佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

小値賀島へ 

2010-08-08 | 


「おぢか」って、「小値賀」と書きます。

なかなか読めないでしょう?

ある水彩画の個展会場に置かれていたパンフレットを夫が持ち帰ってきました。





私はこの写真に魅せられて・・

「いいねぇ・・」「うん、いいねぇ」
即、宿を予約しました。

翌日、小値賀行きの船も予約。



小値賀島は長崎県の西、五島列島の北の方に位置する大小17の島からなる諸島です。

人が住んでいるのは小値賀本島をはじめ、橋でつながった斑島(まだらじま)黒島
そして定期船が通う大島六島(むしま)納島(のうしま)など。
その他は無人島です。

小値賀本島の笛吹港へは佐世保から船が出ています。
高速船「シークィーン」で1時間25分、フェリー「なるしお」で2時間35分です。


4日朝、出発。
海も空も真っ青・・・


高後燈台が見えてきました。
あの海峡を過ぎると佐世保湾脱出。外海に出ます。


高速船はとても早くて(早いから高速船なんだけど)、外海に出ると波しぶきも高く、
船窓から見る景色の半分くらいが真っ白になることも・・・。


遠くに小さく見えていた平戸の島影ともさよならしてウツラウツラしていたら、
いつのまにか、間近に島が見えてきました。

これが、小値賀島でしょうか?




カメラを望遠にしてみると・・・読めました。 
「おぢか空港」の文字。

定刻通り10時45分、笛吹港に到着。

暑い!
強烈な日差しと湿気・・・ここもほんとに長崎県?と感じるくらいです。


荷物もあるし、まっすぐ予約していた民宿に。

「すみません。いま掃除してるのでちょっと待ってくださいね~」

チェックインにはちょっと早いかったので、隣の喫茶店で冷たいものでも・・と入ってみたら、
な~んだ、宿のご主人がこっちでもマスターしてる。

かき氷とピザを食べながら、ご主人の小値賀自慢に耳を傾け・・

そうそう、このご主人があのパンフレット表紙絵の作者なのです。

そして、「よかったら午後から島内を案内しましょうか?」と言って下さいました。

ラッキー!

お言葉に甘え、食後一休みしてから、島内一周にしゅっぱーつ!


最初に車を降りたのは、赤浜海岸



その名の通り、赤茶色の砂浜が続いています。
なぜ赤いのか?
それは、小値賀島は火山列島なので、砂浜も火山岩の砂礫でできていて、多くの鉄分を含んでいます。
その鉄分が酸化して赤くなったのだそうです。



それにしても、赤い浜だと、ゴミも目立ちますね・・

ご主人の話では、きれいに掃除しても、翌日にはすぐゴミが流れ着いてきりがないんだとか。。
朝鮮半島からの物もけっこうあるそうです。




確かに、このお菓子の袋はハングル文字です。

でも、この海岸のすぐそばには、こんなきれいな花も咲いていました。
初めて見る花です。
なんて名前だろう?



こちらは、はまゆうですね。



赤浜海岸から東へしばらく走ると茶色の建物が現れました。

小値賀島空港ビルです。

でも、今は閉鎖中。
以前は長崎と福岡への便があったけど、平成6年以降は就航していないらしい。
人口減少、船便の充実などの影響でしょうか。


ここから見ると、飛行場というより、たんなる原っぱみたい・・


次に訪れたのは、神島(こうじま)神社



創建は飛鳥時代末期らしい。
その頃、遣唐使船団の航路が五島列島経由に変更されたことから、
遣唐使の航行を助けたと言われる神社で、実は一対を成しているのです。

小値賀島の神社は「地神島神社(ちのこうじまじんじゃ)」
野崎島の神社は「沖神島神社(おきのこうじまじんじゃ)」と呼ばれ、
向かい合って建っています。

社殿から鳥居の方に向かって歩いて行くと、海が見えてきて、
その向こうの島が野崎島、
そしてその島の左山腹中ほどに、沖神島神社が米粒ほどに確認できました。



眼下の海は透き通っていて、海底の岩についた藻の緑が揺れて見えます。


再び車に乗り、今度は少し高台に向かいました。
わずか85mの愛宕山
でも、そこからの眺めは広々とした空間。心まで解放されていくようです。

海も空も広くて青くて・・野崎島も海色に染まっています。
草原の緑だけが、やけに元気そうでした。


ここは、小値賀島の中央部分を走る松林、「姫の松原」

日本の名松百選に選ばれたみごとな松並木。
400~500mほど続いています。





小値賀本島を4分の3ほど周り終えたところで、
ご主人は橋を渡って斑島へ連れていってくれました。

再び海岸に出ました。
ここに何があるんだろう?


ポットホール?Pot Hole? なんだろう?
日本語で玉石甌穴と書かれていますが、わかりません。


説明板を読むと、こういうことのようです。

玄武岩の裂け目にできた穴(深さ3m口径2m底径1m)に直径50cmの玉石がはいっている。
それがどうやってできたかというと、
岩の裂け目から勢いよく入ってきた波が、中の石を動かし転がす。
石は回転しながら穴の壁を削り続け、自分も磨かれ光り出す。
日本最大規模の甌穴で、国の天然記念物に指定されている。

(あとで調べたら、なんと世界でも2番目に大きい甌穴だって!)

どんな石でしょう?ワクワク・・


軽石のお化けのような岩が並んでいます。
その間の道を進んで行くと・・・


ありました!

これです!

写真じゃ見にくいですが、実際には本物の目玉のように見えて、ギョっとしました。

数千年もの間、波に洗われ、岩にぶつかり・・
角が取れて、磨き合い、
つるつるでまん丸な玉石となったんですね。
悠久の自然の力に圧倒されました。

だけじゃない。
それは、まるで大きな目玉のよう。

美しの島「おぢか」を見守り続けてきた偉大なる者の目?
そんな、私らしくもない発想に我ながらビックリ。

きっと、このうだるような暑さと、眩しすぎる海の青さのせいでしょう。。



斑島を出てからは一路宿へ。
お風呂に入り、ああ~さっぱり!

夕食時のビールの1杯は格別で、

福岡の電気工事屋さん、
神奈川県は葉山のカメラマンさん、
佐世保市の営業マンさんなどと話が盛り上がり、楽しい夕食でした。

民宿のおかみさん、遅くまでごめんなさい。  m(_ _)m

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする