みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

四月大歌舞伎 夜の部 『勧進帳』

2008年04月24日 | 歌舞伎
 23日、歌舞伎座昼夜通しで観劇してきました。丸一日観劇は疲れましたが、居眠りしませんでした(苦笑)昼は3階、夜は一等席にて観劇。いつもなら順番どおりに観劇記を書きますが、余韻に浸っているうちに夜の部の感想を。。。。と思いましたが・・・・かなり熱く語ってしまいそうなので(笑)、『勧進帳』のみの感想を書きます(笑)他の演目はまた後日。


注・いつにも増して暴走していると思います・・・・・お許しを・・・・・・

二・歌舞伎十八番の内 『勧進帳』

 私は今、歌舞伎(長唄)ではなく、元ネタである能の『安宅』の舞囃子の稽古をしています。しかもそれをもうすぐ舞台でやります。能と歌舞伎が違うのは重々承知していますけれど、タイミングよく『勧進帳』がかかったので、いつもよりも楽しみにしていました。なんてったって、私の大のご贔屓、仁左衛門様の弁慶です仁左衛門さんの富樫は拝見していますが(平成14年の南座顔見世)、弁慶を見るのは初めてです。前回、松竹座で仁左衛門さんが弁慶をなさったときは、見にいけなかったのですが、お友達から「良いよ~」ということは伺っていました。個人的には仁左衛門さんは弁慶よりも富樫の方がぴったりだと思っていました。弁慶だと線が細いのかな?!と・・・・。贔屓目入っているけれど、体型的には線が細い仁左衛門さんだけど、声も低音で迫力ありますし、そんなことを感じさせない弁慶さんでした!!もちろん仁左衛門さんの富樫も好きですけどね。

 今日の夜の部のお席は、この『勧進帳』のために一等席をお願いしました。そしたら、届いたチケットが6列花横!今日会ったお友達に「仁左さま弁慶が素敵すぎるから、失神しないように!」と言われましたが、失神寸前でした(苦笑)失神したらもったいないからしなかったけど^^;。

 さて、幕が開き富樫の勘三郎さんが登場。ちょっと声が掠れていたような気がしましたので、ちょっと気になりました。個人的には今月のこの座組なら、富樫は家元の方の大和屋さんで見てみたかったんですが、勘三郎さんの富樫も良かったですよ。
 そして、三味線とお囃子と共に花道に義経一行が。玉三郎さんの義経は品がよくて、綺麗で花道七三でのポーズにうっとり(笑)もっとなよっとした感じの義経になるのかな?と思ったのですが、なよっとしたというよりも良い感じに柔らかい感じの雰囲気のある義経でした。
 そして弁慶の仁左衛門さん登場!本当、いつも3階席だけど、一等にしてよかった・・・・・・心から思いました。今回は席運もありましたしだって・・・・すぐ目の前弁慶だし!!端正な弁慶さんです(←大げさでなくこんな風だったと思います。スミマセン、痛くて・・・
 花道の出のところで義経の「いかに弁慶」に対し、弁慶が座って応えるは仁左衛門さんのやり方だそうです。義経に従い、主人を守るという忠義の弁慶というのが熱く熱く伝わってきました!!

 本舞台の演技でもそうです。玉三郎さんの義経は、ただただじ~っと我慢・・・顔もあまり見えないけれど、それがまた良いですね、哀れみがあって・・・・。
 決死の覚悟の「最後の勤め」は迫力があり、勧進帳読み上げの緊迫感・・・話の筋を知っているのに一挙手一投足熱演にハラハラしながら見ていました。
 「勧進帳読み上げ」もそうですが、「山伏問答」も、元ネタ『安宅』の謡本(よりも、むしろこちらの本)で自分がやる後半以外も勉強していたんでより前よりもぐっと理解できたというのもありました。

 そして、強力が義経だ!とバレそうになった時のやりとりは、本当に緊張しますね。あの富樫の留めの場面とか、弁慶たちと関守たちのやりとりは好きです・・・。その前に、泣く泣く義経を金剛杖で打ち据えるところも、ばれたらやばい、けれど主人を打つのも辛いというのがとても伝わってくるんですよね。
 無事に通過できた時、弁慶がホッと脱力してコツンと杖を落とすところ・・・あれは他の人もやっていたっけかな?と思いました。今まで見たことなかったような気がしますが・・・・あったかもしれません・・・・(^^;。危機一髪の場面を乗り越えた後の脱力・・・という感じで、なんか人間らしさを感じましたね。

 義経と弁慶のやりとりですが、義経のねぎらいに対し、恐縮する弁慶は涙と汗(失礼!)の大熱演でしたよ

 そして、「待ってました!」の飛び六方。仁左衛門さん、倒れちゃうんじゃないかって心配しちゃっていましたが(苦笑)肉体的な迫力・・・というよりも気持ち的に熱い六方です!!!!花道での一礼から揚幕に入るまで涙ぐみながら見ていました。

 綺麗綺麗ということばかり書いてしまっていますが(苦笑)、深い情愛と熱い心を感じた弁慶さんでした。



 なんだか・・・・・・かなり‘偏愛’に満ち溢れた文章になってしまっていますがお許しください。舞台の最中というよりも、終わってから、涙が出てきてしまいました。何とも言えない感動というか・・・・。本当にこの舞台を見ることができてよかった、そういう幸福感に満たされていました。「時間よ、止まれ・・・このままでいたい・・・」何度も思いました・・・・・・。
 そして、今日のこの仁左衛門さんの舞台を見ることができたことを神様仏様に感謝します。今日だけじゃなくて、「今までも」なんですが(苦笑)関西遠征はなかなかできなくても、これからの公演も一つ一つ大事に拝見したいです。とりあえず、6月の新派公演も申し込みました。

 勢いに任せて一気に書き上げたので、また後日修正や追記があるかもしれません。自分も「安宅」がんばります。って・・・・こんなことしている場合じゃないぞ、自分(苦笑)

最新の画像もっと見る

16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
熱い感想が素敵です。 (どら猫)
2008-04-25 01:38:31
陋屋へのコメント&TBを有難うございます(^^♪
もう何とも言えない位すばらしい弁慶でしたよね。
みゆみゆさんのエントリを拝見して、また感動を新にしました。
26日は二階東の桟敷なので、花道も良く見えるのが
とーっても楽しみです。
帰宅したら、また感想を書くと思いますが。
感極まってしまいそうな気がしてます。
こちらからもTBさせて頂きますね。
返信する
Unknown (みゆみゆ@管理人)
2008-04-25 02:11:54
★どら猫さん
レポを読んでいただきありがとうございました。
自分でもあきれるくらいのレポを久しぶりに書きました。
そのくらい自分のテンションが上がった弁慶でした。

26日は伺いたいのはやまやまですが、
チケットとか金銭的な問題ではなく、
大事な大事なお稽古関連のことがあるので・・・・
残念というかなんと言うか・・・(^^;

またどら猫さんのレポを楽しみにしております。
26日は思いっきり楽しんでください!!
返信する
ステキでしたね~ (スキップ)
2008-04-25 03:14:22
みゆみゆさま
ご無沙汰しています。
私も「勧進帳」観てきました。
みゆみゆさんと同様、昼夜通しで観たのですが、
まずは「勧進帳」のみ感想をアップしたところも
同じです(笑)。
ほんとにステキでしたね~、仁左衛門さんの弁慶。
花横のそんなにすばらしい席で失神もせずに(笑)
ご覧になれたなんて、ほんとにうらやましいです。
返信する
目の前の弁慶!! (rika)
2008-04-25 11:08:51
みゆみゆさん、こんにちは。

熱~~~~~いレポ・・・羨ましい!!

>すぐ目の前弁慶だし!!
この言葉だけですごく臨場感を感じます(笑)。
いいなぁ~~~~。
返信する
Unknown (みゆみゆ@管理人)
2008-04-25 21:12:48
★スキップさん
お久しぶりです!!
トラックバックもありがとうございました!!

