「おっさんの掟」-大阪のおばちゃんが見た日本ラグビー協会「失敗の本質」 谷口真由美
著者は幼少期、花園ラグビー場のメインスタンドの下にあった近鉄ラグビー部の合宿所で育ち、「花園ラグビー場の娘」と呼ばれていた、という(180頁)。請われて、2019年6月日本ラグビー協会理事に他の女性二人と共に就任した。専門は法学者(大阪芸術大学客員准教授)で、ラジオのコメンテーターとしても活躍中だった。
2020年1月にラグビー新リーグ法人準備室長に就任、その後新リーグ審査委員長も兼任、2021年2月に法人準備室長を退任、6月に協会理事、新リーグ審査委員長も退任という経過をたどる。
新リーグ立ち上げに、いわゆる「おっさんの壁」に立ち向かうが、最後はその壁を突破かなわず寂しく敗退の憂き目に遭う。一連の孤軍奮闘ぶりを実名を明かして本書が完成した。
これを読むと、日本のたて社会の構造を変える困難さ、特に女性の地位向上も、おっさんたちの口先だけという情けない状況に唖然とする。一読をお勧めする。