ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

鳥の寝言

2016-12-13 04:21:13 | 短歌







あまのかは あをき岸辺を すずろゆき 鳥の寝言を 聞く春の月






*今日は短歌です。この作者の歌は好きです。情景描写がうまい。彼はわたしの友達ですが、わたしと比べれば、少しやさしい人です。あまりきついことは言わないし、こんな気のきいたことをいくらでもしてくれる。

天の川の青い岸辺を、春の月がそぞろ歩きながら、鳥の寝言を聞いている。あの人が今見ている夢のようだ。甘やかでかわいらしい。

鳥は夜はあまり騒がないが、時々寝言のような声を上げることがある。それを、月のように美しい人が、川辺を歩きながら聞いている。

いいですね。

歌を詠むには、想像力と愛が肝要です。愛する人のために、美しいことを言ってあげたい。そのためにはまず美しい材料を集める。花や星や鳥や月がよい。風も玉もよい。水を泳ぐ魚や、きれいな虫や、小さな青蛙もいいだろう。

あの人の好きそうな宝物を集めて、きれいに組んで、情景を織りあげて美しくまとめ、ひとくさりの詩にして、ささげる。

楽しいではないですか。

あの人は今眠っていて、何も言わないけれど、喜んでくれる顔を想像するだけでもうれしい。短歌はそんな、愛を表現することに向いている。

あなたがたもやってごらんなさい。技術は結構かんたんですよ。気取らないで、愛を語ればよい。素直な気持ちで、あの人に何をあげたいかを、考えてごらんなさい。

川辺に咲いていた白い菊を見つけたら、それを摘んであの人のところに持って行ってあげたい。そう思うこともあるでしょう。そうすればこう詠めばよい。





川べりの 白菊を摘み かの人の 岩戸を訪はむ ゆふさるまでに     夢詩香





川べりに咲いていた白い菊を摘んで、あのひとの岩戸を訪ねよう。夕方が来るまでに。

難しく考えなくともよい。自分のできる範囲でやってみましょう。コツがわかってくると、おもしろくなってきますよ。







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