本当にすばらしい弁慶でしたね。
はぁ~、明日も見たい(笑)
失神しそうになりましたよ、はい・・・(^^;


★rikaさん
熱く語りすぎて、沸けわからなくなっていますが(^^;
花横は前にも座ったことありますが、
演目的に花道がかなり重要なときに
座ったことがないもんで、かなりラッキーでしたね。
未だにまぶたに焼き付いています・・・。
思い出してしまいますよ(^^;
返信する
熱いレポでした (六条亭)
2008-04-25 22:00:39
こん♪♪は。

『勧進帳』は、やはり今月一番の見応えあるものでしたから、みゆみゆさんが熱くなるのもよく分かりますよ(笑)。

でもさすがにしっかりと舞台を観ていて、熱い観劇レポになっていましたよ。もちろん仁左衛門さんに対する愛情一杯ですね。

私も明日楽日の夜の部のみ観劇です(残念ながら昼は都合により駄目になりましたが)から、また『勧進帳』は力を入れて観劇します。
返信する
お恥ずかしい限り・・ (みゆみゆ)
2008-04-26 00:10:26
★六条亭さん
読んでくださってありがとうございます!
(今回は、本当そう思います^^;)

久々に熱くなってしまいました。
熱が冷めないうちに勢いで書いたレポなので
かなり熱くなって・・・
読んでいただけると本当ありがたいです!!

明日の楽日、私も駆けつけたいのはやまやまですが・・・
安倍川上流の山奥にいます。
レポ待ってますね!!
楽しんできてください!!
返信する
Unknown (Carmen)
2008-04-26 12:07:45
みゆみゆさんの熱~い思いが伝わってくるレポでしたね!花道横の席での至福の時間が止まってほしい気持ち、よく判ります♪

まだご覧になる前だったので、私の拙い感想は以下に書かせていただきました。良かったら~♪
http://lovelight-mami.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_71b1.html


「安宅」を練習されているのですね~。先日能楽現在形で見たとき、弁慶が舞の途中で扇を投げる意味がよく判らず、仁左衛門さんの「勧進帳」を見て初めて納得しました。歌舞伎はより具体的なので…。お能と歌舞伎をシンクロしてみるのも悪くないですね~。

ところで、みゆみゆさんは仁左衛門さんの八汐(「伽羅先代萩」)、ご覧になったことありますか?友達によれば、はまり役で何度か演じられているとのこと。まだ孝夫時代に、多分初演ではなかったかと思うのですが(?)、思い切った悪女ぶり!を披露され、太変驚いた記憶があります。当時は(今でも?)全くそういうキャラではなかったので…。そのときの政岡は尾上梅幸さん。その艶のある演技にすっかり参ってしまい、しばらく席から立ち上がれませんでした。私の中の金字塔、未だに破られていないんですよ~♪
返信する
Unknown (みゆみゆ@管理人)
2008-04-27 22:47:17
★Carmenさん
こんにちは、
(スミマセン、リンク先てっきりCarmenさんのブログかと思ってしまっておバカなコメントしてしまいました。

本当、時間よとまれ~でしたね(笑)
未だに余韻に浸っておりますもの(^^;
お能と歌舞伎は違いますが、元ネタは一緒なんで・・・イメトレになりました(笑)

仁左衛門さんの八汐はまだ未見です。
仁木は床下・対決・刃傷のは拝見しました。ちなみにそのときの政岡は玉三郎さん、八汐は團十郎さんという配役でした。
7月の松竹座気になるんですよねぇ・・・・
遠征すべきかと悩んでいます(^^;

仁左衛門さんの悪女は時鳥殺しの百合の方は見ましたよ(^-^)
返信する
ゴールデントライアングルキャストの勧進帳! (ぴかちゅう)
2008-04-28 00:57:08
千穐楽に観てきた感想をTBさせていただきましたm(_ _)m
主君オーラの玉三郎義経と忠臣オーラの仁左衛門弁慶のこの主従の絆を見たら、熱血漢の勘三郎富樫は自分の命を投げ打つしかないなぁという「勧進帳」でした!
>無事に通過できた時、弁慶がホッと脱力してコツンと杖を落とすところ・・・あれは他の人もやっていたっけかな?......渡辺保氏のネットの劇評でもそこは指摘されていました。杖を落としてからの身体の動きを褒めています。観劇後に劇評を読んだので私は気がついていなかったんですけれども(^^ゞ
http://homepage1.nifty.com/tamotu/review/2008.4-1.htm
今回の「勧進帳」もシネマ歌舞伎とか何かで記録していてくれているといいなと思ってます。何も記録がされないのは歴史的損失です!!
私も6月のシンパ120周年記念公演は昼夜両方観ます。楽しみですよね(^O^)/
返信する

コメントを投稿