普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

竹島問題と朝日と福田さん

2008-07-19 11:53:04 | 国際社会

 昨夜のNHKのニュースで韓国の李明博大統領は18日、国家安全保障会議を開き、日本の新学習指導要領解説書への竹島領有権問題明記について対応などを協議した。
 そしてこれは北朝鮮の核開発やミサイル発射など国防に関する重要な問題の時でししか行われない重要な会議だと解説していた。
 会議で大統領は竹島問題に関して「断固として臨むが、その場限りの単発的な強硬対応に終わらずに、長期的な対策を講じるよう指示した。
 韓国外交通商省は会議で、世界各国の竹島に関する表記を調査し、独島と表記するよう求める姿勢を示した。

 これに対して今朝ネット上で検索してみると、その韓国政府の反応を報道したのは、読売 毎日、産経は韓国の日本との外相会談は拒否都市レベルの交流の韓国側からの拒絶の報道、朝日と日経は(私の検索能力不足かも知れぬが)韓国の反応の報道は全くなしだった。
 なお毎日はそれに加えて、聯合ニュースによると、与党・ハンナラ党は18日、竹島を警備する警察要員(現在50人)と民間人居住者(同2人)を増やす方向で宿泊施設などを増設する方針を固めた。党内には海兵隊の配置をすべきだとの声もあるが、「軍事的措置は紛争地域化を狙う日本の意図にはまる」と慎重論が大勢を占めているという。と伝えている。

[各社の社説と現実]
 私は竹島問題と日本のマスコミ
で竹島問題を教科書の解説に入れる政府の方針発表に関する各社の社説を比較してみた。
 簡単に言えば、読売は竹島の解説への明記は遅いくらいだと主張、日本の領有権の立場を明らかにし、竹島の領有権をめぐる問題の解決は難しいので、国民が正しく理解し、国際社会に日本の立場を明確に主張していけるようにすべきと主張。

 産経は領有権問題については日本は国際司法裁判所に提訴して戦うことを提唱しているが、自信のない韓国はそれを拒否していると指摘。
 そして、ある韓国人外交官が著者に言った「領土問題は一歩でも譲ったら、取り返しのないことになりますよ。日本は経験がないでしょうが」と言う言葉を引用して領土問題では一歩も退かないことと主張している。

 それに対して朝日は領有権に対しては韓国側の立場を理解する主張をし、「大多数の日本国民は良好な日韓関係を維持したいと望んでいる。日本政府はあらゆる機会にそのことを韓国に丁寧に説明すべき」と言っていた。
 
(なお朝日の社説は問題がうあり過ぎるので、部分は注記に書いて居りますので、前記ブログを見られておられない方は是非ご一覧下さい。)

的確な読売、産経の主張や指摘
 そして今回の韓国の反応だ。
 読売の言うように竹島の解説への明記がもっと早ければ、現大統領も支持率の高かった就任時に、過去の歴史とともにとうの昔の竹島明記の問題を棚上げにして、日韓関係の改善を目指す方向に打ち出せたのに、その決定が遅過ぎたために、支持率の低下に悩む彼としては韓国民の反発を無視する事が出来なかったのだ。
 また「竹島の領有権をめぐる問題の解決は難しいので、国民が正しく理解し、国際社会に日本の立場を明確に主張すべき」と言う主張も的確であることがはっきりした。

 産経の「領有権問題は日本は国際司法裁判所に提訴して戦うことを提唱、然し自信のない韓国はそれを拒否している」の記述は正に与党・ハンナラ党内には海兵隊の配置をすべきだとの声もあるが、「軍事的措置は紛争地域化を狙う日本の意図にはまる」と慎重論が大勢を占めているという報道は、竹島問題が国際司法裁判所に掛けられると、負けるかも知れないことを韓国が恐れている事実を事前に指摘したものだ。
 何故なら竹島が紛争地域化すれば、提訴について両国の同意がなくても自動的に裁判所に掛けられるからだ。

 また韓国の今回の決定から見ても日本は領土問題で一歩も退かない主張も納得できる。

韓国側に偏った現実離れした朝日の社説
 それに対して朝日の主張は明らかにおかしい。
 韓国政府は自国の立場を擁護する朝日の社説を見て大喜びし、勢いつかせたのかも知れない。
 何しろ日本国内売り上げの第二位を占める大新聞の社説が韓国を応援しているのだ。
 それと今回の韓国政府の決定や国内で盛り上がる反日デモをみて、社説の言う「大多数の日本国民は良好な日韓関係を維持したいと望んでいる。日本政府はあらゆる機会にそのことを韓国に丁寧に説明すべき」と言う社説の如何に虚しく響くことか。
 私のブログでも書いたが、今までの韓国民の反日運動や、日本の弱腰につけこんで、竹島に設備を作り、要員を派遣するなどやりたい放題のことをしたのを見れば、このような事態になることは初めから判っていることだ。

 朝日新聞の社説を書いた人に訊いてみたい。
 今の時点でこの前に書いた同じ社説を書けるかどうか?
 私の様な普通のおっさんでも分かりきったことを、有り余る情報量を持っている天下の大新聞が予測出来なかったのか、或いは判っていてあのような社説を書いたのか?
 そして朝日を含む各社が社説を書いた程の大きな問題に付いての韓国の反応について、少なくともネット上で一言も触れてないのは何故だ?
 私はいつもの朝日のやり方から考えて「言うだけは言って、後、都合が悪くなれば頬被り」し通そうとして居る様な気がしてならないのだが。

[福田さんの外交戦術]
 報道によると韓国は世界各国に働きかけて、竹島に関する表記を調査し、独島と表記するよう求め、竹島への要員増派で既成事実化を一層進めるようにしているそうだが、日本政府は韓国の動きを静観しているようだ。
 多分韓国の騒ぎは一時的なもので、いつかは収まるだろう、後はそれからの話だと思っているのかも知れない。
 然し心配性の私はその間に韓国の情報戦略でまた日本が大きく遅れをとるような気がしてならない。
 それで思い出すのは慰安婦問題が。
 あの時も、韓国の動きを放置したために、慰安婦問題がねじ曲げられ、安倍さんの否定発言で却って反発を招き、遂に米国や西欧一部の諸国では慰安婦=性的奴隷の図式が定着してしまった苦い経験をした。
 今もそれと同じように、かりかりになっている韓国との友好優先政策に拘って各紙が言ったように「慎重」に事態を「放置」しているような気がしてならない。
 外交は武力を伴わない国の権益を護るための戦いだと思う。
 日本政府は憲法の前文にあるように、諸国民の公正と信義を信頼して、武力を伴わない「外交戦」まで放棄しているのだろうか。

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*注:朝日新聞の社説 
・タイトル:日韓は負の連鎖を防げ
・領有権:韓国にとって、竹島は単なる小さな島の問題ではない。日本が竹島を編入した1905年は、日本が韓国から外交権を奪い、併合への道筋を開いた年だ。竹島は、日本による植民地支配の象徴とされている。
 3年前、島根県が編入100周年で「竹島の日」条例を制定し、韓国側が猛反発したことも記憶に新しい。
・今後の交渉:
大多数の日本国民は良好な日韓関係を維持したいと望んでいる。日本政府はあらゆる機会にそのことを韓国に丁寧に説明すべきだ。
 韓国側の怒りも分からぬではないが、解説書では竹島の領有権をめぐって日韓の間の主張に相違があることを客観的に明記している。
 互いに主張し、違いがあればあることを認め合ったうえで、冷静に打開を図る。それ以外にない。