が反映されていません。これまで県が学校給食費の値上がり分について補助をしている、そういう制度をやってきて補正予算を組んでいるわけですから、学校給食用の牛乳の契約価格と乳価との価格差を補助する制度を農政部からちゃんと要請をしてほしいと思いますが、いかがですか。

○吉田園芸畜産課長 私のほうから返済の関係は答えさせていただいて、学乳のところはマーケ室ということでお願いしたいと思います。

  クラスター事業のうち、いわゆる自己負担分がどのようになっているかというと、委員御指摘のとおり、政策金融公庫でスーパーL資金というものがございます。そこの融資制度をお使いになる方がもう9割ほどということでございます。そういった方たちの返済は、当然据置きがあって、機械であれば七、八年、ハードの牛舎であれば三十何年というような、そういった返済期間になってくると思いますけれども、それについて、まさに今畜産の経営が芳しくないということで、実は国のほうが、まずコロナで需給が鈍ったときに、金融機関に対してその返済期間の猶予をしてくださいという通知が発出されてございます。ここのところ、令和4年になって価格高騰ということもありまして、都合2回そういう返済の緩和をしてくださいという通知が出てございます。

  実際、スーパーL資金の管轄の政府金融公庫にお聞きしましたところ、そういう制度はもうよく知っているんですけれども、実は相談が今のところ1件しかないという状況でございます。ちょっと我々もクラスターで活用している農家にこういった制度があるということは、よりもう少し周知しなきゃいけないかなというふうに思ってございますし、国に対してもそうなんですけれども、この返済を猶予するというのは、年数を伸ばしたり、あとは据置き期間を伸ばしたりということになろうかと思いますけれども、そういった現状をもう少しちょっとお聞きしながら、場合によって、必要であれば本当に国のほうに要請をしていきたいなというふうに思います。

○村山農産物マーケティング室長 私からは、学校給食関係の御質問についてお答えしたいと思います。

  委員お話しのとおり、学校給食の牛乳につきましては、学校給食法の施行規則等で毎日提供するということとされておりまして、いわゆる牛乳の安定的な消費拡大に重要な位置づけということで認識しているところでございます。

  現在、学校給食のいわゆる契約価格、いわゆる保護者負担については、毎年国の対策要綱等に基づいて、現在、私ども県のマーケ室で入札によって決定しているというところでございます。これにつきましては、委員お話しのとおり、毎年の契約ということで、年度当初の4月1日から1年間の契約ということでございまして、今回のように期中で改定されたものへの対応については、できないということではございませんけれども、いわゆる当初の契約単価に基づいて全ての学校給食現場で年間の献立ないしを立てているということで、中途での見直しが非常に困難ということもございましたし、あと、全ての学校の合意を得なければいけないということで、今回の乳価の価格改定に合わせた期中の見直しということはできていなかったということになります。

  ただ、毎年の乳価の決定においては、現状の生産費、生産コスト等を反映したものとして設定をしていきますので、令和5年については現状の状況を把握した契約価格ということで進めていく方向でございまして、これについては学校給食現場の担当になります市町村に対しても、来年における学乳の値上げという部分については、教育委員会と連携して早くからアナウンスをして対応するようにお願いしてきたところでございます。

  そのような中、委員からお話のございました学校給食用の牛乳の契約価格と乳価の価格を補填する制度ということでございますけれども、これも委員のほうからお話ございましたけれども、現状、学乳に限らず食材全て値上がりしているというような状況もございまして、学校給食を負担する国の制度として臨時交付金がございまして、これについては今、これも委員のお話ございました県の教育委員会のほうで補正で対応してきたところでございまして、本年度についてはこの交付金が活用できるということで、これも市町村に対して教育委員会と連携してアナウンスしてきたところでございます。

  実際、今後、国への要望については、今の制度上、いろいろなそごがある部分があったりとかそういった部分、必要に応じて必要なことを、国に対しては、教育委員会とも連携を密にして、要望等も検討していければということで考えております。

○中川委員 時間ですので最後にしますが、今の話はやっぱり県として独自にやるべきですよ、これ。農政部長、いかがですか。

○小林農政部長 学校給食における牛乳の取扱いに対して、農政部としてどう取り組んでいくかということでお尋ねがございました。

  確かに学乳については、乳製品の中でも消費量という部分のところを考えれば、学校での消費というのは非常に大きなものだというふうに認識をしております。生産を振興している農政部としましては、生産者の経営がより一層安定していくということを考えれば、消費側の対応も考えていく必要があるんではないかということも考えているところでございますので、今後、教育委員会等ともお話合いをしながら、どういった対応ができるのかということについて検討させていただきたいと思います。

○中川委員 よろしくお願いします。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20221209 保育人材の確保に向けた処遇改善の一層の充実を求める意見書

2022-12-16 22:49:13 | 長野県議会

議第3号 

 

 

保育人材の確保に向けた処遇改善等の一層の充実を求める意見書(案)

 

年月日

 

衆議院議長

参議院議長

内閣総理大臣

財務大臣

文部科学大臣

厚生労働大臣

こども政策担当大臣

内閣府特命担当大臣(少子化対策) あて

 

議長名

 

 地方自治法第99条の規定により、下記のとおり意見書を提出します。

 政府は、保育分野における人材不足を解消するため、職員の配置状況や勤続年数に応じて給与加算を進めており、経済対策として本年2月以降、保育士等の収入を3%程度引き上げる処遇改善を行い、現在もこの処遇改善と同様に保育士等の賃金の算定基準である公定価格について加算等を行っている。
 しかしながら、保育士は他産業と比べて低賃金であることや、保育現場における人員の配置が少なく業務内容が多忙であることなどから、なり手不足や、これを要因とする待機児童問題が解消されず、一人ひとりの子供に応じた質の高い保育を満足に行えない中、給与面等の処遇が恵まれる都市部に人材が流出し、地方における保育人材の確保は厳しさを増している。
 こうした中、児童虐待の相談対応件数が増加傾向にあるなど、子育てに困難を抱える世帯が顕在化している状況等を踏まえて、本年6月に児童福祉法が改正され、市町村に対し保育所等へ相談機関を整備することが示されるなど、保育施設や保育士等が身近な子育て支援の場として新たに位置づけられ、さらに保育人材の確保が重要となっている。
 よって、本県議会は、国会及び政府において、子供たちがより豊かに育っていける社会を実現するため、保育士等の給与や職員配置基準の見直しを進め、勤務環境の向上に取り組み職業としての魅力を高めるとともに、保育所等の新たな役割や地方の実情を踏まえた支援を拡充するなど、保育人材の確保に向けた処遇改善等の一層の充実を図るよう強く要請する。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20221208 一般質問 新型コロナ第8波への対応について

2022-12-16 22:24:00 | 長野県議会

【中川】知事は11月10日の記者会見で「観光客から感染が広がる状況はほとんど起きていない。多くの観光客を迎えることが地域を元気にすることにつながる」と話していましたが、何を根拠に「観光客から感染が広がる状況はほとんど起きていない。」と明言したのでしょうか?長野県が人口10万人あたりの感染者数で全国的に高い状況が続いていますが、今般の長野県内の感染拡大の原因についてどのように考えていますか。

【知事】観光客から感染が広がる状況がほとんど起きていないと言っている根拠は何かということですが、私ども、陽性となられた方にアンケート調査をさせていただいております。考えられる感染経路として、非常に多くなっているのは「同居」のご家族間、「学校」、「職場」が上位を占めているというのが今の状況であります。

また、今全国旅行支援で多くの方々、観光に行かれている方が多いわけでございますけれども、全国旅行支援の条件は、ワクチンを3回接種済み又は検査結果が陰性という方を対象とおります。観光関係者の皆様も、この間感染対策にご努力いただいているところでありますので、観光客が要因として集団的な感染が起きているという事例はほとんど見られない状況でありますので、会見の場でそう申し上げたところであります。

また、人口10万人当たりの新規陽性者数が長野が多くなっている原因をどう考えているのかということでありますが、専門家懇談会でもこの点についてはご議論いただいているわけですが、一つは第7波における陽性者数が全国の中でも本県は少なかったということが言われております。感染による免疫を獲得された方が少ないというのが要因の一つとして考えられます。

また、気温の低下によりまして、換気が不十分になっているのではないかということであります。今北海道も本県も少し横ばい、あるいはやや減少という状況になっていますけれども、先行した地域は寒冷地でありますので、こうしたことも要因になっているのではないかと考えております。

こうした状況認識の下で、県民の皆様方にも換気の徹底等呼びかけさせていただいているところでございます。

 

【中川】知事は信州医療センターと松本市立病院と医療のひっ迫について県民に広報をしました。現在、確保病床の入院者数とそれ以外の入院者数を加えた総入院者数が12月4日758人となり、その影響は一般医療へも及んでいます。

 高齢者など重症化リスクのある方への対応と、若年者などリスクの低い方への対応を分けていますが、保育園や小学校に通う子どもから高齢者を含む家族全員に感染が広がっています。

知事は、「行動制限を県民に求めることは想定していない」と言っていますが、私は感染者数を減らしていくことをしなければ医療のひっ迫状況を改善することは難しいのではないかと考えますが、今回の8波をどのように乗り越えていこうとお考えなのでしょうか。

【知事】まず行動制限については絶対に何もやらないということを申し上げているわけではなくて、強い行動制限はできるだけ行わないようにしていきたいと、現時点では行う考えはないということで申し上げてきています。

この新型コロナとの闘いは常に変異株の状況等も見極めなければいけませんので、常に状況を判断しながら適切な対応していきたいと考えております。

そうした中で今の状況でありますけれども、入院されている方のほとんどがご高齢の方、基礎疾患をお持ちの方であります。またお亡くなりになられる方もほとんどこうした方々であります。

そういう意味では、まずはこうした重症化リスクが高い方をしっかり守っていくということが重要だと思っておりますし、そうした観点で県民の皆様にも協力の呼びかけをさせていただいております。

他方でオミクロン株の特性、あるいはワクチン接種の推進、さらには抗ウイルス薬の投与等によりまして、新型コロナによる重症者、あるいは死亡者の割合というのはこれまでに比べるとだいぶ下がってきているという状況があります。

母数が少ないですが、例えば第1波の重症者割合は陽性者のうち6.58%、第2波のときは2.25%、第3波のときは1.29%という状況でありましたが、第6波、第7波オミクロン株になってからは0.02%とそれぞれ同じ数字でありますけれどもだいぶ低い状況であります。

死亡者の割合についても第1波は亡くなられた方は0でありますが、第2波は2.25%、第3波は1.73%、第4波は1.98%ということで、オミクロン株になってからは0.16%、0.12%というのが第6波、第7波の長野県における現状のデータであります。

そういう意味で重症化される方、死亡される方の割合は今までに比べてだいぶ低下をしてきております。そういう意味ではあまり強い行動制限をかけずに何とか乗り越えていきたいと思っております。

そういう意味では、まずは基本的な感染対策をしっかり行っていくということが重要でありますし、昨日も年末年始に向けての呼びかけを行わせていただきましたが、今申し上げたように、ハイリスクの方とそうでない方とで、行動はだいぶ違う形になっています。ハイリスクの方は体調が悪いときはすぐ医療機関に相談・受診をしていただきたいということで呼びかけていますし、一方でそうでない、例えば若くて健康な方については症状があってもできるだけセルフメディケーションでお願いしますということで要請をさせていただいております。いずれも入院あるいは外来に過度な負担がかからないようにということを念頭に置きながら呼びかけさせていただいているところであります。

こうした呼びかけの趣旨、内容を徹底することによって、多くの皆様と問題意識を共有して第8波を乗り越えていきたいと思っております。

現状、新規陽性者数の伸びは鈍化して、1週間あたりの新規陽性者数は少し減少している状況でありますが、医療現場の厳しい状況は継続しております。介護医療関係の皆様方、大変厳しい状況の中でこのコロナと闘っていただいております。そうしたことを県民の皆様ともしっかり共有しながら、我々としては新たな変異株の出現に備えつつ、また年末年始を契機として、感染の再拡大、あるいは季節性インフルエンザとの同時流行、こうしたことへの警戒を怠ることなく第8波を乗り越えていきたいと考えております。

 

【中川】また、年末年始の感染対策として休日の診療医への支援が補正予算で提案されていますが、これだけ大丈夫なのかと思います。たとえば、①希望者への新型コロナの検査キットの無料配布を行う、②年末年始に主要ターミナルでの無料検査所を開設しているが、車での来県者・帰省者が多い現状を考えて、高速道路のサービスエリア等での無料検査所の設置をするなど、更なる対策が必要ではないかと考えますがいかがでしょうか。

