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香港 雨傘運動4年 若者たちはいま

2018-10-23 07:00:00 | 報道/ニュース

9月28日 国際報道2018


4年前
香港のトップ 行政長官の選挙をめぐり
若者たちが民主的な選挙の実現を求めた「雨傘運動」。
2か月余りにわたって町の中心部に座り込み抗議を続けたが
最後は警察がバリケードを撤去し
若者たちを強制的に立ち退かせた。
この4年間で香港の民主派勢力をめぐる状況は厳しさを増している。
2016年には民主派の議員が就任時の宣誓で
中国を侮辱したとして議員資格をはく奪された。
また雨傘運動を主導した学生団体の幹部3人が
違法な集会に参加したとして有罪判決を言い渡された。
9月には中国からの中国からの独立を主張する政治団体の活動が禁止され
民主派への圧力が
さらに強まるのではないかという懸念が広がっている。
雨傘運動に参加した若者たちが2年前に起ち上げた団体「香港衆枝」。
集会やSNSを通じて
香港の政治体制は住民投票で決めるべきだと訴えている。
しかし今年3月
幹部の1人が議会選挙に立候補しようとしたところ
当局によって届け出が無効とされた。
住民投票の主張は憲法に抵触するとの判断だった。
3月と8月には
中国本土を訪問したメンバーが
理由も示されないまま一時拘束される事態も起きている。
「香港衆志」代表の林朗彦さん(26)。
圧力月には中国強まるなか
市民の支持をつなぎとめるのが難しくなっていると感じている。
(「香港衆志」代表 林朗彦さん)
「市民が関心を失っているのは事実ですが仕方ありません。
 民主化運動に対する政府の圧力が強まっているから。」
それでも民主主義を求める思いをつないでいきたい。
林さんたちは雨傘運動を経験していない若い人たちに向けた情報発信に重きを置いている。
この日は高校生ら12人とともにかつて座り込みを行なった場所を歩いた。
林さんは当時の写真を見せながら説明する。
「ここで警察との衝突がありました。」
(参加者)
「これまで運動を知る方法は本だけだった。
 当時の人たちが何を思い参加したか
 政府のどんな行為が彼らを動かしたのか
 分かりました。」
「なぜ雨傘運動が多くの支持を得たのか
 もっと知りたい。」
熱心に話を聞く参加者に手ごたえを感じた林さん。
今後も地道に活動を続けていくつもりである。
(林朗彦さん)
「雨傘運動は今も香港にとって大事な社会運動です。
 次世代の人たちに知ってほしい。
 信念を貫いて活動を続けていきたい。」
一方 香港政府に対する訴えに限界を感じている人もいる。
林子龍さん(30)である。
2014年には連日のように街に繰り出しデモに加わった。
それでも結局 何も変わらなかったとして
いまはその後ろ盾となっている中国政府の政策を変えなければならないと考えている。
この日は香港にある中国政府の出先機関の前で抗議活動を行なった。
中国南部で労働環境の改善を求めたことで拘束された女性の解放を訴えた。
しかし
巨大な権力を持つ中国の政策を変えるのは容易ではないと感じている。
(林子龍さん)
「雨傘運動後に無力感を感じるのは
 問題が決着していないからです。
 次に向けて何をするべきか
 答えを見つけなければいけない。」
雨傘運動が過去のものとなりつつあるなか
民主主義を求める声をどうつないでいくのか。
若者たちの模索が続いている。



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