普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

オバマさんになっても米国追随一本槍?

2009-01-11 15:50:55 | 国際社会

 100年に1度の金融・経済不況、相次ぐ企業の減産とそれに伴う非正規社員の契約打ち切り、その対策への膨大な国債の足かせ、頼みの麻生政権も崩壊寸前、それに変わるかも知れない民主党政権も、これといった有効かつ具体的な政策も示せないままです。
 後はじっと景気の回復を待つしかないと言うのが専門家の全体的な意見のようです。
 そして誰もはっきり口に出しませんが、唯一の希望は変革を訴えて当選したオバマさんの次期大統領の手腕に何となく期待しているような感じです。
 いくらグローバル化と言ってもここまで来ても、日本の相変わらずの米国頼りは独立国として恥ずかしいような気がします。

 然しオバマさん自身にも当面の難問が控えています。
[ビッグ・スリーの救済と保護主義の復活?]
 オバマさんはビッグ・スリーの支援を公約にしています。
 然し、これに対しては国民からの強い反発があるそうです。
その理由は
・自由主義経済の原則に反すること
・経営者の給与や待遇が余りにも大き過ぎること
・それと余り報道されていない様ですが、一部の報道によると従業員が強大な労働組合の力で、他の業種の従業員や一般国民より、給与の他にも退職後の年金や健康保険を総合するとかなり高い待遇を受けていること
などの反発があるそうです。
 議会は支援の条件として、経営者や従業員の給与や厚生福利費の費用の削減を求めているそうですが、全米の自動車労組はそれに断固として反対しているそうです。
 その理由として、労組側でいくら合理化に反対してもビッグ・スリーは余りにも大きな企業なので、国がその破綻を放って置くはずがないと読んでいるからだそうです。

 しかも彼らに取って都合のよいことはオバマさん地盤は自動車産業の中心地のデトロイトであり、全米自動車労組を最大支持基盤であることだそうです。
 名前を忘れましたが、日本の専門家の一人は、オバマさんが労組の主張を呑んだまま支援を続ければ、ビッグ・スリーの競争力の低下(何でも彼らの一人当たりの総合的な給与は日本の自動車産業の従業員の平均給与より1,800円も高いそうです)→自動車産業保護のために外国からの自動車輸入規制(保護主義の導入)になるかもしれないと話していました。
 それは日本の自動車会社にそのまま跳ね返って来る大きな問題です。

[イスラエル問題の解決]
 最近のイスラエルとハマスの紛争に対して、
 国連安全保障理事会は8日、パレスチナ自治区ガザ紛争で「即時かつ永続的な停戦」を求め、イスラエル軍のガザ全面撤退にも言及した決議案を賛成14、棄権1(米国)で採択しました。 (読売新聞
より)
 今まではイスラエルの紛争では米国は徹底的に同国側に立ち、場合によっては拒否権まで行使してきました。

 私はこれが、アラブ諸国民に絶望感を与え遂には9/11のテロの→その成功によるテロ拡散の一因となっていると思っています。
 米国がそれまでにしてイスラエルに肩入れするのは、米国民の総人口の約3%しかいないユダヤ人がその財力に物言わせての政界に協力の影響力を持っているからです。
 今回の米国の棄権は素人目で見ても、明らかに米国の世界的な地位の低下と時勢の変化を感じさせるものでしたが、世界各国との対話を重視するオバマさんの政治力が問われることになりそうです。

[民主主義の限界?]
 上の二つを並べるといずれもが民主主義の基本の選挙に関連しています。
 国連の安保理での決議に対する米国の拒否権行使は民主主義の基本的なルールの多数決に従うことに関連しています。
 私は前にも米国が民主主義の総本山を自認し、それを押し進めるためイラク侵攻までするのなら世界的に民主主義のルールを守るべきだと書いたことがあります。
 (参照:中東紛争から学んだもの(1)米国の民主主義とは) 
 
オバマさんは、選挙で選んで貰うために、筋の通らないことにも目を瞑るか、多数決と自国の利益を如何にバランスさせるかはこれからも多くの問題を残すことだと思います。

[日本のこれから]
 今の日本の政治の混迷も、その最大の原因は次の選挙を自党を如何に優位に持って行くかの争いのようです。
 もしこの問題がないとすれは、日本の取るべき政策は誰でも直ぐに作れるし、また直ぐにども決定出来ると思います。
 各国間の問題点の処理も、実際的には各国間の合意より自国の利益を優先するのは残念ながら今のところでは致し方ないことです。
 日本として考え無ければならないのは、
・今まで通りに米国への輸出中心で良いのか
・外国への自衛隊派遣などで、日米同盟尊重は良いが、何でもかでも米国の言いなりで良いのかいなか

など日本の利益のたるどうすれば良いのかもう一度考え直す必要があるのではないかと思います。

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