こんにちは「中川ひろじ」です。

みんなのお困りごとが私のしごと

20221115 波田地区憲法学習会「ロシア・ウクライナ戦争を考える」

2022-11-16 21:46:21 | 憲法・平和・沖縄

62回目を迎える波田地区憲法学習会は、今回一橋大学名誉教授の鵜飼哲さんから「ウクライナ問題を考える」報告でした。ロシアのウクライナ侵攻問題は、様々な角度で様々な方が問題提起を続けています。そのうちの一つとして私の感想をまじえて報告します。

①(鵜飼)この11月4日国連総会でロシアが提案した「ナチズム、ネオナチズムおよびレイシズムの今日的形態を助長する原因となるその他の実践、人種差別、外国人嫌悪、およびそれと結びついた不寛容に反対する闘い」に関する決議案は、キューバ・パキスタンなど16か国が共同提案国となり、採決の結果、賛成105、反対52、棄権15で採択されたという。反対は「ロシアのプロパガンダだ」と欧米とアジアで唯一日本が反対した。韓国は棄権。このことから「西洋は孤立している」という感覚を持ち始めていること。西洋主義は世界の主流ではない。だが「日本は西側の一員」としてふるまっている。

(中川)この世界感覚とのズレを認識している日本人はいないのではないだろうか。

②(鵜飼)民衆の動向が戦争遂行に影響を及ぼすようになり、国家がすべてを統制することができなくなっている。

③(鵜飼)今日、戦争で勝敗が決まらず、戦争が放棄される。アメリカのイラク戦争やアフガニスタン戦争。ウクライナもそうなる。日本は、次の戦争で勝つ方につくことを考えているが、勝ったり負けたりする戦争がないとしたら、戦争とはそもそも何なのか。

④(鵜飼)欧州の極右勢力は、「移民」「ジェンダー」「セクシャリティー」「多文化主義」に反対し、ロシアにシンパシーを感じつつ、野蛮なロシアを止めることができるのはウクライナだけだと思っている。

(中川)ヘイトスピーチなど排外的な思想との共通性。

⑤(鵜飼)ウクライナの原子力体系がロシアから離れることへの危惧。

⑥(鵜飼)2017年発効のEU・ウクライナ連携協定は、新自由主義経済の押し付けであり、ウクライナの貧困をさらに進めるもの。

⑦(鵜飼)NATOの東方拡大の意味。即時的にはロシアのリベラル派が打撃をうける。ロシアのリベラル派の拡大はロシアのヨーロッパ化となりアメリカへのエネルギー依存からの脱却となるのではないかというアメリカの危惧がある。

⑧(鵜飼)EUの変化 EU内旧東欧諸国の発言力の増大、ドイツの再原発、フランスの孤立、イタリアの極右政権

⑨(鵜飼)G7ヒロシマサミットの意味、NATO東アジア版の形成の役割を担わされる。

⑩(鵜飼)歴史的に日本国民はいったん始まった戦争を自力では止めることはできなかった。だから戦争を放棄する以外には方法がない。

(中川)戦争論としては、憲法9条堅持でいいと思うが、「ロシアや中国から、ウクライナのように日本が攻められたらどうするか」という不安への答えにはならない。ウクライナの人々は、ポーランドなどへ逃げることができるが、島国の日本は逃げ場がない。戦争が始まれば戦う以外の選択肢がないのが日本。アメリカはロシアや中国とは戦争をしない。日本が単独で中国やロシアと戦争をするとなれば、ウクライナのように戦うことができるのか。本当に戦うのか。無理だ。だとすれば、戦わないためにどうするか考えるしかない。

 

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20221107 第713回月曜の声 新たな国際平和秩序の構築を

2022-11-07 07:58:05 | 政策・訴え・声

■戦争の世紀に戻してはならない

ロシアのウクライナ侵攻から8か月、戦闘が依然として続く。一方で台湾有事への動きや米韓合同軍事演習に対する北朝鮮のミサイル発射と緊張感が続いている。これは米・中・ロのそれぞれの思惑の中で連関しあっている。

 アメリカは、アフガニスタンから余儀なく撤退するという「敗戦」のイメージ回復のため、直接手を出さずウクライナへの大量の武器の供与とEU諸国へのエネルギー輸出を行っている。ロシアは中国、インドとの関係を強化し、ロシアのエネルギーや食料の輸出を増加させている。

 米・中・ロが、それぞれの思惑の中で牽制しあい、地球をまるで碁盤の目の上で争うように武力による支配を目論んでいる。21世紀を戦争の世紀に戻してはならない。

■国連総会の機能強化を

 第2次世界大戦後の国際平和の秩序は、戦勝国である国連安保理常任理事国(アメリカ・ロシア・中国・イギリス・フランス)のうち1国でも反対すれば崩れれてしまうし、アメリカのアフガニスタンやイラクへの攻撃、ロシアのアフガニスタンやウクライナへの侵攻など、安保理常任理事国が戦争を始めれば止めることができない砂上の楼閣となっている。

 「絶対悪」である戦争を止めるためには、国際世論を強化する以外にはなく、国連総会の決議への遵守を約束させるなど新たな国際平和秩序を構築するための努力を日本政府こそが、国際世論の構築に向け指導力を今こそ発揮すべきではないか。

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