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史上初の永世七冠達成

2017-12-12 07:00:00 | 編集手帳

12月6日 編集手帳

 

 菊池寛は将棋に熱中したことでも知られる。
腕にも自信があったらしい。
『将棋』と題する随筆に心得を並べている。

<怒つてはならない、
 ひるんではいけない、
 あせつてはいけない。
 あんまり勝たんとしてはいけない。
 自分の棋力だけのものは、
 必ず現すと云ふ覚悟で、
 悠々として盤面に向ふべきである>

例えばだれ?と問われれば、
羽生善治棋聖(47)をあげる将棋ファンは多かろう。
どこか淡々として気迫を表に出すわけではない。
きのうは将棋界の特別な一日となった。
竜王戦で羽生棋聖が竜王位を奪い返し、
史上初の永世七冠を達成した。

19歳で初タイトルの竜王位を獲得した頃の、
あどけない「はぶくん」を思い出す。
髪にちょっと寝癖がついていたりして、
女性ファンも多かった。
おごることなく将棋道を追究した結果だろう。
大山康晴、
中原誠にして永世称号は五冠にとどまる。
快挙というほかはない。

それにしても、
明るい話題の多い将棋界である。
知らない者同士が対戦できるネット将棋が普及し、
海外にも人気は広がりつつあると聞く。
永世七冠の名もたちまち横文字で知られることになろう。





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