mitumine 夢幻庵日記

夢うつつで過ごしている日々、趣味の絵・旅行・写真・ハイキング・読書などを写真を交えて気ままに記しています。

8月のまとめ

2018-08-31 12:46:20 | 毎年の月間まとめ
 このブログをご覧いただいた人 7/29 ~8/25 の間 2,154人  6,023 ベージビュー でした  ありがとうございました

 スポーツクラブ 11回  
 
 読書 5冊(「不死身の特攻兵」「ドン・キホーテ」「日本軍兵士」「戦慄の記録インパール」「あの戦争から遠く離れて」)

 その他 8 (病院、美容院、墓参り、病気見舞いなど)



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「あの戦争から遠く離れて-私につながる歴史をたどる旅-」 城戸久枝 新潮文庫を読んだ

2018-08-28 15:30:59 | 読書


中国残留孤児だった著者の父(城戸 幹)は、敗戦の25年後1970年4月8日に祖国の土を踏むことが出来た。
満州東部の勃利に家族と住んでいた幹は、4歳の時ソ連軍の侵攻から逃れるため使用人と一緒に逃げる途中はぐれて、頭道河子村の子どもがいなかった付淑琴に育てられることになった。

第一部「父の時代」-思い出すままに以下記す
拾われてからの優しい養母との生活・親や近所の人たちの親切・長じて学校生活・仕事・多くの親友との出会い(帰国後も続いた)、文化大革命の恐怖・帰国への長い道のり・帰国後の学校・仕事・養母の死・中国再訪等々

第2部-これも同じ
「私の時代」-著者が父の生きた証を求め現地への旅・吉林大学への留学・父の養母の親戚との温かい交流・帰国残留孤児との交流など

著者は、小学2年(2018年)になった息子に中国残留孤児だった「じいじの物語」をカタチにして伝えたい-その夢に向かって着実に動き始めている(556頁)、という。

苦難の時代を生きた人たちの物語で、別離に父や養母の気持ちに涙誘われる。

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「戦慄の記録 インパール」 NHKスペシャル取材班 岩波書店 を読んだ

2018-08-26 07:37:14 | 読書


 本書とDVD


本書は、2017年8月15日放送のもの等を書籍化したもの。この放送は大きな反響を呼んだというが、残念ながら見てなかった。

この作戦は、ビルマ(現ミャンマー)から出発して英領インド東部のインパールを占領しようとするもの。この間には川幅600mの大河(チンドウィン河)と2000m級の山脈を越えなければならない。戦況が急速に悪化する1944年3月に始動したもの。実はこの作戦は2年前に「実行困難」ということでお蔵入りになったものだった。

では何故実行に移され、失敗に終わったかというと、この作戦を主導した牟田口中将(2年前には反対していた)が功を上げようという野心と、日本陸軍を中心とする政治(官僚)の無責任にあった。作戦に参加した9万人のうち、中止決定の4ヶ月後までに3万人の死者と4万人の傷病者を出した。

政治と官僚の無責任は、今に始まったことではなく日本の組織の伝統かも知れない。これでは庶民はたまらない。
読み進むのに気が重くなるほどのシーンの連続。指導陣のいい加減さと、一線の兵士の勇敢さと惨めな落命(白骨街道といわれる程の惨状)に涙がでてくる程だ。

この取材班の仕事には拍手を送りたい。高齢になった元兵士や将へのインタビューと当時の日記の掘り起こし、現地を歩いて当時を知る住民への聞き取りをしている。
一緒に購入したDVDも後ほど見てみたい。

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「日本軍兵士-アジア・太平洋戦争の現実」 吉田 裕 中公新書 を読んだ

2018-08-22 08:24:18 | 読書
 

表記大戦の期間中(1941-45年)の戦没者数は、日本の軍人・軍属が230万人(日中戦争期を含む)民間人が80万人、合計310万人に達する。-本書「はじめに」から

全戦没者(310万人)のうち、1944年から敗戦(45年8月15日)までの1年8ヶ月間で91%の人が亡くなったという。これは日本政府、軍部、昭和天皇を中心とした宮中グループの戦争終結決意が遅れたためという(25頁)。

軍人・軍属230万人のうち、広義の餓死者(マラリアなどに感染して病死した者を含む)が140万人(61%)に上る(31頁)。

無能な指導者層によって、かくも多くの若者、民間人が非業の死を遂げている。
本書では、この戦争の実態を多岐にわたって考察していて余りの悲惨さと、参謀本部の無能さに呆れることばかりだ。この参謀本部は陸・海軍とも官僚制で、いまの防衛省に当たるところのようだ。

日本の官僚制は優れていると一時いわれていたが、昨今の財務省・文科省・防衛省のていたらくを見ると、先行き大丈夫だろうかと思わざるを得ない。



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「ドン・キホーテ 1-6巻」 セルバンテス 作 牛島信明 訳 岩波文庫 を読んだ

2018-08-18 13:33:25 | 読書
 



 マドリッドのスペイン広場(1930年にセルバンテスを記念して造られた)にあるセルバンテス、ドン・キホーテとサンチョ・パンサの像

 知らぬ人はいない有名な小説だが、初めて通読した。何といっても面白い。トーマス・マンもナチの迫害に追われてアメリカに渡る船旅の友として本書を読んだという(解説 第6巻434頁)。
前編が49章、後編79章の構成になっていて、スペインで発刊されたのは前編が1605年、後編が1615年だったという。

ドンキホーテの狂気によって引き起こされる様々な事件、忠実な従士サンチョの機知に富んだ応答が面白い。更に後編では前編を下敷きにした様々な物語が展開して、偽書までが出版されてその作者がキホーテと会話を交わす様子までもある。

最終章でキホーテは病に倒れ、死の間際正気を取り戻し遺言状を作成して、その場の人々の深い同情と涙に見守られながら、魂を神に捧げた。つまり死んだのである(411頁)。

上の本の表紙にあるように、精密に描かれた挿絵が随所にあり楽しませてくれる。


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「不死身の特攻兵-軍神はなぜ上官に反抗したか」 鴻上尚史 講談社現代新書 を読んだ

2018-08-12 19:32:44 | 読書


これは、先の大戦の戦争指導者層の恥部を暴く、と言ってもいいほどの本だ。陸軍第1回の特攻隊員(敗戦の前年1944/11/12に4機5人-うち通信士が1人-で出撃)の1人に指名された佐々木友次伍長は、このときを含めて9回出撃して何れも生還している。何故か、というのが本書の主題だ。

著者は、あることから当人の生存(当時92歳で、札幌に入院)を知り、2015/10/22から5回のインタビューに成功した。
海軍特攻戦死者は2,525名、陸軍は1,388名、海軍では予科練とか予備仕官、陸軍でも大学出の特操や少年飛行兵だという(222頁)。志願とは名ばかりの強制で命を落とした彼らが哀れだ。

多くの人が戦争を知らない今こそ、読んで貰いたいと思う。


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