上馬神事は「多度大社」のものとばかり思っていたが、我が家から30分位の所、いなべ市でも毎年行われていると友に教えられた。多度は有名であるから、華やかではあろうが、それだけに混雑も激しく写真撮影もままならないが、ここなら撮りやすいように思われる。
ここでは、今年は4月6日(土)、7日(日)に行われるとの事であったが、いきなり訪れても私には勝手が解らないだろうからと、友が気を使ってくれて、わざわざ”下見”のために3月29日に同行してくれたのであった。
「猪名部神社」 (いなべじんじゃ)
いなべ市東員町北大社
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(上の二枚は、下見に来た際に撮ったもの。)
所が、4月6日(土)は、全国的に春の嵐になってしまった。しかし、神事は雨天の中も行われ馬に乗った十代の若者が土塀を駆け上がる無形文化財の上馬神事が奉納された。この日は5人が2回ずつ乗って10回挑戦し、その内3回が掛け上がれたと新聞には出て居た。
翌日は予報は雨もありで雲行きは安心出来ないが、少し青空も見えるので、”駄目元”と覚悟を決めて、出掛けたのであった。時々小雨がぱらつくが、13時開始の2時間前に到着して、早昼も食べて、登り坂の途中に撮影場所を決めた。
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しかし、ほんの数分間上の本殿とその周りで行われた、セレモニー(下の写真)を撮って戻った所、すでに私の予定した場所は亡くなっていたし、他に空きは無かった。 残念ではあったが、もうどうにもならなかった。場所取りにご座を敷いて置いた人も結局は、観客の多さに圧倒されて、場所取りに失敗する人もいた。
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そしてセレモニーが終り、いよいよ馬場に降りてゆくのだ。
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この後、馬場を坂の手前まで軽く走って(練習)、馬に”ここを登るのがぞ”と教えるようなしぐさが見られた。
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馬場全体では百メートル以上はあるが、この日は坂の手前50メートル足らずのところがスタート地点となっていて、一段高い所から馬に乗ろうとしているのが、下の写真である。
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馬に騎手が乗ると、間もなく出発である。(写真の右方向に走る)
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下はスタート直後の写真であるが、坂の上の方から撮ったもの。
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坂が近づくと、鞭打ち回数が多くなり、スピードを上げる。
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高低差5~6メートル位の急坂を昇り、その先の垂直に切り立った2m位の壁を這いあがるのである。両脇と上にも人がいて助け上げることは言うまでも無い。
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ここを駆け上がる姿を撮るのが目的と思っていたが、場所取りに失敗したので、その夢はかなわなかった。
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見事に掛け上がると拍手と大きな歓声があがり、ほっとした気持ちになる。
この後掛け上がった馬と騎手は本殿の前で観衆の祝福を受ける。動物愛護団体からの苦情は解らないでもないが、何百年も昔から行われる神事だ、馬はこの後美味しい人参などを戴くのだろうから、”御苦労さん、人間の勝手に我慢してな!”と祈った。
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この日は5人の騎手が一回ずつ計5回挑戦するのであるが、4回見たが全てが成功した。この辺りから気温が急激に低くなり、寒さに耐えかねて、見学を終了して、帰路についたのであった。