【知事】年末年始の外来診療体制を確保するために必要な予算を計上させていただきました。

加えて、外来のひっ迫を避けるために、自己検査、セルフメディケーション、そして軽症者登録センターへの登録の呼びかけを行ってまいります。

検査キットについては、基本的には、あらかじめご購入いただくことをお願いしているが、一方で、高齢者施設の皆様方には配布しておりますし、住民税非課税世帯の方あるいは就学援助の認定を受けているご家庭の小中学生の方々など、こうした方については、オンラインで、有症状の方は、ご要請いただければ無償で配布しております。

また、医療機関には約20万個の検査キットを配布させていただいております。外来がひっ迫時には、受診を受け付けることなく検査キットを配布していただくということで対応をお願いしている。

年末年始の帰省等に備えては、ゴールデンウィークやお盆と同様に、移動の中心となると考えられる長野駅及び松本駅周辺に臨時の検査拠点を設置してまいります。また薬局等における無料検査は継続しているところでございます。

こうしたことを通じて対策を行っているところですが、これからも引き続き、新型コロナの感染拡大の状況、変異株の発生状況、こうしたこともしっかり見極めながら、必要な対策を柔軟に実施してまいりたいと考えております。

【中川】長野県が新型コロナの抗体保有率が全国で一番低いという報道がありました。それだけ感染しないように長野県民は注意をしてきたということだと思います。経済を止めずに医療への負担をかけないように感染をコントロールすることは極めて難しいかじ取りです。病床と医療従事者の一層の確保をお願いし、質問を終わります。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20221208 一般質問 会計年度任用職員の処遇について

2022-12-16 22:22:41 | 長野県議会

【中川】会計年度任用職員にはパートタイム勤務とフルタイム勤務とありますが、一般の非正規労働者のフルタイム勤務とパートタイム勤務労働者と比較して賃金は安いのではないか。

【総務部長】全く同じ条件で比較できるデータではございませんが、本県の毎月勤労統計調査によりますと、パートタイムについては、令和4年9月分の民間の全産業の労働者の平均賃金が月額約11万円であるのに対しまして、本県は月額約12万3,000円でございます。

先ほど申し上げた通りこの金額は、民間・本県ともに、様々な業種、勤務時間の方が含まれておりますので、一概にどちらが高い低いということは言いがたい状況かと思います。

他のフルタイムにつきましては、民間の統計数値がないため比較ができないというものになっております。

会計年度任用職員の処遇改善につきましては、県としてこれまで努力をしてきたところでございますが、本年の人事委員会勧告を踏まえまして、本定例会に提出をいたしました一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案をご議決いただいた場合には、常勤職員の引き上げに準じる形で会計年度任用職員の給料・報酬額につきましても、令和5年4月により引き上げることとしております。

引き上げ額は、業務内容、勤務時間等によって異なりますが、フルタイム職員で月額3,200円から4,200円程度、パートタイム職員では1日7時間45分、月16日勤務の場合、月額換算で2,500円から3,200円程度引き上げる見込みでございます。

 

【中川】市町村では、保育士の会計年度任用職員が正規の保育士と同等の仕事をしているケースがあります。そもそも正規職員の不足を会計年度任用職員で補充するということはあるのでしょうか。

【総務部長】正規職員に欠員が生じた場合、地方公務員法において常時勤務を要する職に欠員が生じた場合に任用が認められ、常勤職員と同等の職務内容や責任を担える臨時的任用職員を別に採用し対応しており、会計年度任用職員で補充することは行っていない。

 

【中川】会計年度任用職員には、期末手当は支給されていますが、勤勉手当が支給されていません。人勧のプラス勧告は勤勉手当に配分され、マイナス勧告は期末手当に配分されているので、このままでは会計年度任用職員の一時金は減る一方となってしまいます。国においては非常勤職員への勤勉手当の支給が検討されているようですが、県としても勤勉手当を支給すべきではないですか。

