普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

空気に流される国日本と原発問題

2016-05-07 12:09:22 | 電力、原発

「日本は何故無謀にも米国と宣戦布告したのか」
 満州での関東軍の暴走に対して国連は反日一辺倒、米国主導のABCDライン(米・英・中・オランダ)による日本への石油封鎖の中で、国連はリットン調査団をアジアに派遣した。その結論は「樺太、朝鮮半島、台湾、満州の既得権益は認めるが、(関東軍主導による)満州国建国などそれ以上の権益拡大は認めない」というもの。当時の世界の考え方はこの程度なら国際法違反にならなかったのか。
 今から考えると当時、日本より遥かに大きな国力、工業力、資源を持っていた米国相手に戦争するのは無茶な話。開戦の知らせを聞いた当時旧制工業学校の私達もこれからどうなるのかとささやきあったものだ。日本にとって有利な調査団の報告を考えると、「耐え難きを耐えて」て、調査団の報告を受けいれるべきだったのかも知れない。
 然し当時の日本は日清、日露の戦争で連勝。政府の言うことを聞かない関東軍だけでなく当時言われた壮士、国士たちが満州や蒙古まで飛び出して活躍、国内でも周恩来や孫文を匿うなど行け行けどんどんの空気。それで松岡洋右の国連脱退の大演説に国民・マスコミは拍手大喝采。結果は大戦に突入し大敗。何しろ資源がなくて寺の鐘楼まで回収する日本と、豊富な資源を利用して猛烈な砲撃戦でダメージを与えてそれから突入する米国。その優れた工業力が産んだB29に届かない高射砲で飛行機で体当たりするしかない日本。敗戦の原因は多くあると思うが、当時の私達でさ心配していた日本と米国の国力の大差の無視と、当時の日本がいけいけどんどんの空気に流されたのも原因の一つであることは間違いないと思う。
「空気に流される反原発の動き」
 311の大災害で福島第一の破壊・放射能汚染で日本中で原発廃止の声が大きくなった。
 その国全体の動きの中で首を捻ることが多く出てきた。
・「原発安全神話」や「原子力村」の言葉による洗脳?
 政府は原発建設に関して迷惑料として地域に補助金をだしているのに。私も経験したが原子炉建屋に入るのに、パンツ一枚になって服を着替え出たらそれを全て廃棄しているのに。
 大戦当時に出た「八紘一宇」や「一視同仁」の言葉と似た国民を一方に向けさせるやり方。詰まり言い出しの本人も、国民にも色眼鏡を着けさせ自分たちの都合の良いことばかり見させ、都合の悪いことは見させないやり方。
 そして「原子力村」の言葉でその後の原発問題を考えるのに一番詳しい原発の建設・運転・保全関係者を排除してしまった。
・原発被害は政府の責任だの意見
 同じ状況で無事生き延びた女川。東電は災害の直接原因である緊急電源装置を福島第二を水密性の高い原子炉建屋に入れたのに、第一ではそれのないタービン建屋に残したままにしたこと。(最近になって判ったそれも地下に設置したこと。)どう考えても99%は東電の責任。反原発の人達は全ての原発を止めるためには、99%の東電の責任を追求でなくて原発すべてに論点を拡大するためには出来ればすべて政府の責任を追求したいのだ。
・法的根拠のない全ての原発の停止?
 時の首相の管さんが津波に襲われる危険性の高い静岡県の(東海)原発の停止を要請したのは判るが、いつの間にか全ての原発が止めてしまった。法治国家だから政府からの要請によるのなら何からの法的根拠がある筈だが、何に基づいての要請なのか国民に知らせないないまま?私は念のためにネットで調べて見ると原発全停は法治国家にあるまじきやり方という批判ばかり。
・原発建設・運転・保全の素人の政府・国会の事故調査団派遣(参照:福島第一原発事故原因の究明はされているか)
 国会調査団の派遣に対し、私は「原発の建設・運転・保全の専門家を入れること。そして原因究明のためには、福島第一だけでなく事故を何とか免れた福島第二、遭難者の避難場所になった女川と比較調査すべき」と国会派遣団の自民党の人選担当担当者にメールしたが当然のように無視。結果は既知の報道ばかりの素人の事故原因の報告。裁判所から事故調原因の究明がされてないと言われる結果。最近気付いたのだが調査団に原発設備設計の経験者て解析力、発信力の高い(原子力村)の大前研一さんが居たら福島第一と第二のレイアウト図を取り寄せ、第一の緊急電源の位置の間違いを指摘し以後の原発問題の取り組みに大きな影響を与えたと思うのだが。
・原発保有の電力会社の悪者化
 東電以外の電力各社は全く悪いことはしていないのに何故か悪者化。
 独占企業の批判、急に出た発送電分離の大合唱。
 福島第一の事故について(原子力村の)各社も原発の運転・保全関係者もだんまり。国民が一番訊きたい人たちなのに。最近になってやつと電気事業者連合会が「私達は電力のベストミックスを目指しています」との広告。
 何も悪いことをしていないのに世論の批判を気にして?給料カット。
 事故後出た新規発電会社の安い電気料金の合唱。旧電力会社は送電の確保のために剰余電力設備を確保しそれが電気料金に跳ね返っていることは無視。
・大規模太陽光発電へ大サービス
 電力の自然資源見直しの動きは当然だが、驚いたのは太陽光発電の大規模化への考えられない優遇。何とそれまでの家庭用設備との同じ単価に倍増。水力・地熱などは規模別に料金を定めているのに、太陽光だけはなし。小規模の設備に就いては申し訳程度の補助金の追加だけ。しかもそれが十年間固定だから施設へのメンテナンスがいる水力・地熱と違ってそれが要らない大規模太陽光は丸儲け。大にこにこ孫正義さんとアホ顔の管さんの記念写真。最近太陽光発電単価の見直しが始まったが、10年間の固定単価。孫さんの思惑通り丸儲け。
 しかもマスコミはこの事実を報道しただけの無批判。これをネットで批判したのは私の検索能力の不足かも知れないが、私と某女性政治学者だけ。
・更に漫画的なのは他地域での東北の被災地の瓦礫処理反対運動。理由は核拡散に繋がる?東北の仕事を奪う?高い運送費まで使って処理するのは経費の無駄の合唱。それに対して環境都市を自認する北九州市の議会では共産党含む全会は一致の支援決定。北九州市は現地で瓦礫に放射能の無いことを確認。処理には定期的に放射能のないことを確認。それに対して反対者は輸送のトラックの前に寝込みなどのパーフォーマンス。一番の問題は東北支援の全国的にうねりのなかで反原発と結びつけて反核派の阿呆臭い活動で、瓦礫処理の支援は北九州市の他に東京、大阪ほか僅か数市に止まったこと。こんなことでも空気に流される日本。
「空気に流されずに自分自身の眼でみよう」
 反原発の動きが止まらないのは、毎日毎日報道される福島第一事故処理の遅れ。それに対して、当然ですが女川や福島第二の報道は全くないことです。
 原発賛成・反対の双方ともその主張に取って拙いこと。原発漸減派は核廃棄物の処理や事故発生時の対応とその後処理。原発全停派は原発停止、火力使用の 増加による止まらない温暖化とそれに伴う異常気象。太陽光、風力の停止に対応するための余分な設備を持つための電力料金の高騰とそれに喘ぐ製造業などなどを忘れたり意識的に無視し無いことです。そしてその立場がどうであれ、一方的に反対側の拙い所ばかり主張し我が主張の拙い点に言及しないオピニオン・リーダーの人達の言うことに批判の眼を向けることです。
 最初に戻りますが、日本は空気に流されて敗戦の憂き目を見ました。その時のスローガンは「一視同仁」・「八紘一宇」。今回の原発問題では「原子力村」「原発安全神話」。 私達は原発全停、原発漸減のいずれの立場でも敗戦の貴重な教訓を活かして、どちらの方向になっても二度と空気に流され国の方向を誤らない自分自身の眼で物事を見るべきと思います。

