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北大 研究費確保に寄付プロジェクト

2017-07-12 06:00:00 | 報道/ニュース

6月17日 おはよう日本

 

“少年よ 大志をいだけ”
クラーク博士の言葉を理念に掲げる北海道大学。
今年4月に発足したのが
寄付で応援!北大の研究」プロジェクト。
研究を守ろうと
有志で集まった教授4人が起ち上げた。
“生き物を観察。認識するための新しい方法論を提案したい”
“欧米に比べ
 日本ではがん予防研究に十分な研究費が提供されていない”
“長期的に研究を続けるためにも
 資金面での支援が必要である”
市民が興味を持った研究に1口1万円から寄付ができる仕組みである。
プロジェクト発足の背景にはきびしい研究費の削減がある。
発起人の1人
遺伝子病制御研究所 藤田恭之教授。
いま取り組んでいるのは
極めて初期段階のがん細胞を発見するという新たな研究テーマ。
しかし研究機関は10~20年単位。
長期間研究するための資金繰りに苦しんでいるという。
細胞を培養するために必要な牛の血清。
「これ1本 4万5000円。
 去年 うちの研究室で90本買いましたので
 これだけで400万円近くかかっている。」
これまで研究費の資金としていた交付金は年々減っている。
そこで頼りにしているのが科学研究費である。
国の審査を経て獲得できる。
藤田教授はこれまで2度科学研究費を申請。
しかしいずれも不採択となった。
自分たちが行うような長期的な研究は国からなかなか評価されないと感じている。
(藤田恭之教授)
「政府あるいは現在の風潮としては
 すぐに成果が出るようなものがより尊ばれるような感じが残念ながらある。
 長いスパンで見ないといけない研究にはなかなかお金が下りにくい。
 そこに非常に苦しんでいるのが現状。」
さらに深刻な資金不足により研究が頓挫してしまったケースも出てきている。
電子科学研究所の所長を務める中垣俊之教授。
粘菌など単細胞生物の動きを
インフラなど社会の様々な仕組みに応用する研究を行っている。
しかし研究室を案内してもらうと
(中垣俊之教授)
「ここは計測室。
  がらんとしてますけど
 人があんまりいない。」
年間予算はわずか70年万円
3年前から研究院を雇うこともできず思うように研究が進まない
(電子科学研究所 中垣俊之教授)
「たくさんの実験もしなくていけないし計算もしないといけない。
 いよいよ厳しい感じになっている。」
市民から研究費の寄付を募る新たなプロジェクト。
しかし始まって2か月が経ったが寄付は無い。
どうしたら寄付をしてもらえるのか
アイデアを出し合う会議が開かれた。
目をつけたのが海外の寄付制度。
イギリスでは大学ではなくさまざまな団体をまき込んで寄付を募っていることが分かった。
さっそくイギリス在住の研究者にアドバイスを求めた。
(ロンドン大学 ギョーム・シャラス教授)
「例えばロンドンマラソンでは慈善団体が一定の出場枠を持っています。
 ロンドンマラソン出場は名誉なので
 その枠を使い出場希望者から寄付を募ります。」
社会をまき込むことで研究を守ることができるのか。
研究者たちの試行錯誤は続く。
(遺伝子病制御研究所 藤田恭之教授)
「この研究をより一般の方にわかりやすい形で伝える。
 サポートしていただく。
 そして『できました』と。
 双方向性のあるやりとりができたらいい。
研究ががより社会に還元できるようないい関係ができればいい。」

プロジェクトを起ち上げた北海道大学の研究者たちは
今年度中に
それぞれの研究内容を一般市民に説明する講演会を開き
理解を深めてもらうことで寄付につなげていくことにしている。





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