【総務部長】会計年度任用職員に対する勤勉手当の支給についてでございますが、地方公共団体の会計年度任用職員への勤勉手当の支給につきましては、制度創設時に国において、期末手当の支給を優先する等の理由から、勤勉手当については支給しないことを基本としつつ、今後の検討課題とされたところでございます。

しかしながら、制度創設以降、地方公共団体における期末手当の支給が定着してきていること、国の非常勤職員に対する勤勉手当の支給状況や、現行の地方自治法ではパートタイム会計年度任用職員に勤勉手当を支給することができない規定となっていること、などを踏まえまして、現在、国の有識者会議におきまして、勤勉手当の支給について、法改正等も視野に入れた検討を行っていると承知しております。

会計年度任用職員の処遇改善は大変重要だと考えておりますので、県としましては、国における法改正等の環境整備や、これに関わる地方財政措置、また、他県等の状況も踏まえまして、今後の対応を検討してまいりたいと考えております。

 

【中川】任期について、5年を限度に更新可能とし、5年以降は公募により選考の結果、当該者が適任であれば再度の任用を可能としていますが、消費生活相談員、登記事務員、労働相談員、手話通訳事務員などは、専門的な知識が必要であり、積み重ねてきた経験も貴重であり、後補充の難しさもあると考えられますが、任期についてどのように考えていますか。

【総務部長】会計年度任用職員は、制度上、一会計年度を超えない範囲で任用する職であり、職の設置にあたっては、会計年度ごとにその職の必要性を十分検討した上で設置している。

翌年度以降も同一の職を設置する場合は、採用における平等取扱いの原則と、同一の職員が継続して業務を担うことによる円滑な業務執行の観点とのバランスを考慮する中で、公募によらず長野県では5年間は任用が可能とするなど柔軟な運用を行っている。

5年間の任用が終了した後にさらに引き続いて任用を希望する場合、年度ごとに公募による選考に合格することが必要。

なお、消費生活相談員、登記事務員、手話通訳事務員などの、専門的な資格や経験・技能を要する職については、5年間の任用期間が終了した後に1度公募による選考に合格した後は、再度5年間は公募によらない任用を可能としている。

 

【中川】現行6つの区分に分かれている報酬水準区分に該当しない会計年度任用職員の報酬や業務内容について各部局に任されていますが、人事課としても適正な運用がされているか把握すべきではないですか。

【総務部長】会計年度任用職員の職の設置にあたっては、部局における設置要綱制定時に給与・報酬水準や業務内容について人事課に協議することとしている。

その中で6つの給与・報酬水準区分に該当しない会計年度任用職員についても、県や民間の類似の職を考慮した上で、その職の専門性や特殊性に見合った適切な給与水準になっているか全庁的な視点で確認している。

今後とも各部局の任用状況を把握した上で、制度全般の適正な運用に努めてまいりたい。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20221208 一般質問 保育士の処遇改善及び確保策について

2022-12-16 22:21:17 | 長野県議会

【中川】国は2022年2月から9月まで、保育士・幼稚園教諭、放課後児童支援員、社会的擁護従事者、福祉・介護職員等の処遇改善事業として、月額9000円の賃金引き上げの補助金を出すこととしました。

私は、女性が働き続けられる条件という観点から保育士の確保と処遇改善について質問をいたします。

国はもとより長野県においても女性の活躍を推進しています。女性が働き続けるためには、結婚、出産、子育てなど多くののハードルがあります。一方生涯働き続けることで、老後の年金を得ることができます。厚生年金の受給額平均は、男性の平均が16万6863円に対して女性は10万2708円です。女性受給者の45%が5~10万円です。女性の場合は会社員として厚生年金に加入していた期間が男性より少ないことの結果です。

女性の貧困の原因は、非正規雇用割合が男性に比較して高いことや、年齢に応じて賃金が上がりにくいことだと言われています。学校を卒業して正規の雇用についても、結婚、出産を機に非正規雇用となるケースが依然として多いわけです。

女性が働き続けることができるように保育所が利用されるわけですが、産休明け、育休明けで保育所に子どもを入れようと思っても、希望する保育所の定員がいっぱいで入れないことや、兄弟が別々の保育所への通所を余儀なくされるなどの現状があります。結果として、育休を早めに切り上げ4月から保育所に出すご家庭もあります。