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追記:最近の文春で小泉さんが熊本地震を取り上げて川内原発も停止しろと言う演説に多くの人達が集まったと報じています。その時彼は熊本と同じ深度7近くの地震でも耐え、避難民の避難場所になり、原子力安全機構の人達が調査に来てその耐震性に大喜びした女川に就いて触れたでしょうか。そして川内と女川が状況がどう違うから川内を止めるべきと説明したでしょうか。国は原子力規制委員会が原発存続の方向を示しました。首相を経験した小泉さんなら、原発ゼロの電力供給のシステムをどうするべきかを国民に示すべきです。それを無視して原発反対の空気ばかり煽る人の話など信頼できるでしょうか。


存亡の危機の三菱自動車?

2016-05-07 11:59:38 | 経済・財政
スロウ・アンド・ステッディーの三菱系会社の特徴を活かせず、遅く、インチキなデータの三菱自動車の未来は?
 リコール隠しの大失敗の後にまた検査データの改竄と言う大チョンボで三菱自動車デマスコミから大きさ批判を浴びています。それも提携先のに日産の指摘で明らかになったという情けないありさま。その結果は売り上げ高の半減、大きな補償金、政府からの型式指定が取り消されれば社長の言う自社存亡の危機に陥るのかも知れません。
 その理由は報道に依れば、他社との厳しい燃費の競争で、他社の燃費の向上の報に接するたびに上司からの更に燃費目標の向上の関係部門への圧力につい偽装をやらかしたそうです。まるで実行部門に気合を入れるばかりで具体的な方策を示さなかったと前にも書いた凡庸な東芝と同じです。しかも前回のリコール隠しで企業倫理委員会が継続中と言うのに。社長は全て自分の責任と言いながらも自分は知らなかったと言っていますが。どの会社でも同じで、ばれたら会社に大打撃を及ぼし自分は馘、左遷などされるようなことを
事前に上司に報告しない訳ありません。
 余りにも判りすぎた大失敗なので批判は省略してここでは私もお世話になった三菱系の会社のことについて考えて見ました。
 最近の某誌の「一人勝ちの三菱財閥系会社」との新聞広告を見ました。確かに三菱UFG始め、商事、建造中の豪華客船の原因不明の火事などで2375億の特別損失を抱えているながらも、ロケットやジェット機の重工などなど日本をリードする会社ばかり。
 そう言えばリーマンショックの時でも大きな痛手を受けなかったのは、三菱系の会社だけ。
 その三菱系の会社の経営の特徴はスロウ・アンド・ステッディ。悪く言えば他社より遅れても確実な分野を開拓して、後はその資本力とスケール・メリットと会社間の団結力で遅れを取り戻すやり方で生き延びてきたのです。
 「スロウ」の拙い例として、私がお世話になっていた三菱系会社の本業以外の事業の失敗の内小さな例を一つだけ。ボーリング場を作ったのは良いが二年もならずな閉鎖。考えている間にボーリングブームが低下したと言う「スロウ」の見本。
 その点トップを走るトヨタを初めとするの群雄割拠の厳しい自動車業界で、売り上げ高い最下位の三菱自動車は三菱系の特徴の、資本力もスケール・メリットも活かせず、三菱のわるいところのスロウだけが目立ち美点の「確実さ」がなければ経営陣が余程思い切った手を打たない限り三菱自動車の生きる道はないような気がします。

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