ある民間保育所では、産休明け、育休明けの月を予定として受け付け、年間を通じて保育の受け入れをしています。これだとお母さんは安心して産休、育休がとれます。この態勢を維持するために保育所では、受け入れる人数に応じて保育士を確保する必要があります。

こうした例を紹介するまでもなく、保育士の不足は顕著です。国は消費税引き上げにより確保した0.7兆円で3歳児の職員配置基準をそれまでの20:1から15:1にした保育所に加算措置をしました。しかし、保育士の人員不足を理由として半数以上の保育所が20:1のままとなっています。加えて、0.3兆円の追加の恒久財源を確保して1歳児6:1から5:1へ、4歳児・5歳児30:1から25:1へ改善するとしてきましたが、依然として財源が確保されず実施されていません。加算措置ではなく、そもそもの最低配置基準の見直しをすべきです。

こうした保育士不足の現状を踏まえて5点質問をいたします。

保育士の処遇の改善は依然として進んでいないと思いますが県としての認識をあらためてお伺いします。

【子ども若者局長】保育士の賃金水準につきましては、処遇改善等加算の創設などにより、近年徐々に上昇してきており、賃金構造基本統計調査によりますと、保育士の年収は令和元年に364万円であったものが、令和3年には383万円となっております。

しかしながら、平均賃金を全産業と比べた場合、これは平均年齢や勤続年数が異なるため、単純には比較はできないと考えてはおりますが、月収換算で約9万円低い状況でございます。

本年2月から実施されております3%程度、月額9000円の処遇改善措置を加味しましても、依然として低い状況にあります。

地域の保育ニーズに応える観点、職員がやりがいを持って働き続けられるようにするという観点からは、さらなる処遇改善が必要であると認識をしております。

 

【中川】保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業の県内の私立・公立別に申請状況はどうであったのか。また、申請がされなかった理由をどのようにとらえていますか。

【子ども若者局長】保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業につきましては、県内では672施設のうち563施設において申請があり、内訳といたしましては、公立の約77%の323施設、また私立の約96%の240施設において、当該事業による処遇改善が実施されてきております。

また、申請されなかった理由について市町村に確認をいたしましたところ、私立施設からは「申請に係る事務手続きが煩雑である」ということ、また、公立施設からは「保育士と同じ給料表を用いている他の職種との公平性が保たれなくなるため」といったことが主な理由として挙げられてきております。

このため、公立施設におきましては、非正規職員への処遇改善に対して活用され、正規職員に対して実施したのは6市町村に留まっている状況でございます。

 

【中川】処遇改善について、10月以降、私立では公定価格の改正、公立では地方交付税措置されているところですが、保育士の処遇改善に向けて県としての取り組みはどうしていくのか。

【子ども若者局長】保育人材確保のための方策として処遇改善は重要でございます。

今後、保育の実施主体である市町村に対して、県内では県内で正規職員の処遇改善を行った市町村の対応事例等の情報提供を通じて、公定価格上の新たな処遇改善等加算のさらなる活用というものを働きかけるとともに、国に対しても、さらなる処遇改善や申請手続きの簡素化というものを働きかけてまいりたいと考えております。

加えまして、必要な保育士がしっかり確保され、それに応じた運営費補助が行われるよう、公定価格の算定基礎となる配置基準の見直しについても国に対して要望してまいります。

また、従来から平均経験年数や技能等に応じて給付されている処遇改善等加算のうち一部の加算につきましては、県が実施又は指定するキャリアアップ研修の修了が要件となっていることから、引き続き、オンライン等の活用など受講しやすい研修機会の確保と充実を図り、多くの保育士が処遇改善加算の対象となるよう支援をしてまいります。

 

【中川】県は、0歳児への年度途中の入所を支援しているところですが、さらに拡大してはいかがでしょうか。

【子ども若者局長】県におきましては0歳児クラスにおきまして、保護者の育児休業明けに伴う年度途中入所に備えて、年度当初から事前に保育士を国基準以上に配置する場合や、手厚い保育が必要な1歳児クラスにおいて、国基準以上の保育士を配置する場合に、県単独補助事業により支援を行っておるところで、多くの市町村においてご活用いただいているところでございます。

今後も本事業を継続させていくことにより、安心安全な低年齢児保育に向けた体制確保に取り組む市町村に対して、支援を行ってまいりたいと考えております。

 

【中川】女性の働き続けられる条件と保育の質を確保するためにも、保育士の養成数を増やしていく必要があると思いますが県としての考えはありますか。

【子ども若者局長】女性の就業率向上に対応するとともに、質の高い多様な保育を提供する観点から保育士の確保が非常に重要であると考えております。

県といたしましては、保育士資格の取得を目指す者への支援として、返還免除型の保育士修学資金の貸付を行っており、県内の高等学校等にも制度の案内をお送りし、保育士の成り手の掘り起こしというものを図っております。

加えまして、保育士人材バンクを設置いたしまして、潜在保育士の就職支援に取り組んでおるところで、保育施設等の就職マッチングや復職セミナーの開催、就職準備金や未満児の保育料貸付などを行い、保育の新たな担い手確保にも取り組んでいるところでございます。

保育士の養成、確保に向けた更なる方策につきましては、本年10月の「県と市町村との協議の場」で合意をして設置することとなりました「専門職員の共同確保に向けたプロジェクトチーム」において、今後市町村とともに改めて検討してまいりたいと考えております。

【中川】保育士の養成については、そもそもの養成数を増やすということが必要だと思いますので、専門学校などへの要請ということもぜひ検討をいただきたいと思います。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20221208 一般質問 長野県の契約条例に基づく労働者の賃金・労働条件の改善状況について

2022-12-16 22:19:32 | 長野県議会

【中川】長野県の契約に関する条例は平成26年2014年4月1日に施行されてから、8年が経過します。第3条第4項で「県の契約の履行に係る業務に従事する労働者の賃金が適正な水準にあることその他の労働環境が整備されていること」と定め、具体的な取り組みとして「建設工事に置いて、労働賃金の支払いの実態を検証しつつ、適正な労働賃金の支払いを評価する総合評価落札方式等を試行」してきました。

 2019年9月定例会でこの施行状況についての質問に、当時の建設部長からは「元請企業と下請企業の間では適正な水準の労働賃金を含む内容で契約がなされ、工事終了後は適切に支払いが行われていることが確認され」たが、「企業から建設労働者へ適正な水準の賃金が支払われたかについては、当該企業が当該工事のみを受注しているわけではないこと、労働者一人一人の経験や能力、現場ごとの役割が異なることなどから、確認が容易でないことが課題」として、「標準見積書の活用、建設キャリアアップシステムの普及や月給制への移行といった施策を加えた新たな取り組み」を推進すると答弁があったところです。それから3年が経過いたしました。

 11月29日長野労働局発表の10月の雇用情勢をみると建設業の新規常用求人数は872人に対して、求職者数は82人です。

 厚生労働省2021年雇用動向調査によると、建設業の離職理由は、「収入が少ない」が16.0%で1位です。同じく2021年賃金構造基本統計調査では、全産業平均年収が452万2千円だったのに対し、建設業の平均年収は528万3千円で、約70万円高い結果となっていますが、企業規模、職種によって大きな格差があります。

 従業員1000人以上の大手企業の年収が667万8千円に対して10人から99人で436万4千円、5人から9人で404万4千円と250万円以上もの開きがあります。

 職種別では、1級建築士702万9千円、測量技術者468万8千円、配管工466万5千円、大工414万9千円、とび工393万円です。

 長野県建設労連による公共工事従事者の賃金調査と設計労務単価を比較すると、2022年建築大工の設計労務単価25,200円に対して、常用で14500円、一人親方で14,976円と1万円以上の差があります。

 また、資材の高騰に対しては現場から「材料費が上がったまま下がらず、仕事単価も下がったまま。この先やっていけない」という声が上がっています。

 そこで、少なくとも長野県の契約の現場で働く県民を不幸にせず、建設労働者の人手不足の解消に向け、労働環境の改善について以下5点質問をいたします。

現場で働く建設技能労働者の賃金を改善する必要があると私は思いますが、建設部長の認識を伺います。

【建設部長】技能労働者の賃金の基礎となる設計労務単価は、10年連続で上昇しています。

賃金構造基本調査に基づく国土交通省の推計では、この設計労務単価に基づき算出した技能労働者の推定年収は、令和元年から令和2年にかけて、5%程度の上昇が見込まれますが、実質の技能労働者の平均年収の伸びは2%程度に留まっており、乖離が見受けられるなど、課題があると認識しています。

 

【中川】県は、賃金改善に向け標準見積書を活用する指導をするとしてきましたが、現場では賃金や社会保険料の積み上げ方式ではなく、結局総額を示して下請け業者を選定しているという実態があります。県が取り組んできた標準見積書の活用により、賃金が改善されているという認識をお持ちなのか伺います。

【建設部長】標準見積書の活用については、支払い賃金の基礎となる労務費を明確化していくことで、元請業者と下請業者間の契約において、技能労働者の適切な賃金が確保されるよう促すことを目的としています。    

令和3年度下請取引等実態調査によると、標準見積書を活用した工事では、8割以上で賃金を含めた全額が元請業者から下請業者に支払われており、一定の効果があったものの、下請業者から技能労働者に対して適正な賃金が支払われているかについては、把握できていない状況です。

 

【中川】建設キャリアアップシステムの登録が長野県は他の都道府県と比較して少ないという指摘があります。長野県は登録を増やすためにどのような取り組みをされるおつもりですか。

【建設部長】建設キャリアアップシステムの普及促進のため、総合評価方式における加点を令和2年度に導入し、令和3年10月からは対象工事を8,000万円以上から3,000万円以上に引き下げ、取組の拡大を図っております。                         

また、入札参加資格においては新客観点数での加点を令和4年度から新たに行っております。この結果、登録業者は令和4年7月末で2,269者、全建設業者数の30.1%となり、令和2年度末に比べて17.2ポイント増加しております。しかしながら全国平均は38.7%であり本県は低い状況でございます。

登録が進んでいない原因としては、導入費用の負担が考えられます。このため、原則全ての工事でカードリーダーの設置費用等を設計に盛り込む取組を来年度から実施してまいります。

引き続き、技能労働者の処遇改善のため、キャリアアップシステムの普及促進を図ってまいります。

 

【中川】長野県の公共工事を受注する場合、契約金額の大きい工事現場で働く人と、小さい契約金額の現場で働く人とでは、支払われる賃金に格差があることが推察できます。したがって、より実態を正確に把握する必要があると思いますが、長野県として事業規模別、職種別の賃金実態調査を行うべきではないかと思いますが、いかがですか。以上建設部長にお伺いします。

【建設部長】公共工事に用いる設計労務単価は、元請けや下請けの技能労働者の賃金実態を基に決定しており、ここ10年連続して上昇しております。一方、国の下請取引等実態調査では、3次以下の下請業者の8割が、設計労務単価を参考とせずに技能労働者の賃金を設定しているという結果も出ております。こうした状況を踏まえますと、議員ご指摘の賃金実態をより正確に把握する必要があるものと考えられることから、今後、調査の具体的な内容や調査方法を含め検討してまいります。

 

【中川】これまでの県の取り組みでは建設技能労働者の処遇は一向に改善する兆しが見えませんが、今後、建設技能労働者の賃金など処遇改善にどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。

【知事】建設産業全体の平均年収については、ダンピング対策あるいは設計単価の引上げ等の効果が発揮され、上昇する傾向にあります。しかしながら、ご質問にありましたように、技能労働者の方々が受け取る賃金の伸びは低く、人材確保の面からも課題だというふうに認識をしています。

そこでまずは原因がどこにあるのか明らかにするため、建設業者の団体の皆様方とも連携して、実態をよく把握をしていきたいというふうに思っています。

元請、下請、さらに何次かの下請があって、その先の労働者にどういう賃金が払われているかということでありますので、構造的には複雑でありますが、どのような対策を講じる必要があるのか、また、どのような対策を講じることができるのか、こうしたことについてしっかり検討していきたいと考えております。

加えて、建設現場で働く方の処遇改善としては、適正な工期の確保であったり、週休2日の推進を図りますとともに、来年度新たに「働きやすい現場環境づくり」に着手をしていきたいと考えております。

こうした取組を通じて建設産業、建設現場での働き方改革を一層進めていきたいと考えております。建設現場で働く技能労働者の皆様方にとっても、魅力ある建設産業を目指して県としても取り組んでいきたいと考えています。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする